にゃーん・・・・・・
ふと足元にじゃれつく柔らかなぬくもりがあった。
みると、そこには猫がいた。
(なんだっけ、メイクーンとかだっけ?)
じゃがみこみ、なでると、可愛らしく泣き声を上げた。
「ふふっ、かわいい・・・・・・名前はなんて言うの?」
きちんと手入れされた毛並み
可愛らしい首輪
(秋緒さん、猫好きなのかな・・・・・・?ちょっと意外・・・・・)
抱っこしていると、猫は嫌がりもせず、私の腕の中で大人しくしている。
(あったかい・・・・・・)
そのぬくもりが、少し心を和ませている気がした。
落ち着いて、家の中を見回す。
(さすが、弁護士さんの家だな・・・・・・すごく広いし、綺麗なお家・・・・・ここに来たのはいいものの、何をして待っていればいいんだろう?)
ふと、綺麗な広いシステムキッチンが目に入った。
「そうだ・・・・・・」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
夜遅く・・・・・・カチャリとドアが開く音がした。
私の傍にいた猫が走り出す。
(帰って来たんだ、秋緒さん・・・・・・)
「お、おかえりなさい」
秋緒「ただいま、悪いね、遅くなっちゃって」
「あ、いえ」
(何だか、この会話、普通の夫婦っぽい・・・・・・)
優しげな秋緒さんの様子に私の方が戸惑ってしまう。
猫を抱いてた秋緒さんが、ふっとテーブルに視線を移した。
そこには私が作った夕飯が並んでいる。
「ご、ごめんなさい、キッチンを勝手に使いました。その、ヒマだったので・・・・・・」
秋緒「構わないよ。今日から、君の家にもなるわけだし」
「あ・・・・・」
秋緒「いいね、こういうの、夫婦ごっこっぽくてさ」
料理をひとつつまんで口に入れる。
秋緒「意外とうまいね」
「ありがとうございます・・・・・・」
秋緒「思わぬオプションだ」
秋緒さんの言葉一つ一つが、結婚をひとつの契約としてとらえそこに何の愛もないことを印象付ける気がした。
それで構わない。
でも、わずかに、心が冷たくなっていくような気がした。
秋緒「さてとじゃあ、早速、契約を済ませちゃおうか」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
秋緒さんが一枚の書類を取り出した。
目の前に差し出されたそれは、婚姻届だった。
秋緒「俺はサイン済みだから、君も、今してもらえる?」
「・・・・・・・・・」
秋緒「どうかした?」
「そ、その・・・・・・今、ハンコを持っていなくて」
秋緒「ウソはダメだよ。金を工面するために、今朝、ハンコを持って銀行に行ったくせに」
「・・・・・・!」
(そんなことまで調べてあるんだ・・・・・・)
バックから、ボールペンとハンコを取り出した。
(まさか、今日、婚姻届を出すことになるなんて・・・・・・)
暗い気持ちでサインをし、ハンコを押す
秋緒さんに差し出すと、満足そうにうなづいた。
秋緒「OK,あとは明日、俺が提出しておくから」
「はい・・・・・・」
秋緒「それと借金はもう全部返済しておいたから」
「えっ・・・・・・」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ありがとうございます +5
いつか必ずお返しします
お金持ちなんですね
「ありがとうございます。これで両親も助かります」
秋緒「まあ、そう言う約束だからね。お礼を言われることでもないよ。君には、それだけの働きをしてもらうつもりだしね。とりあえず、金は払った。これで、俺は君を思い通りにできるってわけだ」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
微笑むと、秋緒さんは私の方へ一歩近づいた。
秋緒「さてと・・・・・・」
距離が縮まるにつれて、今日の昼間のことを思い出す。
あの時は、携帯が鳴ったから良かったけど、今は・・・・・・
自然と鼓動が激しくなる。
秋緒「新婚初夜ってやつだ、どうやって楽しもうか?」
秋緒さんは楽しげに私の耳元に唇を寄せてきた。
大きな手が私の首筋に優しく撫でた。
ゆっくりと、秋緒さんが私に近づいて行く。
少しづつ距離が縮まるたびに、私は緊張していくのがわかった。
大きな手が私の頬に触れ、唇が近づく。
To be continued・・・・