仕事柄、英語教育系の本を山ほど読むのですが、
 
最近読んだ本で、「ガッテン❗️」だった1冊。
 
英会話・ぜったい・音読 【続・標準編】 國弘 正雄 著
 
 
私の英語学習人生の中で、
 
「音読」は、効果のあった英語学習方法の一つだったので、
 
國弘 正雄 先生 の 多くの音読に関する著書は、つねに「ガッテン」なのです。
 
 
が、
 
その中でも、上記の著書 まえがき の部分 で述べられている考察は、
 
全英語学習者一読の価値あり!でした。
 
 
この本で、國弘 正雄 先生は、
 
「こんなにも発展していて、
 
英語学習方法も多く流通している日本という環境で、
 
なぜ日本人が英語が喋れないのか、」
 
をより根本的な文化的背景から考察なさっていました。
 
 
要約すると、こんな感じです。
 
 
日本人:
日本人は、伝統的な言語観として、母国語である日本語においても、言語に対して低い評価をしてきた。「口は災いのもと」や「言わぬは言うに勝る」「沈黙の美学」などという文化。 
 
「徒然草」において、兼好法師は「言葉多きは悪ろし」と示し、
本居宣長は、桜の花がハラハラと散るのを見て、「もののあはれ」という日本人独特の審美感をつくった。
 
 
ユダヤ・古代ギリシャ文明に繋がる、西洋文化:
聖書、ヨハネの福音書にあるように
「はじめに言葉があった。ことばは神とともにあり、ことばは神であった」
と示され、言葉はとても重要視されてきた。
言葉を用いて、説明すること、自己表現することが文化の基礎となっている。
 
 
 
國弘 正雄 先生の考察によると、
 
日本人が英語やその他の外国語に拙いのは、
 
「この手の言語観からくる、母語における拙さに何よりの原因がある」
 
とのこと。
 
 
この考察、私が日々感じていた文化の違いや違和感を、的確に分析しています。
 
私は、18年間、海外で生活し、
 
今では、日本人よりも、日本人以外との交流の方が多いのですが、
以下を日々感じていました。
 
西洋人は特に、言葉で表現することを大変重要視する。
言葉で表現されなかったことは汲み取らない傾向にある。
 
 
一方、
日本人は、言葉そのものを受け取るのではなく、
言葉のその向こう側にあるものを見よう、
理解しようとする傾向にある。
意思疎通するために、言葉に頼る割合が低い。
 
 
日本人のこの傾向って、
国際社会からすると、理解され辛く、誤解を生むことも多いんですよね。
 
 
また、実生活で、会社などでプレゼンや会議をする際も、
(私も含めて)日本人は、「言葉足らず」なことが多い。
 
英語という言語以前に、言葉によって何かを伝えようとする姿勢が、西洋人に比べて、低い。
その為、意見・意思が伝わらないことが多い。
 
 
この本を読んで、
日本人は「英語」が苦手なのではなく、
「言葉で伝える」ことに重きを置いていないために、
英語やその他外国語を上手く操れない、と「ガッテン」しました。
 
 
これは、ほんとうに素晴らしい考察でした。
久しぶりに、興奮しました。
 
 
國弘正雄先生、良書を、ありがとうございました。
 
(この記事、興奮のあまり、あっという間に書き上げたので、後ほど更正いたします。)