同業の長財布が、小銭でぱんぱんだった。
小銭だけで数千円分はあろうかという量だ。
なぜそんなにも大量の小銭を持っているのか尋ねると、
「普段PayPayとクレジットカードしか使わないんだよ!」
実に不合理な弁解である。
ーPayPayとクレジットしか使わないなら、現金は出てきませんよね?
天才的な反対尋問をした後、私はある考えに至った。
「賽銭どろぼうでもしたんか!!」
「してないよ!!」
・・・否認。
大量の小銭を持っている理由が存在しない。
私の目には、同業=賽銭どろぼうとしてうつっている。
「賽銭どろぼうで捕まるなんて、本当に情けない・・・。
情けないよ!!!!」
あらぬ罪で怒られる同業。
「賽銭どろぼうなんてしないよ!!
賽銭箱にはそんなにお金入ってないよ!」
・・・なぜそんなことを知っているんだ?
ますます怪しい。
確実に黒だろ!!謝れよ!!全国の神社さんに!!
・・・いきなり謝罪されても、神社さんも迷惑か。
>突然現実に戻る
なお、なぜ同業がこんなに小銭を持っているかの本当の理由は、
毎晩「美女がいるよ!」と呼び出されては、ほいほい出かけて酔っ払い、
事理弁識能力を欠いた状態で現金払いをするため、お札のみでしか支払いができないから、である。
***
さて、この小銭の使いかたが問題である。
店員さんは、通貨の何たらの法律で、20枚以上(※各硬貨の種類ごと)の小銭を出されたら受け取りを拒否することができる。
だとすれば、普通のお店で使うのはやめといた方がいい。
一体この大量の小銭をどうするか。
・・・!!!
「ねぇ!!神社作りなよ!!
賽銭箱置いて、その隣にその大量の小銭を置いたらいい!!
この小銭をここ(賽銭箱)に入れてくださいって!
そうしようよ!!」
私の提案に、同業は満足したらしく、作った神社に何を祀るかということを考えだした。
>どっちもばか