3歳でピアノを始め、大学卒業まで習っていた。
物心ついた頃にはピアノに触れていた。
クラシックを聴きながら眠たくなり、
弾きながらも眠たくなっていた。
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中学生になると、たいしてピアノが上手いわけでもないのに、
ピアノだけでは物足りなくなり、
ピアノの発表会で、ピアノ以外の楽器も発表したいと考えるようになっていた。
>どんな自己顕示欲
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ピアノ教室の先生に、きちんとピアノで1曲弾くから、エレクトーンも発表したい!と頼んだ。
そして、その年の発表会では、ピアノで幻想即興曲(ショパン)を弾いて、
エレクトーンで、
くまのプーさんの曲(Winnie The Pooh)
アリエルの曲(Under the Sea)
と、浮かれた感じのものを弾いた。
エレクトーン楽しい!!!眠くない!!!!
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しかし、翌年にはエレクトーンにも物足りなさを感じるようになった。
そして、やはりピアノの先生に頼んだ。
翌年の発表会、
ピアノでは革命のエチュード(ショパン)を弾き、
もう1曲は、
ドラム演奏をすることになった。
ここで一つ問題があった。
ドラムを発表すると決めたものの、ドラムなどやったことはない。
しかし、まぁ、広い意味で言えば、ドラムもピアノと同じ楽器だし?エレクトーンも何となくできたし?
音楽、というくくりでいけばドラムもピアノも一緒だよね?
ドラムかっこいいよね!!
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本当に考えが甘かった。
一切ドラムが上達しなかったのだ。
驚くほどセンスがなく、両手両足をバラバラに動かすことができなかった。
どうしてもどうしても上手くならなかった。
本当に嫌になっていた。
できない。ドラムできない。カスタネットかタンバリンやる。トライアングルでもいい。
とにかくドラムはできない。
自分からやりたいと言い出したのに、ドラムをやめたいと言う私をみて、
先生はすごい決断をした。
「片手片足にしよう」
なんと、
ドラムセットの中央に座るものの、
片手のみしかスティックを持たせてもらえないことになった。
これは恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
大きなドラムセットの中央で時々片手、片足を動かすのだ。
これは、ドラムを演奏しているとは言えないのではないか。
発表したのは、王様のレストランの曲。
同じピアノ教室の子たちの前で、
音楽に合わせて、時折、片手に持ったバチでシンバルやタイコを叩いた。
時々、足でタイコを叩いた。
先生、
左手にもバチを持たせてよ・・・。
翌年以降、ピアノ以外を発表したい、などとバカな発言はしなくなった。
>トラウマレベルの恥ずかしさ