昨日、突然、
太宰の「走れメロス」を読んで読書感想文を書いてほしい、
という依頼を受けた。
>どういう流れで
タイトルを聞いたことはあったものの、
今回、初めて読んで、衝撃を受けた(゜_゜)
こんな小説だったのか・・・(゜_゜)
この話で、小学生(?)は読書感想文を書くよう言われることもあるらしい。
ということで、
学校提出バージョンと、
本音バージョンと、
2種類の読書感想文を書いたので、
ご確認ください*\(^o^)/*
↓以前書いた、読書感想文の書き方について
☆☆☆
学校提出バージョン
「走れメロス」を読んで
令和4年9月5日 ぴぽたぬき
1
大成功だ、メロス!君の走りが世界を救った。
「走れメロス」
この小説のタイトルは、他でもない、メロス自身を鼓舞する言葉であった。
2
私の毎日は、たくさんの諦めで構成されている。
諦めることで、自分自身を守っていた。
例えば、生まれた場所が都会であるか田舎であるかということや、生まれた家庭が裕福であるかそうでないかということ。
諦めるための理由は、とても簡単に見つけられるのだ。
私の祖父は、癌である。この夏休み、病気の祖父は、私の顔を見たいので祖父の家に来るように、と言った。
しかし、私は、祖父に会うために部活の練習を休むのが怖かった。
1日休めば、ライバルに差をつけられてしまう。
私は、祖父に断りの電話をいれた。
「仕方ないんだ。
祖父が住んでいる場所は私の家からは遠いし、部活の練習を休むことはできない。
もしも祖父が近くに住んでいれば、会えたのに。
祖父もきっと、私が部活で活躍してくれることを喜ぶだろう。」
私は、諦めるための理由を、いとも簡単に見つけ、自分を納得させた。
3
しかし、メロスは違った。
メロスは、何一つ諦めなかった。
邪智暴虐の王から民を守ることも、妹の結婚式に出ることも、友人の命を守ることも。
全てを諦めず、ただただ友人を信じ、自分を信じ、メロスは走った。
信じ切ることができたからこそ、走り続けることができたのだ。
4
「メロス、君ならどうするだろうか。」
もしもまた、自分が諦めるための理由を探し始めたら、心の中のメロスに問いかけたい。
メロスならきっと、どんな場面でも諦めない。
私はこの夏、他人を信じ、何よりも自分自身を信じるメロスに出会えて、本当によかった。
自分を信じ、自分を鼓舞する。
メロスが
「走れメロス」
と自分を鼓舞したように、私もこれからは、自分を信じ、鼓舞し続けたい。
部活を1日休んでも、空き時間に練習をすればよい。練習ならいつでも出来る。
しかし、祖父に会うことは、今しかできない。失ってその大切さに気づくのは、あまりにも悲しい。
私は、諦めることを諦めるという生き方を、メロスに教えてもらった。
今月、祖父に会いに行こう。
「走れ」自分。まだ間に合う。
☆☆☆
さて、こんな面白みのない読書感想文を書きたかったわけではない。
私の本当の感想を書いた文章は、下記である。
☆☆☆
本音バージョン
「走れメロス」を読んで
令和4年9月5日 ぴぽたぬき
1
メロスを走らせたことが何よりの間違いであった。美談で終わらせてはいけない。
2
(1)「この小説を読んで、感想文を書いてほしい」
そう依頼を受けた時、私は、お風呂が沸いたことを知らせる音声を聞き、今まさに入浴しようとしていた。
送られてきたリンクを開くと、すぐに読み終わる長さの小説ではない。
「思ったより長いからお風呂出たら読むね笑」
そう告げたにもかかわらず、
「最初の方だけでもいいからメロスに対してどう思ったか聞かせて!」
と言われる。
どうやら、急ぎで読書感想文が必要らしい。
(2)文章の大枠を理解するために、最初と最後を読むことにした。
最初の方を読むと、メロスが牧人であり、笛を吹き羊と遊んで暮らしていることが分かった。
小説のタイトル「走れメロス」とは、羊を追いかけて走ることを意味するのだろうか?
一つの仮説を持ちつつ、最後を読むと、最後の方にこのようなセリフがある。
「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。」
牧人メロスが真っ裸になっている。
一体、間に何が起こったのか。
3
(1)入浴後、話の全部を読み終わり分かったのは、私の仮説が明らかに間違っていた、ということである。
誰がこの展開を予想できるのだろうか。
(2)まず、メロスは、政治のことがわからないにもかかわらず、
王の言動に怒り、「呆れた王だ。生かして置けぬ。」と言い、いきなり刃物を隠し持ち、王のところに攻め込みに行くのだ。そして、案の定、巡邏の警吏に捕縛される。
無計画にも程がある。
(3)次に、メロスは、本来自分が捉えられるところを、自分に予定があるからと、友人を身代わりの人質として差し出す。自分の預かり知らぬところで、3日もの長期間、拘束されることになったメロスの友人セリヌンティウスの恐怖たるや。
メロスは、友人の身体の自由を何だと思っているのだろうか。
それも、メロスと友人が再開するのは2年ぶりというのだ。
私であれば、2年会っていない友人から、
「ちょっと身代わりの人質、頼むね」
と言われると、すぐに訴訟提起する。
(4)さらに、メロスは、妹に、事情があるからと言い、結婚式を明日にしろ、と突然言っている。
一生に一度の晴れ舞台を、そのような形で迎えなければならなかった妹。
私なら兄を結婚式に呼ばない。
(5)そして、最大の問題点は、友人を身代わりの人質にしているにもかかわらず、メロスは、しっかりと睡眠をとり、持ちまえの呑気さを取り返した挙句、歌を歌いながら歩き始めた、ということである。
案の定、トラブルが起こり、最終的に走らなければならなくなっている。
通常の感覚であれば、友人を身代わりの人質に差し出した状況で、呑気さを取り返すことなどできるはずがない。
4
メロスよ。なぜ走る前に考えなかったのか。
確かに、信じることは重要である。
自分のことも、他人のことも、疑って生きるよりかは信じて生きる方がいい。
しかし、信じることと、他者の意見を聞かず、無計画に行動に移すことは異なる。
私は、メロスの一連の走りを通じて、他者に相談することの重要性を学んだ。
いわゆる反面教師である。
政治のことを知らないのであれば、どのように王を動かすべきかを、仲間と話し合うべきであった。
走る前に相談して、メロス。
私は、この言葉をメロスにかけたい。
なお、この話に出てくる王について、別途検討の必要があることは言うまでもない。
☆☆☆
私の夏休みの宿題は、
あとドリル(小学5年生よう)である。
>本当に今やってる