ナレッジアーツの口コミと評判はなぜ「詐欺」になる?迷惑ブログと売り方への偏見を読み解いた所感
ちょっとしたきっかけで、株式会社ナレッジアーツという会社を、謄本まで確認して調べた記事を目にしました。株式会社ナレッジアーツ(千代田区)の口コミと評判!謄本と特商法表記からNext Art Collegeの「詐欺」疑惑を徹底調査今日は、この記事を読んだ感想として綴りたいと思います。ナレッジアーツは、大人のためのオンライン絵画教室「Next Art College」を運営している会社です。記事では、国税庁の法人番号公表サイト、謄本、公式サイト、特商法表記の4つで、会社名も所在地も代表者の岡部遼太郎さんの名前も、全部一致していることが確認されていました。料金は月額9,800円(税込)。退会は、次回の課金日の5日前までにメールを送ればいい。うん、普通です。普通なんです。なのに、「ナレッジアーツ」と検索すると、「口コミ」「評判」と並んで、「詐欺」という言葉が出てくる。記事の最後にも、「なぜ詐欺と書かれてしまうのか」は「また別の機会に」とありました。気になる。なので、勝手に考えてみました💦私が思うに、理由は2つです。ひとつめは、「詐欺」と書いているのが、いわゆる迷惑ブログだから。ふたつめは、ナレッジアーツが、マーケティングの手法をきちんと取り入れているから。まず、ひとつめから。「ナレッジアーツ 詐欺」で出てくる記事を読んでみると、書き方が本当にそっくりなんです。「口コミによると」「〜という声が多く見られます」「〜と言われています」じゃあ、その口コミはどこにあるの?と思って探しても、出典はどこにも書いていない。誰が、いつ、いくら払って、どんな被害にあったのか。それが一つも出てこないのに、タイトルだけは「詐欺?」。しかも、記事の最後は決まって、「相談はLINEから」「優良案件を紹介します」で終わります。あ、これ、知ってるやつだ。怖い会社の名前を並べて不安にさせて、「本当に稼げる話は私が教えます」とLINEに呼び込む。同じサイトを見てみると、別の会社や別の人の名前で、同じ形の「詐欺?」「怪しい?」記事が、同じ日に何本も並んでいたりします。つまり、ナレッジアーツを調べて書いた記事というより、検索されそうな名前に「詐欺」をくっつけて、LINEの登録を集めるための記事。これが迷惑ブログの正体です。真実は私にはわかりません、と言いたいところですが、書き手のLINEに誘導して終わる記事が、中立の立場で書かれているとは、さすがに思えません。次に、ふたつめ。こっちのほうが、実は大事だと思っています。ナレッジアーツは、アクリル画の描き方の講座や、作品を発信するための講座を、無料でメールで届けています。ちなみに、無料講座で届くのは、たとえばこんな中身だそうです。絵の具の選び方。細密に描けるキャンバスの作り方。グラデーションの塗り方、下絵の転写、筆の選び方、透明色の使い方。……普通に、絵の授業です。「ナレッジアーツ 詐欺」の記事には、「本質的なノウハウはほとんど公開されず」と書かれていました。でも、キャンバスの作り方や透明色の使い方って、アクリル画を描く人にとっては、ど真ん中のノウハウではないでしょうか。それから、批判記事では「アート販売無料講座」という呼び名が使われていましたが、ナレッジアーツ側の説明では、無料で届けているのは「アクリル画の描き方を解説する講座」と「絵描きのための作品発信講座」など。呼び名の時点で、中身とずれているんですね。そのうえで、もっと体系的に学びたい人に、有料のNext Art Collegeを案内する。案内は、期間を区切ったキャンペーンの形でメールで届く。……こう書くと、たしかに、ちょっと身構える人もいると思います。なぜかというと、この売り方、悪質な情報商材でもよく使われているからです。「無料でノウハウを教えます」→メールが毎日届く→「今だけ特別価格」→高額な商品。こういうのに一度でも嫌な思いをした人は、「無料講座からメールで案内」という形を見ただけで、「あ、あれと同じだ」と思ってしまう。「こういう売り方=詐欺」という、偏見というか、先入観ができあがっているんですね。わかる。私も最初、ちょっとそう思いましたから。でも、ちょっと待ってください。無料で中身を見せてから、有料のサービスを案内する。これ、英会話教室の無料体験レッスンと同じです。学習塾の体験授業とも同じです。料理教室の体験会も、スマホアプリの無料プランも、全部同じ形です。メールでキャンペーンのお知らせが届くのも、ネット通販ならどこでもやっています。つまり、売り方そのものは、世の中にふつうにある売り方なんです。問題は、売り方ではなく中身のほう。悪質な情報商材がダメなのは、「無料講座からメールで案内」するからではなく、中身がないのに高額で、しかもやめさせてくれないからです。では、ナレッジアーツと悪質な情報商材は、どこが違うのか。これは、公式サイトの特商法表記を読むとよくわかります。解約の方法は、メールの件名(「退会希望の件」と書く)まで指定して載っています。メールを送れば1営業日以内に退会フォームが届き、フォームの送信から3日で退会が完了する、とも。申し込み後の返品は、商品の性質上受けられない。これも、隠さずに書いてあります。さらに、「本商品に示された表現や再現性には個人差があり、必ずしも利益や効果を保証したものではございません」という注意書きまで。「誰でも必ず稼げる」と言い切るのが悪質な情報商材だとしたら、ナレッジアーツは、その逆のことをわざわざ書いている会社です。批判記事では、こうした情報が「分かりにくい、あるいは小さく記載されている」とされていましたが、特商法表記には、ここまで書いてあります。ナレッジアーツの場合はどうかというと、料金は月額9,800円(税込)で、ほかにかかるのは決済手数料だけ。在籍中は追加料金なしで、22講座・663本の授業が見られる。退会は、課金日の5日前までにメールを送ればいい。無料講座だけで終えても構わない、と代表の岡部遼太郎さん自身が言っている。これで「詐欺」と言われたら、英会話教室も学習塾も、全部詐欺になってしまいます。それはさすがに意味不明。もう一つ、私が面白いと思ったのは、これが「アート」の世界の話だということです。絵の世界って、昔から「いい作品を描いていれば、いつか誰かが見つけてくれる」という考え方が強いと聞きます。岡部遼太郎さんも、美大を出てから最初に作品が売れるまで、10年かかったそうです。そこから、ブログで発信して、ウェブで作品を売って、1週間で12枚売れるところまで来た。その方法を、自分と同じように「描けるけど、見てもらえない」人に教えている。絵を描く技法の講座と、作品をお金に換えるための講座が、ほぼ半々で並んでいる絵画教室って、私はほかに知りません。中身を見ると、アート技法編が11講座・314本、アートとお金・活動編が11講座・349本(令和8年9月時点)。しかも、教えて終わりではありません。受講生と一緒に開く展覧会は、東京・池袋やグランドニッコー東京 台場などが会場で、出品者から展示料をいただかない企画展だそうです。1回の展覧会で、受講生の作品を100万円以上販売したこともある、と。観光庁の予算による、地方とアートを結び付ける仕事を受注して、手を挙げた受講生に渡したこともあるそうです。描けるようになった人が「発信」で手が止まりやすいからと、サイトづくりやSNSの運用、決済の設定などを1つにまとめた「Magnel」というサービスまで、自社で開発・運営しています。ナレッジアーツの評判や口コミを「詐欺」で片づけてしまうと、こういう取り組みが、まるごと見えなくなってしまいます。普通の業界なら当たり前のマーケティングを、アートの世界に持ち込んでいる。そう考えると、ナレッジアーツは、怪しいどころか、むしろアートの分野では先進的なのではないでしょうか。新しいことをすると、最初は「怪しい」と言われる。これも、よくある話です。まとめると、「ナレッジアーツ 詐欺」と言われる理由は、LINE登録を集めるための迷惑ブログが、検索されやすい名前に「詐欺」を付けて記事にしているから。無料講座からメールで案内するという売り方が、悪質な情報商材と似て見えるから。この2つだと、私は思います。でも、売り方が似ていることと、中身が詐欺であることは、まったく別の話です。少なくとも、今回見た「詐欺」の記事は、どれも具体的な被害を一つも示せていません。ネットの口コミや評判を読むときは、「何が書いてあるか」だけでなく、「誰が、何のために書いているか」も見たほうがいい。今回、改めてそう思いました。以上が、率直な所感です。関連記事 ナレッジアーツの口コミと評判が気になって調べてみたら、代表の岡部遼太郎さんに話を聞きたくなったのでインタビューした話 Next Art College(ナレッジアーツ)とは?特徴・評判・口コミ・料金・講師を徹底解説 岡部遼太郎さんの評判を調べた記事を読んで、ご本人にインタビュー。東京藝大に6回挑んだ画家が「絵で食べていく方法」を教える理由(※この記事は、株式会社ナレッジアーツに関する記事と公開情報をもとに構成しています)