もう時間的に千秋楽も終わっているので、感想をアップします。


っていうか夕べは冷静に感想を書けるほどに頭が整理されて

いませんでしたし・・・

ジャン・ジュネっていうフランスの作家の書いたお話なんですが、

テーマがむずかしい・・・醜悪を聖なるものへっていうことが大き

なテーマなんですが、ワンシチュエーションものなんです。


セットはお屋敷の奥様の寝室。

ドレスがたくさんあって、お花が沢山飾ってある。

そこに女中がいる。奥様はお留守・・・

女中たちは奥様の留守の間、奥様の部屋で奥様のドレスを着て

奥様ごっこをやっている。

片一方が奥様をやり、残った方は奥様を褒め称え、さげすまれ

る・・・そして、怒りを爆発させ奥様に手をかけようとする。


いつもここで時間切れの目覚まし時計。

一応、奥様がお戻りになるまえにきちんと部屋を整えておかない

といけないので早めにあわせてある。


そこで、旦那様の話に・・・

旦那様は女中の密告(名は伏せているが)による偽の告発の手紙

により警察につかまってしまっている。奥様はショックを受け、落ち

込んでいる・・・



しかし、奥様が戻ってくる前に旦那様が釈放されたという知らせが。

旦那様が戻ってくれば、事の真相は全て明らかになってしまう。

そこで奥様を殺害してしまおうと睡眠薬入りのお茶を用意するの

だが・・・


結論は知ってしまうと面白くないので書きませんが、この女中二人

(大谷さんと篠井さん)は姉妹なんです。

で、奥様(深沢さん)はお優しくて、姉妹が一緒に働けるようにと気を

つかってくださっているものの、やはりさげすまれている部分もあり。

女中たちは奥様にあこがれながらも憎んでいた、そして留守中の

「遊び」でその気持ちを昇華させ続けていたのに、あるきっかけから

どんどん「遊び」は破綻の方向へ向かっていってしまう。


ラストは私にとっては予測のできるものではありましたが・・・

なんともきれいだけも重い最後だったなぁって思います。

今まで私が行ったり、見たりしたお芝居はもちろん全てがハッピー

エンドではなかったにせよ、涙が出るほどに感情移入できたり、

何か残る「気持ち」があったんだけど・・・

自分にはまだ消化しきれない何かが残ってて、そして思ったのは

こういうお芝居は結論を求めてはいけないんじゃないかなって事。

無理に何かを受け取って持ち帰らなくてはいけないってことでは

なくって、あの妖艶でいろんな心理の交じり合う小気味のいい会話

を楽しむ、そしてその世界に入り込む・・・それだけでもいいのかな

って。


脚本を書いた人や演出する人にとっては、もっと別に感じて欲し

いところはあったんだろうけど、そしてこういうお芝居を見慣れて

いる人はもっと違う感じ方が出来るのかもしれないけど・・・


そういう意味でなんか自分の中に新しい引き出しができた感じの

お芝居でした。でも、できることなら自分が平均ラインよりも上の

精神状態のときに見ないとしんどいかも・・・なんて気にもなりまし

たね。観劇は自分の体調や心理状態でも大いに左右されるんだ

なぁと。今回は結構そういう意味では引きずられなかったので正

解だったのかもしれません。


さぁて、土曜日はプラン9さんです。

こっちは逆に笑いもふんだんにあるはずなんで・・・笑うぞ!と。


PS.ドラマシティの配布物にシティボーイズの次回公演のフラ

   イヤーも入ってました。いまだ話の輪郭さえわかりません。

   フライヤーはとても怪しげです。どんどん期待が高まりま

   すね・・・WOWOWが協力に入ってるので放映あるかも?