TC療法の副作用に脱毛がありますと主治医から言われた日。
私はどうしても脱毛が嫌で、主治医に脱毛しない可能性について聞きました。
確実に髪は抜けますと言われました。
でも私は、シスプラチンの時に抜けなかったので今回も奇跡が起きるのではないかと心のどこかで期待していました。
私だけじゃなく、多くの女性にとって髪は重要だと思います。
今の時代そんな事ないと思われる女性もいるかもしれませんが、それでも髪の毛はモチベーションを上げてくれる事もあります。
私は髪の毛が唯一の自慢でした。
髪の毛の事をとても大切にしていました。
なので、脱毛がどうしても嫌でした。
以前ブログにも書きましたが、本格的な脱毛が始まる前に坊主にしました。
シャンプーをした時に、自分の髪の毛を自らの手で抜いてしまう感覚を味わいたくなかったからです。
どうせ髪が抜けるのならば、最初からなかったことにしておきたい。
そんな思いもありました。
まつ毛は眉毛よりも早い段階で抜け始め、目の中に抜けたまつ毛が入って痛いと感じる時も何度かありました。
つけまつ毛をしていた時期があったので、まつ毛に関してはつけまつ毛でどうにかしようと思っていました。
実際にまつ毛が全て抜けてからつけまつ毛をしましたが、上手く付けられず涙で取れてしまいました。
「自分のまつ毛」という土台があってこそ、その上につけまつ毛を乗せる事でキレイに見えていたんだなと知りました。
眉毛は薄いホクロがあったので、大体このくらいの位置に生えていたという目印になりました。
KATEのアイブロウで自然に書けました。
全身のムダ毛が全て抜け、身体はツルツルになりました。
夏場だったので、これはとても嬉しかったです。
次々起こる副作用の中で、今でも残っているのが足の痺れです。まだ感覚も戻りません。
髪の毛が抜けた日のことは一瞬で過去の事となります。
そして何より、髪がない姿は意外とすぐに見慣れます。
これは強がりでも何でもなく本当の事です。
確かに脱毛しなければしないに越したことはありません。
でも、髪の毛がない事に対するハンデは何もありません。
足の痺れは歩けなくなるほどの痛みでした。
リリカという薬を飲んでも、ほんの少し痛みを少なくする程度で、抗がん剤の回数を重ねるほど効き目も薄くなりました。
本当に辛い副作用です。
足が生え変わってくれたらと思うほどです。
「髪は必ず生えてきます」
あの時の主治医の言葉は、私にとって励ましでも何でもなかったです。
必ず生えてくる事ではなく、必ず抜ける事が嫌なのにと心の中で思いました。
過去の自分にこのブログを読んでほしいと思うくらい、そんなに脱毛を悲観しなくて大丈夫と言ってあげたいです。
そしてこれから抗がん剤で脱毛が待っている人に、大切なあなたの髪の毛は全てなくなるかもしれないけれど、必ず新しい姿で生まれ変わってきてくれるからと伝えたいです。
それぞれで副作用の辛さは違うと思います。
それでも脱毛に落ち込む人は多いのではないかと思います。
でも、脱毛は命に関わる事ではないです。
それをあの時の私にも分かってほしいです。