手術後6日目
待ちに待った退院日です。
この日は廊下を歩かず、朝から荷物の整理をしていました。
朝食が終わり、8時に看護師さんから呼ばれました。
看護師「これから内診があります」
私「はい」
病棟にある処置室は狭い作りなので、内診の椅子に座るとカーテンが顔に当たるか当たらないかのギリギリな状態です。
主治医「傷跡も綺麗ですねー。中も問題ないです」
私「ありがとうございます」
主治医「傷口のテープ、貼り替えますね」
ピシッ、ピシッ、ピシッとピンセットを使ってテープを勢いよく剥がしていきます。
そこまで強度があるテープではないので、痛くはありません。
新しく貼り直してもらって内診は終了しました。
内診後、主治医に呼ばれてスタッフステーションに入りパソコンを見ました。
パソコンには私の子宮が映っていました。
思わず目を背けると、
主治医「こういうの見るの嫌い?」
私「得意ではないですが、ちゃんと見ます」
見るの好きな人なんてひと握りじゃないのかなと思いながら、一緒に見ました。
そこには腫瘍がS字結腸に癒着していた部分の画像がありました。
その画像を見ながら、手術が何故試験開腹で終わってしまったのかを聞くことが出来ました。
これをこの後11時にお父さんとお兄ちゃん2人にも見せながら説明すると言われました。
お兄ちゃん達、こんな臓器見て大丈夫かな?と心配になりました。
部屋に戻り病院のパジャマから私服に着替えました。
久しぶりに少しだけお化粧もしました。
10時45分頃、家族から病棟のラウンジへ到着したと連絡がありました。
私はナースコールを押し、部屋の最終チェックをしてもらいました。
OKが出たので家族の元へ向かいました。
この日は私の他にも退院される方が何名かいるようで、ラウンジ付近はお迎えの人でいっぱいでした。
私を見つけてお父さんが手を挙げました。続いてお兄ちゃん達も手を挙げてます。
私は手を振りながら急いで向かいました。
私「お待たせ!今日はありがとね」
お兄ちゃん達「退院おめでとう」
お父さん「退院おめでとう」
お母さんはラウンジで私の荷物を見ていてくれました。
お母さん「末っ子~退院おめでとう」
私はみんなに「ありがとう」と伝えました。
しばらくすると看護師さんが呼びに来ました。
主治医から家族への説明があります。
お父さんとお兄ちゃん二人が行き、お母さんは私とラウンジでお留守番です。
ラウンジなので入院患者さんも利用しています。
お母さんとの雑談は程々にして待ちました。
待ってる時間は40分くらいだったと思います。
20分を過ぎた辺りで「まだかな?」とお母さんと言っていました。
しばらくすると、お父さん、お兄ちゃん2人と一緒に主治医と看護師さん2名がラウンジに来ました。
主治医「末っ子さん、ご家族の方にもしっかり説明しましたからね」
私「色々とありがとうございました」
主治医「次の入院は5月9日なのでお願いします」
私「はい。こちらこそよろしくお願いします」
そう言って病棟ラウンジを出ました。
外はとっても良い天気です。
ゴールデンウィークはずっと入院している予定だったので、退院が早まった事はどんな理由であれ心の底から嬉しかったです。
この日はアパートではなく実家に帰る事にしました。
お腹の痛みは気を付けていれば大丈夫といった感じでした。
ガタンッガタガタッ
車の揺れがお腹に響きます。
私「ねぇ、段差のとこがお腹に響くから優しく運転してほしいんだけど」
次男「ゆっくり運転してるよ」
これ以上言うと険悪な雰囲気になりそうだったので控えました。
くしゃみもそうでしたが、お腹に響くものが今は一番痛いです。
腹帯を巻いていても、お腹の動きを抑制出来るほどの効果はないのでひたすら耐えました。
車から外に出るのも痛いです。
降りるたびに「あ゛ぁぁぁっ」という野太い声が出ました。
退院祝いで焼肉を食べに行きました。
タン塩とロースが食べたかったので、沢山頼みました。
家族で食べて、お腹いっぱいになりました。
その後はメガドンキホーテに寄って、お尻が痛くならないように、弾力性のあるクッションを買ってもらいました。
その後、実家に帰ってゆっくりしました。
普段は一人暮らしでアパートに住んでいますが、実家は広いので廊下でゴロンとなりながら外を見るのがとても最高です。
網戸から入る風も気持ち良くて、生き返る~と思いました。
抗がん剤後も実家で静養するので、新たに私の部屋が作られていました。
ベッドだったのでラッキーと思いました
子供の頃はベッドがいいと言っても気持ち届かずでしたが、大人になって念願が叶いました。
実家にこうしてゆっくり帰るのは15年振りです。
懐かしさを感じながら、家族とゆっくり過ごした夜でした。