2023年4月28日


手術の朝。

いつも通り目が覚めました。


今日でとりあえず腫瘍とさよなら出来るんだなと、嬉しい気持ちでした。


でも、子宮と卵巣もなくなります。

※卵巣の機能は放射線治療をしているのでもうありません。


自分の体から自分の一部がなくなる・・・。

これまで本当にありがとう、そしてごめんなさいとお腹をさすりながら言いました。


付き添いの方は8時までに来てくださいと言われていたので、事前に両親へ伝えていました。


6時半頃電話が鳴り、もう着いたと言われました。


家、何時に出たの?と聞いたら5時半との事です。早すぎてとても驚きました。


両親の方がとても緊張している様子でした。


朝ごはんもないので、時間が長く感じました。

好きなYouTubeを見て気を紛らわしました。


8時40分。

主治医を先頭に婦人科の医師数名が部屋に来ました。


主治医「昨日はよく眠れましたか?今日は頑張りましょう」


私「はい!」


そう言って部屋を出て行きました。


8時45分。

婦人科の看護師さんが部屋に来ました。


看護師「末っ子さん、手術室に行きましょう」


私「わかりました」


兄2人に「行ってくる!」とLINEを送り、貴重品を入れた引き出しの鍵を持って行きました。


不思議と緊張はしていませんでした。


手術室がある階層に着きました。

少し歩くと、付き添いの方が待機する部屋に着きました。


お母さん「末っ子!」


私「あぁ!おはよう」


お母さん「頑張ってね」


私「うん、ありがとう」


お父さん「おぉ!おはよう。頑張れ」


私「ありがとう」


コロナ禍で付き添いは1人のみです。

特別に2人で待っていてくれましたが、この後お父さんは車の中で待っていました。


私「あ、お母さんこれ貴重品の鍵。なくさないでね!」


お母さん「大丈夫よ!ちゃんと持ってるね」


少しだけ会話をした後、手術室に向かいました。


手術室の扉はとても大きな扉です。

扉が開き、中に入る時は堂々と入りました。


入ってすぐに椅子があり、座って待つように言われました。


しばらくすると看護師さんが2人来て、名前・生年月日・手術の内容を答えるように言われました。


全て答えると


看護師「昨日は眠れましたか?」


私「眠れました。でも下剤で下痢までなっちゃって寝てる時もほんと辛かったです」


看護師「婦人科の手術をする人はみんな同じこと言います。下剤が辛かったって」


私「えぇー、そうなんですね」


話しながら進むと、更に部屋がありました。

入ると、大きなモニターや機械が沢山ある部屋になってました。


看護師「ここで手術します。真ん中にベッドがあるので横になってください」


ベッドは想像していたより小さく、カラフルな感じでした。


横になると凄く温かくてフカフカしてました。


看護師「温かいでしょう?」


私「はい、気持ち良いです!」


まずは硬膜外麻酔からと言われました。

上半身裸になり、背中を丸めるように言われました。


丸まってる間、看護師さんがずっと側にいて腕をさすってくれています。


看護師「肌がモチモチですっごく気持ち良い」


そう言って、緊張を解してくれました。


背中に消毒液が塗られました。

それだけで「ビクンッ!」と反応してしまいます。


看護師「大丈夫、大丈夫だよ」


私「はい・・・」


次に針が背中に刺さります。

そこまで痛くは無いですが、全く痛くない訳ではないので痛みを感じたら痛いと言っていました。


痛いと言うたびに看護師さんが体をさすってくれて、痛いよね、嫌だよね、よく頑張ってるよと声をかけてくれました。


硬膜外麻酔の処置が終わり、点滴の針が左手の甲に刺されました。


これが手術前の処置で一番痛かったです。


バタバタと準備が進む中、酸素マスクが口に来ました。


麻酔担当医「これから麻酔を入れます。大きく深呼吸してください」


私「スゥ~・・・ハァァ~・・・」


『あれ?数を数えて途中で意識がなくなる有名なアレじゃないんだな』


そう思いました。


何度か深呼吸しましたが、特に意識がなくなるような感覚はありません。


麻酔科の医師が酸素マスクを押さえ、


麻酔担当医「もう一度大きく深呼吸お願いします」


私「スゥゥゥ~・・・ハァァァ・・・スゥゥゥ~・・・」


その後の記憶はありません。


 手術後


遠くの方で声が聞こえました。


医師「○○先生(主治医)、ご家族の方への説明終えられました」


医師「管を抜きます」


うっ、なんか喉がオエッてなりそう。

あ、ならなかった・・・。


主治医「末っ子さん、末っ子さん」


私は目を開け声がする方を向きました。


そこには手術着の主治医がいました。


主治医「末っ子さん、お母さんですよ。分かりますか?」


私「はい、分かります」


お母さん「末っ子、よく頑張ったね。大丈夫だからね」


私「うん。貴重品の鍵返して」


主治医「さっき看護師が受け取ってるので大丈夫ですよ」


この時心の中で、


『お母さん、何でそんなに悲しい目をして泣いているの?大丈夫だからって、私に慰めてくれてる言葉・・・?』


そう思いました。


主治医「末っ子さん、ICUではなくこのまま病室に戻ります」


私「先生、おしっこ漏れそうです。トイレ行きたいです」


主治医「おしっこは管が入ってるから大丈夫よ」


手術後の感想は、おしっこが漏れそうでした。


こうして手術が終わり、部屋に戻りました。