放射線治療の吐き気と、何も食べられない状況は変わりませんでした。


そんな中、初めての抗がん剤治療を行う日が来ました。

吐き気がある中で抗がん剤をやる事はとても不安でした。

抗がん剤は辛いものというイメージがあったので、先入観から来る気持ち悪さも強かったです。


使用する抗がん剤はシスプラチンというもので、シスプラチンを併用する事で放射線の効果が上がるそうです。


抗がん剤を点滴する1時間前に、アプレピタントカプセル125mgという薬を服用しました。


化学療法室に入ると、ベッドに案内されました。

抗がん剤が届くまでの間は、点滴を刺す腕を温めて待ちました。


しばらくすると抗がん剤が届きました。

シスプラチンは腎機能に影響が出る可能性があるので、沢山の水分を点滴で入れますと言われました。

また、毎日水分を1.5L~2L飲んでトイレの回数を増やすようにと言われました。

抗がん剤は尿から排出されるそうです。


点滴が始まりましたが、点滴が入っている感覚はありません。

シスプラチンが入っている間も、特に変化を感じることはありませんでした。


一番辛く感じたのは、シスプラチンの次の点滴でした。

利尿剤が入っているそうで、トイレが近くなりました。

トイレの間隔は、10分に1回くらいの間隔で行きたくなりました。

トイレに行く時はナースコールを押す事になっていますが、あまりに頻繁なので押しにくく感じました。


全ての点滴が終わり、体温と血圧を測定して終了しました。


長時間の点滴と初めての抗がん剤で緊張した事もあり、帰りはクタクタでした。

長男が迎えに来てくれました。


ここで嬉しい事がありました。

お腹がすいて、ご飯が食べたいと思えたのです。

毎日続いた胃のムカムカもなくなっていました。


院内のコンビニに立ち寄り、ハムカツサンドが目に入りました。

無性に食べたくなり、ハムカツサンドと梅干しのおにぎりを買いました。


車の中でハムカツサンドを食べました。

とても美味しくて嬉しい気持ちになりました。

長男にも「食べられるようになったじゃん」と言われながらあっという間に完食しました。


主治医から「吐き気止めの点滴を入れるので、もしかしたら吐き気が落ち着いて2~3日は食べられるようになるかもしれない」と言われていました。

当日から食べられた!と思い、気分がとても良かったです。


このまま吐き気が落ち着いてくれたらいいなと思いながら帰りました。