pisuドキドキ

これは,UFOに魅せられたある一人の男の物語である…得意げ


プロローグ  エピソード1


その男は焦っていた…

乗り馴れた車のカーステはぼんやり19:25を浮かび上がらせていた。

『クソッ時間がない…』

男は力なくそう吐き捨てた…しかしながらハンドルを握る手はどこか力強かった…


右折、左折、右折、左折…ここ何年も変わらない反復運動を繰り返した後、いつもの店にたどり着いた。


…馴染みのビデオ店。男の自称ビデオ通の礎を築いた店である。そして男の天敵、両分けポマードクソ野郎のいる店。

しかし今日はその男のことはどうでもよかったのである。

滑る様に車から降りたその男は、右手の小銭入れの中身にチラリと目をやった。

掌にズシリと来る重み…小銭だけでゆうに3000円は入っているだろうか。

3000円あればビデオを好きなだけ借りれる。

しかし、男の目的はビデオではなかった。そのビデオの入口左奥に疲れきった容姿で無気力に佇む機械…

我輩はUFOキャッチャーである。その容姿とは裏腹に、自ら言い放つ様に彼は凛としていた。

『やってやる!』おもむろに男は100円玉を数枚彼の頭上にのせてその内の一枚を唖然とした彼の口に
放り込んでやった!

男の目的は一つ…彼の胃袋に詰ったマイメンの救出である。

マイメンとは言ったものの会うのは今回で2回目なのである。

私は見て見ぬふりをした。しかし私以上にマイメンの安否を気遣う人がいた…

その時、私は一つの使命感みたいなものを感じたのだ。助けてあげたい…マイメンを…そしてその人の
喜びに満ちた安堵の表情を見る為に…


全てはその一瞬の為に…



意を決して男はボタンを押した…


その時っ!!ガラス越しからのぞく2つの不気味な影…その正体は…!?

後編に続く

ぴすわらドキドキ