風味絶佳
山田詠美
文藝春秋

チョコレート・アンダーグラウンド
アレックス・シアラー
求龍堂

おいしそう…なんである。

何がって装丁がだ。
両方とも甘い匂いがしまいかと、本に鼻を近づけてくんくんしてしまう。
ちなみにチョコレート・アンダーグラウンドの方は文字もチョコレート色だ。
最近の本はこういう遊びのある装丁が増えてきてうれしい。
シンプルなのもまたよし、なんですけどね。

山田詠美の本はずっと好きだけど、長編がいい。
短編かぁ…と思いつつもちろん我慢できるはずもなく買ったのですが、なかなかに新鮮。
いろんな職業の男の人と恋の話です。
なんでしょかね?じわっとします。が、胃に溜まる感じがないといいますか。
不思議と長編よりか短編集のほうが胃に溜まる感じがあったんですよ。でもそれがない。
軽いわけではないんですけれども。まさにタイトルに答えあり。して滋養豊富。
老いてますますさかん、かぁ。かくありたい。

もひとつはオリジナル・タイトルが"BOOTLEG"といいまして…密造という意味です。
なにを?チョコレート♪
チョコレートなどの甘いお菓子や脂肪たっぷりの食事なんかが禁止になって
子供達がそれに対抗して終には大人達も一緒に…という話。
読み始めにあああそうよちゃんと投票するのは義務だわぁと耳が痛い。
なににつけ「自分ひとりぐらいいいだろう」というのは安易すぎる。
逆に言えば一人からでも拡がって大きな力になることだってある。
そんな話です。

途中で(好きな人は)キャラメル(○永の)もしくはチョコレートが食べたくなるので
事前に用意しておいたほうがいい。