B,エクスポージャーツアー報告
http://ameblo.jp/peaceboat/entry-10003367638.html
1、 スービック元米軍基地
スービック海軍基地は、隣接するクラーク空軍基地(日本占領時は神風特攻隊の基地でしたが)とともにベトナム戦争時にはアジア最大の規模を誇っていました。1991年ピナツボ火山の爆発で基地内の廃棄物による放射能やPCBが流失し、体内で分解されないで人間だけでなく他の動物にも50年以上悪影響が出ることが判明しました。このことで市民運動を盛り上がり、基地も火山の噴火により使い物にならなくなったので米軍は基地撤退を余儀なくされたのです。しかし、この被害についてのくわしいデータは地元の漁民には知らされず、汚染された湾内でもいまだに漁をして魚を取り食べ続けているそうです。また、BRMOという米軍払い下げ物資の処分店では汚染された廃棄物を処理もせずに地元民に売るという行為が続けられていました。また、米軍が船を洗う為に使っていた有機スズが生態系に悪影響をもたらす環境ホルモンを出していたことも深刻な問題です。
元米軍基地は周辺森林7千ヘクタール、港湾1万1千ヘクタールは、米軍撤退後レジャーセンターに再開発され、基地ができる前元々ここにあった熱帯雨林の森にすんでいたアエタの人たちにナビゲータになってもらってサバイバル体験ができるテーマパークを作る計画もあるそうです。また、猿をはじめとする野生動物の放し飼いの動物園でサファリ体験を売りにした観光開発も行われているようです。しかし、これらの開発に際しても汚染が心配されています。
元基地内には今も367箇所に弾薬庫が残っています。爆弾や火薬の片付けをしたアエタの人たちの健康被害も出ています。また、飲み水の供給源となっている河川もクロムによる汚染があり、その影響が深刻なものとなっています。
2、 フォーラムでの地元NGOとの交流
まずわたしたちは、昼食をとるレストランMAX‘Sでの地元NGOとの交流会とプレスによるインタビューに参加しました。
そこでは、憲法9条をもつ日本からきたピースボートというNGOに対して地元で活動してきた人たちやメデイアが注目し、一緒に闘ってくれるという大きな期待をしておられることを感じました。それに対してAHPTの佐久間さんが沖縄の辺野古の問題や韓国の従軍慰安婦問題について報告をされました。
また、午後からは基地のあったころと撤退後の生活について基地で働いていた労働者の方から体験を聞く機会をもつことができました。
彼は、1986年から17年間スービックの米軍基地で働いて、ベトナム戦争も湾岸戦争も経験したそうですが、今は教会の牧師として活動されています。「軍の労働者としての生活は一見羽振りがよく華やかだったが、一人の人間として思い返してみるとむなしく無駄な人生の期間だった気がする。なぜならそのころは自分が人間としてモラルや誇りが低下していたからだ。ベトナム戦争から戻ってきた血の着いたボートを洗ってまたベトナムへ送り返すという仕事をしていながら何の心の痛みも感じない状態だった。基地に働くじぶんはフィリピンもアメリカも守ってくれない立場だったので、自分はどんな生き物になっていくのだろうと感じていた。IDカードをなくしてしまうとすぐ停職になるのは分かっていたし、安全面でも放射能の脅威などについてはおびえていたが考えるのが怖かったので、基地の外にいる女王のよう着飾った女性たちを買うことできをまぎらわしていた。あのころはフィリピン人一人一人の頭に銃口が向けられていた状況だった。」と基地のあったころのことを語られたのが印象的でした。
基地撤退後は4万人以上もいた基地関係の仕事に就いていた人たちの雇用について心配がありましたが、2004年9月の調査では5万4千人の人たちが自由港スービックでの雇用をえているとのことでした。また、売春業が中心となっていた街の観光産業もエコツーリストへと転換していき、街の風紀もよくなり犯罪も減ってきたそうです。
地元のNGOからは有害物質の汚染やアメラジアンの問題について米軍と政府が責任のなすりつけあいをして真剣に補償や解決の為の対策を考えないことやのひがいの実態について世界に訴えていく活動が必要だとの訴えがありました。
3、 ピースマーチ参加
ピースマーチとは、ABCを中心としたいろいろなNGO団体が旧米軍基地による汚染問題などに対して保障を求めるため共催されたアピール行動です。また単にフィリピンの問題だけでなく、アジアからの米軍基地撤退や世界平和を訴えるという大きな目的もあり、今回はピースボートも、沖縄の辺野古への米軍基地移転に反対するデモンストレーションをしました。
ピースマーチでは、とにかくフィリピンの人々の明るさや前向きさというものが感じられました。カラフルで明るい絵柄のプラカードが並び、平和を訴える言葉が多く使われていました。参加している人々の世代はさまざまで、800人もの高校生が学校ぐるみで参加していました。参加者はみんなとても明るくて、笑顔で平和を訴えていました。
4,ABC訪問
ABCとは、Alliance for Bases Cleanup Internationalという、米軍基地撤退後の有害物質による被害を訴えるNGOの事です。日本語でいうと、「基地クリーンアップ連合」になります。事務所内には、有害物質によって白血病、心臓病、水頭症、皮膚病にかかってしまった子供たちの写真が飾ってありました。これらは、有機水銀による水俣病やPCBによるカネミ油症など、今なお続く日本での問題をも連想させる写真でした。それを被害者の一人、すでに亡くなってしまったクリーゼルという女の子の書いた絵が飾ってありました。鮮やかな色彩で描かれているのが印象的でした。このNGOは、フィリピンの国内および海外へ向けて被害を訴え続けてきた事で、メディアに知られるようになり、ここ最近でだいぶ発展してきたそうです。話を伺ったMyra(ミルラ)さんは、とてもパワフルな女性で、「草の根運動のつながりから世界規模へと活動を発展させ、アメリカへ訴えて行きたい!」とおっしゃっていました。