愛船 新明解丸Ⅲ世によると
「道理にはずれていて、正しくないこと。」 とある
では 「道理」 を紐解くと
「世間で正しいと認めた、行いの筋道。」 とのこと
以前から このマジック・ワード “世間” に
子供ながらに何とも言いようのない不気味な違和感を持ってたんやけど
及ばずながら 二児の父親になったいま
それこそ 世界を醜く歪ませてきた
“ビッグ・ブラザー” の正体だと確信している
だがヤツは ぼくらの作り出した幻想にすぎない
それぞれの心の持ちようで 気付けば雲散霧消しているモロい存在だ
「三人寄れば文殊の知恵」 と言い
革新(確信)的なアホが集まれば吉本帝国になるが
きっと バカは何人集まってもバカなんだろう

おっといけない 無邪気な子供の笑顔でクールダウンしよう
眼にはみえないが 子供の笑顔は
森林浴で得られる フィトンチッドを発している
この愛くるしい “リトル・ピープル” 達を守るために
小粒でもぴりりと辛い山椒のように学び 父として伝え続けたい
学びには「既知」と「未知」があって
既に持ってる知識を深め 教養にまで育てていくのも楽しいけど
自分のちっぽけなモノサシでははかれない
未知なる世界に飛びこんでいくのは
本当にスリリングで 生きるよろこびと言える

音楽でも 「レア・グルーヴ」 なる深遠な世界があるが
日本人の0.1%(約10万人)も理解できないと思う
(別にスノッブ趣味ではないよん)
1970年代後半のイギリスで生まれたカルチャーで
誰からも忘れ去られホコリをかぶった
古いアメリカ産のソウル ファンクやジャズに 新鮮なグルーヴという価値を見出し
みんなでハッピーに踊ろうぜって
アシッド・ジャズやヒップホップのルーツにもなった
民芸運動の音楽版的 ピースフルなムーヴメント
通ってた大学も ミッション系のコンサバ校やったんで
ボーダーシャツ着てても
「囚人みたいやなぁ!」 って素ぅでツッこむ人がほとんどやった
なので 「レア・グルーヴ」 なんて掘ってる人 周りでは皆無で
関西では 一部のDJや 好事家のひそかな楽しみやってんやろな
京阪神の街に繰り出せば 手つかずの未開拓の狩猟場が拡がってるわけで
今考えると幸運やったかもね
この 「BIFF ROSE」 なる マンダムなアーティストによる作品も
梅田DISC J.J.で500円で購入したと思う
良質なインディー・ソウルを出してた「ブッダ」レーベル作
ピンクに妖しい ラグジュアリーなジャケとはうらはらに
打ちまくるブレイクビーツに フェンダー・ローズ・ピアノが
バラのトゲのように舞う パンチのきいたサウンドは
妄想だけに終わったようだった
なんとか ぼくなりの美を救出するで!
抜きドコロを探し 何度もレコードを裏返していくが
今だつかみドコロがない迷盤と言えるだろう

そんな寄り道ばかりのぼくだが
たまに出る クリティカル・ヒットが勇気づけてくれる
ほっこり あたたかくなってきた この季節に最適な
ガーナのシンガー/パーカッショニスト 「BUARI」 の1st ALオリジナル盤だ!
学生時代 今はなき JR芦屋駅近くのレコ屋
りずむぼっくす芦屋店の軒先セール箱で300円やったかな?
75年のRCAならではの ロニー・リストン・スミスばりの
コズミック・ファンク・サウンドの淡い予感
バーナード・パーディーのドラムと
ゴードン・エドワーズのベースを手がかりに買ったんやけど
世界的にも 屈指のメガ・レア盤だったことは
後に レア・グルーヴ・コレクターでもある
STONES THROWのイーゴンのお宝であることで知った
当時 このグルーヴに興味を示した 一人の友達がいた
大学初の音楽推薦で入学した 「サンドウ」 だ
石野卓球やケン・イシイ カール・クレイグが
ヒーローだったテクノ・アーティスト
またあらためて特集を組みたいほど ユニークな人物なんだが
自主レーベル 「サンドウ・レコード」 を運営する
自宅マンション兼スタジオに 「BUARI」を抱え遊びにいった
普段打ち込み系のシンセ・ドラムに親しむ彼にも
パーディーの叩く生ドラムは強烈だったようで
打ちまくるドラム・フレーズを AKAI S3000XLでサンプリングし
ヤマハのシーケンサーで カタカタとあっという間にエディットしていく姿は
ラッパーのECD似のルックスと相まって
黒魔術を操る 錬金術師のオーラを発していた
アフロ物なんか見向きもされてなかったから
たぶん「BUARI」の日本初エディットやったんとちゃうかな!?
いとうせいこうや 藤原ヒロシを師と仰ぐ Bなぼくと畑こそ違うが
そんな二人を紡いだ 美しき 「レア・グルーヴ」
あらためて音楽っていいなとホッコリした瞬間だった
数十年の眠りからさめた ラグドなBUARIサウンドが
大学の生協で買った チープだが低音が良いという
お気に入りのケンウッドのスピーカーから響いていた
「BUARI… ええなぁ…! 貸してさ BUARI…!」
ため息混じりの和歌山弁が サンドウの口からこぼれた
やがて 彼は テクノポップの歌姫
E℮L(イール)のプロデュース・ワークで テクノ・デリックぶりを発揮
不況知らずの 在阪世界的ゲーム会社の
サウンドメイカーとして入社し 世界中のゲーマーを震わせ
「カルボナーラ・シンセサイザー」 なる
テクノ・パンク・夫婦ユニットで イルリメとLiveツアーを組んだり
また アップルストア講師としても
初期衝動という歓迎すべき放射能を拡散し
ボヘミアンな音楽生活を続けている