まずはロッカールームでの話をしようかな。
僕が先に仕事をあがって、仕事用の靴を脱いで普段着の
靴を履いていた時、ちょうどⅯ君がやってきた。
今思い返すとこんなことがよくあったな。
僕があがると彼も申し合わせたかのようにロッカー室にくる。
僕はその時何の考えもなくただ彼の素性を確認するような質問をした。
仕事をしているときは気付かなかったけれど
彼って柔らかい笑顔で話すこともあるんだなと思った。
話を切り上げると次のシフトは?って聞かれて
それじゃあねって具合で。
なんていうのかな。文章であの空気感を伝えるのは難しいな。
彼の視線を肌で感じるんですよ。淡い温度と一緒に。
好意ってそんな風に体感するものでしょう?
その頃僕はまだ彼のことをここまで熱心には思っていなかったんです。
彼はテクニシャンで僕が好きになるように仕向けたんじゃないかな。
専攻はエンジニアリングだけれど、博学だし
きっと色々な知識を備えていて
人間心理の応用とか、何食わぬ顔でできてしまいそうだし。
きっとそう。僕から好きになったんじゃない。彼がそうさせたんだ。
み、ぴあーちぇ。