こんにちは、詩人オウィディウスです。

前回は、目次代わりみたいな話だったね。

そろそろ、本題に入ろう。

 

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余裕があって、手綱を緩めてあちこち行けるうちに

「僕が好きなのは君だけだ」と言えるような女の子を選ぼう。

そういう子は薄い空気を抜けて君のもとへ降ってくるわけじゃないんだから

君の眼にかなった女の子を探さなくちゃいけない。

狩人はシカを獲る網をどこに張ったらいいかよく知っているし

どの谷に牙をむくイノシシがいるかよく知っている。

鳥刺しは雑木林を熟知しているし、釣り針を持つ者は

どこの水に魚がたくさん泳いでいるのか知っている。

君も長続きする愛の対象を手に入れたいんだったら、

女性がどんなところによく行くのか、前もって知っておくこと。

(『アルス・アマトリア』1.41-50)

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まずは、彼女を作るには自分から出会いを探しに行けっていうこと。

これは当たり前のことかもしれないけど、

君たちの時代でも、恋人が空から降ってくるのを待っているような人っていないかい?

「余裕があるうちに」というのもポイントだね。

本気の恋に落ちたら、探しに行くどころじゃないから。

 

出会いを探すなら、狩りと同じで、

女性がたくさんいるところへ行ったほうがいい。

鳥刺しっていうのは、野鳥専門のハンターのことだから

鶏のいる雑木林をよく知っているわけだ。

狩りのたとえをたくさん出したけど、

僕らの時代には、狩猟って現代より身近なものだったからね。

 

え?「愛の対象を手に入れる」って女性をモノ扱いしてるみたいで嫌だって?

現代女性の皆さん、申し訳ない。

でも古代ローマでは、男女平等っていうわけではなかったし、

これは恋愛マニュアルだから、あえてドライな書き方をしてるっていう側面もある。

僕だって、ただ女性を所有すればいいと思ってるつもりはないから。

それじゃ、また次回。