。  以上,2種類のユーザーテストにより,「時間の長さによる(モチベーションへの)影響/関係性は少ない」,「チュートリアルではゲーム内容をしっかり伝えることが何より大切」という調査結果が得られた。  ただ,調査方法については,もう少し詳しく聞きたかったところ。たとえば“モチベーション”はテスターへのヒアリングや,プレイ時の表情,マウス操作から読み取って判断されているというが,具体的な基準は示されていないなど,やや気になる点が残る。加えて,rmt,導かれた「時間の長さによる(モチベーションへの)影響/関係性は少ない」という結論は,画像4-10で示されている「時間と共にモチベーションの低下が見られる」という調査結果と矛盾しているようにも思える。  一方で,此川氏がこの調査結果を受けて立てた「経験価値を伝える」という仮説が,チュートリアルを制作するうえで大切だというのは理解できる。画像4-8を見ると,チュートリアル後にゲームへのモチベーションが最も高かった他社Dの作品は,ほかと比べて時間に対するレベルアップ効率やクエスト達成率が高いことが分かる。  何らかの方法で操作やシステムを理解した見返りがゲーム内に反映されることが,チュートリアルにとって重要な要素なのかもしれない。  ちなみにNHN Japanで,この調査結果を受けてチュートリアルが非常に簡素だったタイトルをリニューアルしたところ,新規プレイヤーの週間残留率やチュートリアルの完了率が大幅に上昇したとのこと。 【事例2】PCゲームのUXリサーチ  続いての事例は,「残留率が悪いPC向けの某タイトル」に関して,ユーザーインタフェースのデザインに不備がないか,というリサーチである。タイトルは分からないが,画像を見る限りではブラウザで遊べるソーシャルゲームだと思われる。  ともあれリサーチルームにテスターを招いて検証してみると,ドラゴンクエスト10 RMT,なんとなく不自然さやストレスを感じる人が多いことが分かった。詳しく調べてみると,体力などの重要なパラメータの表示が画面の「右側」に寄っており,ゲーム中,プレイヤーの目線が右から左へと流れる設計になっていることが判明した。  たとえば雑誌やWebページにおけるデザインの世界では,利用者の目線の動きに関して「Fの法則/Zの法則」というものがあり,これは使いやすいインタフェースの定説となっている。今回のタイトルのインタフェースは,どちらの法則にも当てはまらず,ストレスを感じる要因の一つになっていたのでは
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