。  視界に入るはずの自分の手が見えなかったら,普通は疑問に思うはず。ところが,実験後に被験者に話をきいてみると「言われてみればそうかもしれないけど,自分の手は視界の外にあるものだと思っていた」と話したそうだ。つまり,「自分の手が見えない」というつじつまを合わせるために,ドラゴンクエスト10 RMT,脳が嘘をついたのである。  藤井氏は,脳が信じるような“おはなし”を,SRシステムを通して与えることで,多少の齟齬があっても脳が“補正”して納得してくれると説明した。  藤井氏は,SR技術が可能にしたのは「現実と地続きな仮想」だと述べる。また,これは言い換えれば「視覚と聴覚をHackする技術」でもあるのだ。 「Blended Reality」という新たな試みも  また,藤井氏はSRを進めた新たな試みである「Blended Reality」の研究も進めているそうだ。  ここで紹介されたのは,今年5月に行われた,さまざまなジャンルのプレゼンテーションが行われるイベント「TED@Tokyo」において藤井氏が実演したときの映像である。藤井氏は,講演前に自身がステージに立っている姿をあらかじめ撮影しており,講演の本番中に,リアルタイムの自身の姿と合成してみせた。この映像では,ステージのライティングの関係から,ひと目で合成だとわかるような結果になってしまっているが,実際にはもっと自然な合成が可能だという。  こういったBlended Realityの研究により,「これからのコンテンツは視聴の時代から体験の時代へ移るのでは」と藤井氏は述べる。  前述したSRの実験からもわかるように,人々は普段の生活から得られた“信じる力”で現実を見る。そして,SR技術を使えば,そういった現実に編集が加えられるのだ。  藤井氏は最後に,コンテンツやアーカイブの将来の形として,「ビデオをYouTubeにアップロードして楽しんでいるように,いろいろな経験をパノラマの形で録っておけば,その経験をみんなで共有できる」と述べ,今回のセッションを締めくくった。  こういったパノラマカメラやHMDを用いたSRの技術に対しては,目新しさを感じる一方で,本当にゲームへ応用されていくのか,疑問に思う人もいるだろう。しかし,現行のゲーム機にはカメラやモーションセンサーなど,数多くのセンサー類が搭載されており,今後のゲームの進化の方向性として,DQ10 RMT,SR的なものへと近付いていく可能性は十分ある。  HMDなどのハードウェアが一般家庭に普及するまでにはまだまだ時間がかかりそうだが,たとえばアーケードゲームなどであれば,SR的な仕掛けをもったハードウェアとソフトが実現できそうにも思える
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