既に売却してしまいましたが、164の事、最終回です。
アルファロメオ164スーパー24Vというクルマを、マニア的に?では無く(笑)、正当に評価すると、私の、当時新車を購入した方に対する評価は、「尊敬に値する」です。何しろ、このクルマ、当時の車両価格が600万円近い価格だったのです。それも、消費税抜きで(汗)。実際の値引きがどの程度有ったのかは知りませんが、メルセデスベンツならCクラスの上級モデルかEクラス、BMWでも同じ様に3シリーズの上級モデルか5シリーズが買える価格です。
にも拘らず、敢えて、このクルマを選ばれた方なのです!
凄いです!。ある意味(^^;;
メルセデスベンツやBMWと、市街地で比較試乗したならば、恐らく買わない筈です。何しろ本当に、呆れる位ハンドルが切れないのです。片側2車線で、中央分離帯の幅が狭く、路側帯に余裕の無い道路では、間違いなくUターンが出来ません(中央分離帯側の車線から、一度左側の車線にはみ出さないと無理。)し、駐車場の狭い所ならば、一発で駐車するのに神経を使います。正確にラインを読まなければ、一発で思っている位置に駐車する事が出来ないのです。
普通のクルマの感覚で運転していると、“あれ?”っと思う場所でハンドルがフルロック状態になり、それ以上小回りが出来ないのです。ですから、私は164に乗る時は、「自分は2トンロングのトラックに乗っている」と言う位の心構えで乗っていました。普通の乗用車だと思ったら駄目です。
ですから、「尊敬に値する」と、思うのです。
ろくに試乗もせずに購入したならば、「これは堪らん!」と、すぐに手放してしまった方もいらっしゃったのではないでしょうか?。新車時には、初期のマイナートラブルが多い車だった様ですし。
日常的に、市街地では難儀するケースに出くわす筈ですし、切り返しの回数も多くなりますから、元々弱いと言われるパワステも、よく壊れた事でしょう。何せ頻繁にフルロック状態になるので、パワステの負担はかなり大きいと思われるからです。
私には大きな障害には成りませんでしたが、狭い路地の有る地域に住んでいらっしゃる方には、とても大きな障害になると思います。田舎に住んでいる私ですら、164に乗る時は、あらかじめ通る道をシュミレーションしながら乗っていたんですよ!。迂闊に狭い路地に侵入すると、大変な目に遭います。実際に一度、大変な目に遭った経験が有ります(笑)。何度も何度も切り返し、苦労して脱出し、大汗をかきました(^^;
こんなクルマなのに、所有し続けられるという事は、余程164を愛しているか、余程お金持ちなのか、どちらかでしょう。どちらにせよ、やはり尊敬に値します(^^;;
164スーパー24Vには、「轍にハンドルをとられる」という問題点も有りました。私が所有していたスーパー24Vを含む、正規輸入車の後期型164全般の話になると思うのですが、205/55R16というタイヤサイズを全く履きこなしていない感じなのです。勿論、私が購入した時点で「ド中古車」なので、私が知る状態が全てとは言えませんが、メーカー純正仕様とは思えない位、轍にハンドルを取られるのです。これは、私がゴルフ3を16インチにインチアップしていた頃に似ています(今はノーマルの14インチに戻しています)から、「アルファロメオは余り深く考えずに16インチ化した」というのが正解なのじゃないのでしょうか?。付属していた日本語マニュアルによりますと、15インチが標準サイズで、16はオプションサイズという記載になっていましたし、本国版を日本語化しただけという雰囲気のマニュアルでしたから、16インチはカッコ優先のオプション品と言う位置付けだったのではないでしょうか?
164は前期型の15インチ、65扁平タイヤが正解だと思います。
とは言え、顕著に轍にハンドルを取られるのは、車速にして80km/h~100km/h辺りに領域に限られるのが幸いです。それ以下では気にならないので一般道では問題となりません。制限速度が80km/hで、轍の有る高速道路が一番不快です。しっかりとハンドルを握っていないと進路を乱されます。100km/hを超えた領域は、不思議と大丈夫なんです。ですから、高速道路は、「飛ばせば飛ばす程、快適になる」という、魔性のクルマでした。勿論飛ばすと「アルファロメオV6サウンド」という“ご褒美”も、もれなく付いてくるので、高速巡航は本当に“たまらないクルマ”なのです。
それ以外にも、トルクステアがかなり大きいという特徴もあります。特徴と言うか、欠点ですね(笑)。トルクステアが強いのは。設計の古いFF車は、多かれ少なかれトルクステアを感じるものですが、私の経験では164がナンバーワンです(笑)。アクセル・オンの時だけでは無く、アクセル・オフの時にも感じるのです。アクセル・オフの時にもトルクステアを感じるのは、私の経験では164だけです。ハイパワーなFF車の経験が乏しいので、比較対象が少ないのも事実ですが、最初はちょっとびっくりしました。でも、直ぐに慣れます。ハンドルをしっかりと握っていれば良いのです(^^)
最後に、以前も言及しましたが、ATの事。本当に悪い印象は有りませんで、スポーツモードではフランス車で採用例の多い、AL4みたいにシフトアップをなかなかせずに、やたらと高回転まで引っ張る仕様になっちゃいますが、それはそれで、スポーティーで善しです。オートモードでは、極力低い回転数を使う様なシフトスケジュールで、好ましい物でした。にも拘らず、燃費に貢献している気配は有りませんでしたけど(笑)
結局は、魅力的なところと駄目なところ、明確に存在するクルマなので、当時、普通の車だと「勘違い」して購入してしまった方は、“えらい目に遭った”と、思ったのではないかと思われます。今となっては164の生存台数が少な過ぎて、誰の参考にも成らない様な気がしますけど、マニア的観点から見ると、164って楽しいクルマです!
以上、164の話し、おわりです。