グルタチオン点滴でパーキンソン病は治るか?

 4年ほど前確定診断が出た後いろいろ試してみようという時期に数ヶ月間グルタチオン点滴に通ったことがある。


 柳澤厚生先生の「グルタチオン点滴でパーキンソン病を治す」という本を読んで興味を持った。

 柳澤先生の本によれば、グルタチオンは活性酸素を除去する働きがあるが、パーキンソン病患者では体内にその量が少ない。グルタチオンを補充することで脳の黒質の細胞を傷害している活性酸素を消去し、ドーパミン産生を促すという。

 本を読んで、標準治療では治らないものが副作用もなくよくなるのではという期待を持った。自由診療のため保険適用にはならず経済的にかなりの負担だったが短期集中でよくなるなら試してみる価値があるのではないかと思った。


 柳澤先生の本では、グルタチオン点滴の1回あたりの相場は病院により異なるが、1回8千円〜2万円だという。なるべく安いところをと思いネットで調べ、アクセスがよく1回7千円の病院を見つけそこに行くことにした。

 月2回のペースで始めた。本来柳澤先生の本では週2回〜3回まず1ヵ月間試して効果をみるとあったが、予算がないので先生に相談してそのペースにした。


 効果については、最初は点滴して直後から歩きが軽くなったように感じられた。しかしこの歩きの軽さは翌日ぐらいまでしか持続しなかった。そして何回か点滴を受けるうちにだんだんと効果が感じられなくなってきた。3〜4ヵ月たって金額的に負担になってきたので行くのをやめてしまった。


 おそらく私が試した程度では、グルタチオン点滴が効果あるのかどうかの判断はできないのであろう。明らかなことは1回7千円〜2万円の金額を継続してに払い続けられるのは一部の人に限られるだろうということだ。

 グルタチオン点滴療法は、保険適用されない限り、大多数のパーキンソン病患者にとって意味のない治療法というのが私の結論だ。富裕層の患者をターゲットにした開業医向けビジネスモデルに過ぎない。 


 もっとも藤川徳美先生のところのようにグルタチオン点滴を1回1,500円程度で提供していただければ別だが。

 広島に住んでいない私のような患者は、グルタチオンの体内での生成を促すNAC(Nアセチルシステイン)をサプリで飲む方法が一番現実的であると思う。