以下の内容で、11月30日に横浜市議会に請願書、陳情書を提出しました。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

横浜市における放射能対策についての請願

請願項目

1. 横浜市内の教育関連施設で、全ての園児、児童、生徒を対象に実施されている定期健康診断での尿検査において、放射性物質の検査測定を加えること。

2. 小児、妊婦に関しては、より放射線の影響を受けやすい可能性があるとされていることから、政府より暫定規制値の見直しがなされるまでの間、小児、妊婦の特性に充分配慮した安全管理を徹底すること。

3. 横浜市立学校で、児童生徒に提供されている給食は、定期的に全核種検査を実施すること。

4. 文部科学省環境放射線モニタリング情報の環境放射能水準調査結果を参考にして、修学旅行や林間学校等の場所を設定すること。

5. 修学旅行や林間学校を含めた課外授業等においては、保護者から放射能対策という理由の届けがあった場合、児童生徒を公欠扱いとすること。

6. 自治会等の地域活動における草刈りや野焼き等、土壌や草木に従事する活動は、大人であっても粉塵マスクやゴム手袋、防塵マスク等の着用を行い、行政職員の除染ガイドラインに準じた対応をさせること。また、政府より暫定規制値の見直しがなされるまでの間、未成年の子供や妊産婦、女性等はこれらの作業に従事させないこと。

7. 平成23年第3回横浜市会定例会において、全会一致で可決された意見書の3項「放射性物質を含む焼却灰等の廃棄処理について、国の責任において国民が納得する処分方法を明示するとともに、最終処分場を確保し、安全性等について国民に説明をすること。」に基づき、横浜市民が納得するまでは放射性物質を含む焼却灰等の廃棄物の最終処分を行わないこと。

8. 平成23年第3回横浜市会定例会において全会一致で可決された意見書の4項「国民への正確な情報提供及び正しい知識の普及啓発に取り組み、不安解消と風評被害の拡大防止に努めること。」に基づき、横浜市としても市民への中立的な情報提供および知識の普及啓発に積極的に取り組み、不安解消と風評被害の拡大防止に最大限努めること。

請願の理由、経緯等

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故は、収束に向けた対応の長期化が予想され、環境中に放出された放射性物質がもたらす健康への影響について、国民、特に小さな子供をもつ母親たちの間に不安が広がっております。

 

 政府が、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出した資料によると、今回の事故により放出されたセシウム137は広島に投下された原子力爆弾の168.5個分、ストロンチウム90は同原子力爆弾の約2.4個分に相当するとされています。

 また、国立環境研究所の調査によると、セシウム137の全放出量の約22%が日本の陸地に沈着しており、これらの放射性物質が食品や土壌、大気中等に多くの汚染被害をもたらしたとされています。

 

 そのような中、厚生労働省では、平成23年3月17日に食品に関する暫定規制値を設けましたが、これはあくまで暫定であり、東京電力福島第一原子力発電所事故前の基準であれば否とされるような極めて高い値が是とされています。そのため、現在用いられている暫定規制値等は、今後科学的根拠に基づき、より安全な規制値に改めていく努力が必要です。

 政府によってこの規制値が改正されるまでの期間において、横浜市として、横浜市民の被ばくを最小限に抑えるための対応が不可欠であると考えます。

 したがって、表記の件につき、上記のように提案いたしますので、議会においても採択されるように、ここに請願いたします。






公費負担による母乳検査実施のための意見書提出についての陳情

陳情項目

母乳育児を行う母親に対し、母乳中に含まれる放射性物質含有量の分析を公費負担で実施していただけるよう国に対して意見書を提出していただきたく陳情いたします。

陳情の理由、経緯等

 現在、母子手帳には妊婦健診のための補助券が14枚付帯しており、妊婦健診14回分についての公費負担制度があります。

 出産までの助成制度はありますが、出産後の母親に対する助成制度はありません。

 

 福島第一原子力発電所事故後、関東に住む母親の母乳中からもたびたび放射性物質が検出されました。

横浜市内においても、母乳育児を行う上で、「私の母乳は安全なのだろうか?」と疑問を持つ母親は少なくありません。

 母乳分析を実施している分析機関を探せなかったり、費用が高額なので分析をあきらめたりして不安の中で母乳育児を続ける母親もいます。母乳が心配なので人工栄養に切り替える母親もいます。心安らかに母乳育児の歓びを実感できる環境だとは思えません。

 

 母親たちの精神的不安を軽減させ、少しでも明るい気持ちで日々の母乳育児が行えるように、母乳中に含まれる放射性物質の分析を行うための助成制度を整えていただきたく、横浜市会より国に対する意見書の提出を求めます。




公立私立の別に関わらず、飲食による子どもたちの内部被ばくをできる限りゼロベクレルに近付けるための陳情

陳情項目

公立私立の別に関わらず、横浜市内の子どもに関係する施設で提供される飲食物は、検出限界0.1ベクレル/kg以下の測定器で検査され、不検出であった食材のみを使用して提供されることを求めます。

陳情の理由、経緯等

 平成23年3月に東京電力福島第一原子力発電所が爆発事故を起こし、事故後8ヶ月以上が経過しましたが、いまだ法律による放射性物質についての規制値が定められることなく、「緊急時の暫定規制値」が採用され続けています。

 

 平成23年11月8日に行われた衆議院予算委員会での答弁にて、枝野幸男経済産業大臣(元官房長官)は、「政府の暫定規制値は、1年間食べ続けた場合に健康に影響が出る可能性のある数値を基準に定めた基準である」と述べました。

 この発言により、政府の暫定規制値は緊急時における一時的な基準であり、1年以上食べ続けてはいけない基準値であると理解しました。

 

 現在、横浜市の公立小学校の学校給食は、学区ごとにAからHまでの8つのブロックに分類されており、献立は、ABブロック、CDブロック、EFブロック、GHブロックの4つのグループに対して毎月4種類のメニューが作成され、子どもたちに提供されています。

 仕入れ調達については48班が存在し、班ごとに食材の納入業者が異なりますが、放射性物質含有量の検査が行われるのは、毎日1校のみであり、該当する班以外の食材については安全が確保されているとは言い難い状況です。また、その検出限界値は3.0Bq/kgであり、放射性物質が検出されても3.0Bq/kg以下の場合は不検出となります。

 

 そのほか、幼稚園、保育園、私立学校で提供される給食や、その他の飲食物についての検査は任意です。 検査費が高額なので、放射性物質含有量の分析をせずに飲食物を提供してしまう施設がほとんどです。

 施設での収穫物を民間検査機関に依頼して分析したという話も聞きましたが、検査方法によって検出限界値は50ベクレル/kgであったり、20ベクレル/kgであったりさまざまで、『不検出』といわれる値に差がありすぎるのが現状です。

 

 原発事故によって拡散された放射性物質が、子どもたちの健康にどのような影響を与えるのかは、時が経ってみなければわかりません。

 横浜の未来を担う子どもたちが、これから先もずっと健康に年齢を重ねて行かれるように、子どもたちの飲食による放射性物質の摂取量をできる限り少なくしていきたいと考えますし、願ってやみません。

 そのために、『横浜市内の子どもに関する施設で、子供たちに提供される飲食物については、0.1ベクレル/kg未満を不検出』と不検出の値を統一していただきたいですし、被曝は累積なので、親の管理下以外でで子どもたちが口にするものは、全て0.1ベクレル/kg未満であってほしいと願います。