「週刊現代」ワイド記事は内容がないその2 「3月15日号から」
「週刊現代3月15日号」、
ある記事に惹かれて買ってみました。
それは、スピリュアルカウンセラー江原啓之の弁明記事でもなく、
ロス疑惑の三浦和義の特集記事でもなく、
小泉元首相の新・大連立構想でもない。
まして、安めぐみの表紙に惹かれたというわけでもない。(まあ、これはあまり否定できませんが…)
それは『緊急オピニオンワイド ニッポンのマナー、これは許せない、私のなかの「斉藤さん」』だ。
「週刊現代」お得意の著名人を寄せ集めた、特集記事だ。
本文にこうある。「悪いことを悪いと言えない世の中はおかしい!日和見主義が蔓延する国の行く末を憂えた19人から19の提言がここに到着!」と大層な文句が書かれている。
これまた「内容がない」。前回のときの記事。
しかも、今回はちょっとした「悪意」も感じる。
そこで、それらを一つ一つネタにして書いていくことにしました。
①「品格を問うのはサイアクのマナー、KYこそが正しい異文化コミュニケーション」 姜尚中(政治学者)
本文から
『日本人にはアウトサイダーがインサイダーの中に入り込もうとすると、その人間を強く排除しょうとする行動規範が非常に根強く残っているのです。「口に出さずとも分かり合える」という暗黙の了解が成立する人間関係に閉じこもり、分かり合えない人間を輪から外す。「KY」という言葉が流行っているのはそんな状況をまさに特徴付けているのでしょう』 としている。
まあ、これはいいでしょう。「一般的な日本人論」でしょうから。
だが、この後の展開が強引だ。
『しかし問題なのは、日本人がこの暗黙のコミュニケーションマナー」を自らの美徳と考えていることですそして、その曖昧模糊とした心性を、日本の伝統的な「品格」と呼んでいるのです』
なんと、「KY人間を排除」→「日本人の特性」→「美徳」→「品格」と強引に結びつけている。これはおかしな論理です。そして、今日本が飽和・停滞状態なのは、日本人が狭いコミュニケーションに閉じこもっているからであり、国際社会で生きていくには、日本人の品格を捨て、「言葉をつくして説明する欧米的マナーを会得すべき」と説いている。ヘンですね。
しかも、日本を変えてきたのは「KY」な人たちだとして例にしたのが「織田信長」「岡本太郎」だ。言っておくが、彼らは「KYな人」ではない。カリスマ性のある改革者だ。全く違います。これを「空気が読めない人」と一緒にしてしまうところに無理がある。「KY人間」の意味を履き違えて、そこに自分の論理を混ぜて、結局は「日本人批判」を行っているのだ。またここで、「ホリエモン」の名も挙げている。勘違いもいいとろだ。
だいたい「ホリエモン」って日本を変えたのか、混乱させただけじゃないのか。私は「織田信長」と「IT成金、金でなんでも買えるといった人物」を同列で語るな、とまず言いたい。
そして最後に姜氏は「日本人には、KYになってほしいと思います」と結んでいる。
これこそ大きなお世話だ。なぜ日本人が空気の読めない国民にならなければならないのか、全く意味が分からない。
そもそも、週刊現代は「品格」の名がつくものが嫌いだから、前回の福田和也では生ぬるので、今回は姜尚中を出してきたんじゃないかと思える。全く疑わしい内容の記事だ。
それに、東大教授だというが、「日本人の品格」を問う前に、もっと中身のあるものを書いて欲しい。(それとも週刊誌のワイド記事ということで、ヤッツケ仕事なのか?)
でも、あまりこの人の悪口を書くと、いろんな方面から非難を浴びそうなので、ここらでやめておきます。
②「満員電車、手で押し込んでムリヤリ乗車にレットカード」 溝口敦(ジャーナリスト)
まあ、「満員電車では、乗客も駅員もマナーがない」といったことが書いてある。それ自体は当り前のことなんだけど、この人の書きっぷりがあまりにもヘンだ。
『最近はキレる人間が増えている。私などもその口だが、どうかルールを守って「気短人間」をキレさせないでほしい』とこんな感じで、他には「怒鳴りたくなる」とか「命のやり取り」だとか「ケンカ、むかっ腹が立つ」など恐ろしい言葉のオンパレード。この溝口敦って「ヤクザ」とかに詳しい人でしょう。つまり、「俺に近づくな、押したらぶっ飛ばすぞ」ってことがいいたいらしい、まあそんなことしか伝わらない内容でした。
満員電車では誰もがイライラするものだし、それを我慢しなければならないのが大人でしょうが…。乗客に怒りをぶつけたって仕方ない、怒るところが違うんじゃないの。65歳、もういい歳なんだから……。
③「飛行機、優先搭乗でガキをつけあがらせるな」 勝谷誠彦
飛行機に子供が先に乗るのがどうも許せないらしい。しかし、こんなことを記事にするなよ、一応有名なコラムニストで売ってるんだから。
まあ内容はどうでもいい。しかし、この記事で許せないのは、子供を「ガキ」と言うところだ。子供がいない人に限って、「ガキ」という言葉を使い、蔑むように言うんです。これと同じのなのが、キングコングの西野。この人も、子供向けに絵本を描いているというが、「ガキ」とか「クソガキ」とか言う。なぜ何でしょうか?。子供をこういった表現する人の言葉って、やはりどっか信用できないですね。
まあ、勝谷誠彦には子供が持てない理由があって、そういったこともあって余計に怒りを覚えるのかな?
おっとこれも触れちゃいけないことですね。
とにかく、もっと違ったところに怒ってください。
④「マナーなき大阪人、でもそれでもええねん!」 桂南光(落語家)
大阪ってそんな感じなんでしょうね、っていう記事。
⑤「㊙ウォークで脱セックスレス」 アダム徳永(セラピスト)
『「パパ、ママと呼ぶ」「手をつながない」は夫婦のマナー違反』と書いてます。夫婦の触れ合いを回復しょうとアダムウォークなるものを開発したとある。これを行えばスキンシップが増え、夫婦でセックスレスがなくなる、という。
笑いました。
夫婦が奇妙な形で手をつないでいる写真が載っていますが、こんな格好で外を歩いたら笑われます。近所で気味悪がれます。
ヘンですね、日本人のマナーについて許せないところを書くのがこの特集の趣旨なのに、何故か夫婦で仲良くしましょうみたいなこと言われても……。
で、この本をよく見ると、至るところに「スローセックス」とか、「DVD完全マニュアル」とかこの人の著作の本が広告で掲載されている。出版元は「週刊現代」と同じ講談社だった。
なるほど、結局はこの人の本の紹介がしたかっただけだったのか。
⑥「男子はもっとナンパのマナーを磨けっつーの」 岩佐真悠子(グラビアアイドル)
『ナンパって、初対面の人とどうコミュニケーションを取るか、が問われるから、上手な人はきっと女性を楽しませるツボを心得ているんだと思う。いろんな作戦があると思うけど、まずはサラッと爽やかにを心がけてくれると嬉しいですね。逆に成功率が低い人は、女性に不快感を与えるようなマナー違反をしていないか疑ってみては?「たかがナンパ、されどナンパ」。マナーを磨いて女の子を楽しませてほしい!期待してます。』
って、あまりにもバカバカしくって、アホっぽいので、そのまま後ろの方を書き写してみました。
馬鹿ですね~、平和ですね~、そしてナンパにもマナーですか~。つまりこの人は、欲情女ってことですね。
まあ、この記事は本人が書いてないでしょう。(「たかが~されど~」なんておじさんが使うような言葉だし)、19人もの記事が載るから、「ここらでお色気」みたいな感じで載せいるのかな。
でもこれが「日本の行く末を憂う人」の意見だというから、ほんと「週刊現代」のワイド記事ってどうかしてます。
⑦「一方的な禁煙こそマナー違反ちゃう?」 井筒和幸(映画監督)
まあ、吸う所が減っていることに怒ってます。それは別にいい。
ただ『寿司屋や小料理屋だって、まともな店なら、タバコは遠慮してください」なんて言わないよ。憩いのためのタバコを店が禁止するなんて、実は粋じゃないからね。』っていうのがどうも気に入らない。
寿司屋や食べ物屋で、匂いがつくのはご法度でしょう。特に寿司なんて、生魚に匂いが付いたらダメで、タバコ吸っている人の人格を疑います。それに食べ物の匂いを楽しむということを、こういった場所でタバコを吸う馬鹿によって奪われていることを、本人たちは自覚すべきでしょう。こんなことを言うから余計に禁煙家から反発を食らうんですよ。こういった愛煙家と喫煙家の意識のギャプがかなりあるということでしょう。
でも本当に笑えるのはこの後です。19人目の記事が出るまで覚えておいて下さい。
⑧「家族は一緒にメシを食え」 小林亜星(作曲家)
その通り。それだけ。
⑨「中学受験の作法は学校を大事にすること」 森上展安(森上教育研究所)
有名私立中学を受験する小学生たちが、「学校に行かない」「行事に参加しない」という実情を書いています。しかしこれを書いている人が「中学受験のカリスマ」という森上氏なので、「お前が言うな」って感じ。受験マナーとか書いてますが、どうでもいい作法ですね。
⑩走る凶器マナーレス自転車に物申す」 疋田智(自転車ツーキニスト?)
その通り。
⑪「引きこもりこそ正しい生存マナーだ」 斎藤環(精神科医)
ヘンな記事です。
引きこもりの子が多いので、「外国より治安維持がいい、日本の平和に貢献している」とか、「引きこもりは地球環境にいい、外に出ないからエコだ」とか「将来、個人間で温室ガスの排出権が取り引きされるようになれば、彼らにお金を払ってもいいくらいのスローライフを送っている」などとトンデモ意見を連発。最後は「堂々と引きこもっていい」と書いてます。そんなにエコとかスローライフとかにいいのなら「高樹沙耶」も「引きこもり」をしなければならないでしょう。
この記事を読んで、その通りだって思う人が果たしているんでしょうか。
⑫「私が判決を下したい法廷のトンデモマナー」 阿曽山大噴火(芸人・裁判傍聴マニア)
これはいい記事です。阿曽山大噴火さんが出ているラジオ「ストリーム」のコラムの花道は面白いです。月一くらいしかありませんが、面白裁判とかトンデモ事件とか、視点がいいし、話も上手い。もっといろいろメデイアで取り上げて欲しい人ですね。「姜尚中」「勝矢誠彦」の記事を飛ばして、この人の記事を広げて欲しいくらいです。
⑬「できちゃった婚は芸能人のマナー違反だ」 梨本勝(芸能レポーター)
中村獅童・竹内結子、安室奈美恵・SAM、木村拓哉・工藤静香、今井恵理子(スピード)、辻希美(モー娘)など、「できちゃった婚」した芸能人をマナー違反だとして非難してます。
でもね、梨本勝とか芸能レポーターってそういったことをネタにして商売してるんじゃないのって、思わず突っ込みたくなる。だいたい芸能人のプライベートに入り込み、面白がって広めている「芸能レポーター」こそ、人としてマナー違反じゃないのかな。この記事読んで思わず笑ちゃいました。
⑭「マナーの国から見たら日本はいまだ男尊女卑」 川口マーン惠美(在ドイツ作家)
ドイツに住んでいる女性作家が、日本で見たことを怒っています。その怒っている内容が「重い荷物を荷台に上げるのに誰も手を貸してくれない」「ドアを開けてくれない」「妻が荷物を持っているのに、夫が持ってあげない」といったこと。ドイツではこういうことをしてあげないと「男尊女卑」になるということで、イスラム社会と同じだという。
へぇ~、この人ほんとにイスラムの男尊女卑の社会状況を知っていて言っているのかね~。
これって、男尊女卑ではなくて、ただの不親切だということじゃないのかな。日本人に限らず、アメリカ人とか中国人とか見ても、そんな親切な人ばかりじゃないよ。だからといってドイツ人はいちいち「男尊女卑の国だ」といって非難するのかな。だから、不親切な人を自分が見たからといって、日本はイスラム社会と同じ男尊女卑だというのはおかしな論理だ。
思うに、「ちょっと手を貸してもらえませんか」とか言えば普通の日本人なら、手伝ってくれるはずだ。たぶんこの人の言葉が足りないのではないか。きっと「私はドイツ在住の作家よ」みたいな雰囲気を出していたんじゃないのかな?(これは私の勝手な想像です)
この方『困っている人にちょっと手を貸すのは、文明人のマナーだと思う』と書いているが、文明人じゃない国の人々は困っている人に手を貸さないのかな。文明が発達した所にいる人の方が、人間関係が希薄になり、そういったことに無頓着になるのではないか。
まあ、そもそも文明人という規定が分からないけどね。
⑮「騒音漬け日本社会と私は闘い続ける」 中島義道(哲学者)
駅の構内放送、スーパーのBGM、さおだけ屋の拡声器など、世の中に蔓延する騒音に対してかなり怒っております。この中島氏は不必要なアナウンスを流す行政、企業、店舗に抗議し続ける「戦う哲学者」として知られる人物らしい。まあしごく真っ当な意見です。
でも「右翼」の街宣車とか来たらどうするんですかね。抗議して「戦う」んですか? そうだとしたら、かなりの「つわもの」ですね。
⑯「若者よ、ケイタイメールで人の心は読めないぞ」 諸井克英(同志社女子大学教授)
「心理学者が危惧する、失われるコミュニケーションの作法」、ケータイによって人間関係が希薄化していくことを危惧している。『今の若い人たちは、ケータイのアドレスを知っているだけの関係でも、その人を「友達」と呼ぶようです。人間関係が親指だけで成立している』と鋭い指摘。大阪の橋下知事を例に出し、単純なメッセージを発信し続けることの怖さを説いています。
確かに、これはいい記事です。
⑰「酒飲みのマナーなんて昔の話ですか?」 坪内祐三(評論家)
坪内氏は「文藝春秋」で「人声天語」を書いている方。「エビちゃんを擁護した記事」を書いた坪内氏のことを、私も書きました。いや~あれはいい視点でした。
でも今回の記事ヘンです。坪内氏も書いているように『客も野暮なら店も野暮、そもそも酒飲みのマナーを語ること自体、野暮だと思う』という通り、『シブくお酒を飲みたい人は、昔からあるホテルのバーで飲むことを薦める。中略 そこで鍛えてからオシャレなバーに行くといいでしょう』なんて……。 そんなお説教くさい話、自分が言われたら酒がまずくなるんじゃないですか。
⑱「いまこそ商人のマナーを学べ」 山岸俊男(北海道大学大学院教授)
「武士道精神じゃサラリーマン社会は生き残れない」といった内容で、昨今取り上げられている「武士道」を否定し、商人道を勧めている。
この「武士道」を現代サラリーマンにあてはめて説明しようとしているが、これこそが的外れ。『昨今の企業不祥事が武士道精神では防止できない』というが、そもそもそこに武士道を持ってくるところに無理がある。そこにもってきて松下幸之助の商人道だ。
これじゃ正論そのもの。それって商売人には基本的なことでしょう。まさに教科書、バイブルですよね。
でもね、そんなこと大学院教授に言われなくたって、誰だって分ってるよ。
山岸氏は「社会心理学者」として著名な方で、紫綬褒章も受けたという。そんな偉い人が書いた割には、論理が稚拙ですね。週刊誌のワイド記事ということで手を抜いたのか?
⑲「パワハラよりも悪質スモハラを許すな」 宮島英紀(「まだタバコですか?」著者)
上司や取引先の喫煙はもはや「嫌がらせ」、ということで、喫煙家をこっぴどく批判して、マナーの低さを指摘しています。タバコがいかに社会的悪であり、不健康であるかを書いております。
おっと、となると「井筒和幸」の記事とまるで正反対となる。井筒氏によれば、タバコより、自動車の排気ガスの方が体に悪いと言っている。
おいおい、同じ特集の中で、全く違う意見の記事が載るという、「週刊現代」の節操のなさを露呈してます。
「週刊現代」の著名人によるこの手のワイド特集ほんとに内容がないんですよ。
でも、書かれている単語を拾い出してよく読んでみると、この特集の本当の意図が見えてきそうだ。
「品格批判」「武士道否定」「日本は男尊女卑」「ひきこもりを奨励」……、
「ナンパ」「できちゃった婚」「スローセックス」は日本の平和ボケ。
そして、すべてが結論的に「日本人批判」となっているのだ。
うーん、
そして、姜尚中、井筒和幸、勝谷誠彦……、
だいぶ偏ってますね。
「○○か」
……。
まあ、あまり書いて、攻撃を食らうのは、怖いのでもうやめておきます。
と、曖昧にしておいて、最後は逃げました