こういうときに分かるテレビ局の品格   市川崑追悼番組 | 「物語を物語る」案内サイト アメーバ版                          

こういうときに分かるテレビ局の品格   市川崑追悼番組

映画界の巨匠市川崑が亡くなって1週間以上経った。

テレビ局各社がどのような追悼番組を放送するか、注目してみた。(関東の話)

NHKの教育テレビは、市川崑を特集していたドキュメンタリーを再放送していた。

またNHK・BSの方では「細雪」を放送。

一番早かったのがフジテレビの「ビルマの竪琴」、土曜の午後で、3時間放送。

TBSは「犬神家の一族」を月曜の9時から放送。

テレビ東京は金曜の昼から時代劇ドラマ「赤西蠣太」を放送した。

朝日テレビは何もしないのかと思っていたら、BS放送の方で、既に土曜日の夜に「どら平太」を放送していたらしい。

さて、日本映画界にとって重要な人であり、後の映像作家に多大な影響を与えた人物が亡くなっても、何の追悼番組を放送しないテレビ局がある。

それは「日本テレビ」だ。

そして、この局は先週「日本アカデミー賞」という映画の賞を放送していた。だが映画の授賞式の中でも、全く「市川崑」の死に触れていない。(もしかしたら、番組の前後で少しくらいは言ったかもしれないが)

先週、日本アカデミー賞がおかしいといったことを書いたけど、下らないインタビューをダラダラ流すよりも、偉大な功績を残した人物の死を悼むといったことがその中にあってもいいはずではないだろか。この授賞式に出席している人たちは、日本映画界に身を置く以上、何らかの形で市川崑の影響を受けているはずだから。俺は影響を受けていないなんて言う奴がいたら、そいつは映画界から消えた方がいい。

アメリカのアカデミー賞では、必ず、前年に亡くなった映画人の映像が流され、哀悼の意を込めて、皆が拍手で送る。

売れっ子のハリウッドスターたちも、過去の映画人の死を悼んで拍手を送るという姿は、なかなかいいもので、私はいつもここで感動してしまう。こういった形で、次の世代に映画界は引き継がれていくんだなあ、って感じがして、実にいい。

だが、日本アカデミー賞にはこういったものが全くない。だからどこか品位がなく、また権威も感じられないのだろう。

そして、そんな映画賞を主催する日本テレビだが、市川崑の追悼番組を流す気配がない。この局のしていることといったら、東京国際マラソンで女子アナを10人以上走らせて喜んでいるくらいだ。ここからまた、どうせ下らない感動の安売りを始めるんでしょうけど。

「まあ、そんなことどうでもいいじゃん」って言う人もいるでしょう。

でも、こういう時に分かるんですよ、

その局の対応力が。

バラエティー番組ばかりで品格のないと思っていた「フジテレビ」が、(そんなところが好きなんですけどね) 真っ先に、土曜の夕方の三時間も使って、「ビルマの竪琴」を放送するというは驚きでした。これだけ素早い対応を見せたわけですから、それは凄いことでしょう。これは、市川崑の強力な信奉者が局内にいたのか、それとも「ここは偉大な映像作家への敬意を示すべきだ」といった気骨のある人がいたのか、あるいは「木枯らし紋次郎」のときお世話になった人が偉くなっていたとか、まあ、何らかの動きがあったに違いない。(勝手に想像で書いてますが)

それに引き替え、日本テレビは。

本当に何もしないのか、

いいのか、それで……。

たしか、日本テレビ制作の「四十七人の刺客」があるはずだろう。

いや、映画じゃなくたっていい、ちょっとした追悼番組を流したっていいじゃないか。

別にゴールデンタイムに放送しろとは言わない。再放送のドラマだらけの平日の昼だっていい、スカスカの中身のない番組だらけの深夜だっていい、時間は空くはずでしょう。

テレビ局として、敬意を表するという態度があっていいと思うんだけど。

だって、他の局は何らかの形でちゃんと追悼番組を組んでいるんだから……。