「デマ、噂の真相」その6  「英語特区」と「国家の品格」と「新田と書いてニッタと読む」 後編 | 「物語を物語る」案内サイト アメーバ版                          

「デマ、噂の真相」その6  「英語特区」と「国家の品格」と「新田と書いてニッタと読む」 後編

さて、次。
ブログの記事、報道記事などを読むと、GKAは英語講師を集めるのに、難儀していることがかなり書かれている。
講師の数ではない、質の問題だ。教育理念の高いこの学校では、英語が話せるだけでは、ダメなのだ。英語講師には、日本語を理解し、日本文化にある程度精通していなければ、学校の理念ある「日本文化も教育する」というあり方に、反してしまうことになるからだ。でも実際問題、そんな優秀な外国人の先生がいたとしても、こんな群馬の片田舎に来るはずがないだろう。もっと魅力的な学校やインターナショナルスクールは、東京をはじめ大都市にいくらでもあるからだ。優秀な講師を集めるのも大変だというのだが、そんなこと最初から分かりそうなものだが……。
それに、学校創立時の記事を読むと、駅前留学のNOVAと提携を結んで、講師の派遣を依頼したといった記事があった。ノバの事件があってから、どうなったのか分からないが、教師の確保もままならない、学校ってどうなんでしょうか。それで、高い教育レベルが保てるのか、甚だ疑問だ。
さて、この学校は、太田市民の税金がかなりつぎ込まれている。上記の引用でも分かる通り、かなりの金額が使われている。しかも、これは学校が、英語教育特区が続けられる限り、ずっと税金が使われることになる。
それに、その学習費たるや、どうゆうつもりなのだろうか。インターナショナルスクールよりは安いが、地方の私立校並みに高い学費では、金持ちだけが通う学校でしかない。地域に根差したものが特区の本質であるのに、地元民にはまるで恩恵のない、それでいて、税金だけが使われるのはどうも許せない。それに市民の中で「英語教育」に関係のある人ってどれくらいいるのだろうか。

私はパフォーマー政治家を信用していない。パフォーマンス優先の政策、思いつきの政治、アイデア市長とか、そんなのは見せかけだけの行為です。騙されてはいけません。GAKに関して言えば、「真の国際人」「グローバル化」「優秀な人材の育成」といった奇麗事を並べて、無関心な市民を煙に巻いているだけなのです。それに、自分の発想を実現化するために税金を突っ込んでいるんですから、もっと市民は怒っていいと思います。英語学校に血税を垂れ流しているということは、地元民に何の得もないことで、それは、いまも続いていることなのですから。
それに、自分のパフォーマンスのために、主義主張を持ち込むべきではない。それを正当化するために、大層な理想を掲げて、反対意見を抑え込むようなことをすべきではない。しかも、学校や特区が政争の道具として使われているのだから、大層な理念を持つ学校も今やその存在価値を疑われる。

この市長は「みのもんた朝ズバ」に出演して、太田市には偽物の温泉しかないと発言して大非難を浴びた。太田市が合併した藪塚本町にある「藪塚温泉」の存在を忘れていたというのだ。えっそんな市長ってどうなの?
英語学校の心配する前に、自分が長としておさまっている自治体のことぐらい把握してくださいよ。それに新田町には、ふるさと創生資金で掘った温泉施設もある。これも忘れていたということだ。まあ、そういう人なんですよ。
市役所の職員のボーナスを銀行振り込みではなく、「現金支給にしようと決定した」確か、現金の有難みを感じようといったことだった。下らない。そのときアイディア市長と呼ばれていた。それで本人は悦に入って喜んでいる人なんですよ。
挙句の果てには、早朝に自宅をトラック2台で突っ込まれ、その犯人は逃走、今だにその真相は分かっていない、つまりそんな市長です。
でもテレビには出る、本は出す。県知事と意見が合わなければブログに書きまくる。気に入らないコメント、反対意見は即座に削除する、まあ、そんな感じです。
問題なのは、それを本人が正しいと思っている点だ。しかも、恐ろしいのはこれを支持する市議会議員や政治家がいるということでしょう。理念、理想を通したいのなら、市の自治体で行うべきではない。英語教育で教育問題を問いたいならば、国のレベルでやるべきだ。また、それに群がる財界人は、そこに利権があるから支持しているに過ぎないんですよ。

では、英語学校をどうすべきか。
いま誰がどう見ても、この計画は破たんしている。今更やめるわけにはいかないだろうし、「特区破綻第1号」となる不名誉な汚名を被りたくないだろう。
しかし、私が見る限り、いまや助成金だけの問題ではい。すべての元凶は構想段階から無理があった。このズレが、今になって大きくなっているに過ぎないのだ。このまま続けいて、これから将来的に成功すると思っているならば、かなりの楽観主義者だろう。
本来、群馬県太田市がすべき事案ではなかったと思う。英語教育特区を必要としてる地域は他にもあるはずだ、その自治体にまるごと預けたっていい、とさえ私は思っている。そのくらいの覚悟がなければこの問題は解決しないだろう。
それに太田市は別のことをすべきだった。そんな金があったなら、金山にあった中世の城を復元する元手くらいにはなったはず。東日本最大の古墳である天神山古墳の整備だってできたはずだ。いや、群馬こどもの国をもっと整備できたはずだ。老朽化した市民ホールの建て直しが出来たはずだ。太田市図書館の削られた予算を増額出来たはすだ。ホールに勉強机を並べている図書館なんって全国的に見たこともないだろう。そんなみっともない設備を直すこともできたはずだ。
もう一度問いたい。英語教育特区、ぐんま国際アカデミーって本当に太田市に必要なんでしょうか。

で、「国家の品格」です。
英語学校の批判をしてきた私なので、「国家に品格」を出せば、あーそこね、思う方も多いでしょう。
「英語教育が本当の国際人を育てるというのは間違いだ」と唱える藤原正彦氏の記述を読んで、なるほどと思い、立て続けに藤原正彦の本を読んだ。
「祖国とは国語」「古風堂々数学者」など。すべての本で、英語教育を優先させ、国語や数学の授業をないがしろにする、今の学校教育を痛烈に批判しているのだ。
市長は藤原正彦の本を1冊でも読んだことがあるのだろうか。
もし、読んだとすれば、あんな英語教育特区に固執するはずがない。
読んでないとすれば、太田市の市長として私は認めない。
なぜならば、藤原正彦の父は新田次郎であるからだ。
新田次郎が小説「新田義貞」を書き、この地を訪れ、いかに彼が太田市、新田町に愛着があるかを、私は何度もブログに書いた。
戦前に生品神社に滞在し、新田一族に縁を感じていたことも書いた。新田一族を生んだ土地であるのに、新田一族を祀る寺社が荒れ果てているのを見た彼は、涙を流さんばかりに嘆き、その悲しみを小説のあちこちに書いていたのである。
その息子である藤原正彦氏が、「ぐんま国際アカデミー」が行っているような英語教育を猛烈に批判している。
しかも、なぜかその学校は太田市に存在し、英語教育特区となっているのである。
皮肉なことだ。
しかも、新田という地名がなくなったのも、この市長が合併を推進したからだった。
平成16年4月1日に、太田市は、新田郡の新田町、藪塚本町、尾島町と合併した。こうして「新田」という地名は消えた。
そして合併前に、新しい市名案を募集する住民投票が行われた。その公募条件の但し書きの欄にはこう書かれていた。『太田市であれば新市名変更に関わる費用を軽減することができます』と。
そう経済効率のために合併し、費用軽減のために地名が消えたのだ。
それなのに、英語教育特区、英語学校に多額の費用を使ったのだ。
矛盾している。
経済優先の政策のために、「新田」という歴史のある名前が消えた。
「新田」と書いて「にった」と読む自治体はこうして消えた。
全国に「新田」という地名は多くあるが、そのほとんどが「しんでん」と読む。
「新田」という地名があっても「にった」と読む地名がほとんどない、という記事を以前に書いたが、そのとき私の近くの新田は「しんでん」です、といったコメントを数々頂いた。
そうなんですよ。「新田」という名は消え、「英語学校」は残った。
経済効果、効率(英語教育とは所詮、経済を念頭に置いたこと)がいかに文化、歴史を破壊していくか、ということなのです。
それが、新田一族を生んだ土地で行われたということです。

ちなみに、英語教育特区に許可されたのが、平成15年4月。
合併したのは平成16年、学校が設立したのが翌年の平成17年だった。