ダビング10時代のTVPC「VALUESTAR N」地デジ番組の簡易編集でライバルを圧倒!
NECの液晶一体型デスクトップ「VALUESTAR N」がフルモデルチェンジした。画面サイズが16型ワイド/19型ワイドへ大きくなり、デザインを一新。黒と白のカラーバリエーション、画面のサイズ、テレビ機能の有無で全8モデルをラインアップする。一番の見どころは、今年7月から始まった「ダビング10」を生かした簡易編集機能だ。年末に向けてテレビ録画をする機会も増える。今回は19型ワイド液晶を備えたテレビモデル「VN770/RG6B」を使って、簡易編集機能をチェックしたい。
ダビング10を生かした簡易編集機能を搭載
地上デジタルチューナーと地上アナログチューナーを搭載する。テレビ視聴用ソフトは、同社のテレビパソコンでお馴染みの「SmartVision」だ。使い勝手やユーザーインターフェースは従来モデルと同じ。任意のキーワードを入れると関連する番組を自動で録画する「おまかせ録画機能」や、地上デジタル放送をハイビジョン解像度のまま約2倍長く録画できる「デジタル長時間モード」を備える。これらの機能に加え、VN770/RG6Bはダビング10を利用した地上デジタル放送の簡易編集とダビング機能を搭載した。
この機能を使って、録画した番組中に「ここから」と「ここまで」というチャプターを付けて切り出せる。編集した番組はCPRM対応のDVD-RAM/DVD-Rにダビングできる。編集作業はSmartVisionの画面中のスライダーをマウス操作で動かして区切る部分を決めるだけでとても簡単。時間を指定してチャプターを付けることはできないが、マウス操作でも1秒、2秒は調整できるので、それほど苦労することはないだろう。
CMをカットしたり、長い番組をいくつかに分割したり、見たい場面だけを集めたりできる。簡易編集とは言え、今までほとんどできなかった編集が可能になったのは大きな進歩だ。
ただし、DVDメディアにダビングできる回数は、その番組からダビングした合計回数で決まるので注意が必要だ。例えば、ある番組をA、B、Cに三分割した場合、Aを4回、Bを4回ダビングすると、あとは番組全体でもある部分でも残り2回しかダビングできない。
SmartVisionはもともと、充実した機能や設定の細かさで定評のあるテレビ視聴用ソフトだ。ダビング10の実施に合わせて地上デジタル放送の簡易編集機能を備えたことで、さらに使いやすくなった。録画番組を見たら消してしまう人も、編集してDVDメディアに保存したい人も満足できるだろう。
注意したいのは、デジタル放送の2番組同時録画ができないこと。地上デジタルチューナーとアナログチューナーを各1基ずつ搭載しているからだ。それでもアナログチューナーを搭載したテレビパソコンの数が減っているので、アナログチューナーが必要な人には逆に貴重な存在とも言える。
テレビを見るのに適した画質とサイズ
液晶は19型ワイドで解像度は1440×900ドット。ワンルームや自室でテレビ代わりに使うのにちょうどいい大きさだ。画質は若干白っぽく見えるが、細部のつぶれや白飛びは目立たない。テレビを見ても残像があまり気にならないので、スポーツを見るのにもいい。表面に光沢のあるタイプで、黒が引き締まって見える。映画を見るのにもいいだろう。本体の右側面には、音声と画面のみをOFFにできる「画面消灯ボタン」があり、深夜の予約録画などに便利だ。テレビ視聴中に気にならないように、前面のLEDランプを消すボタンも備える。
スピーカーは液晶の下に内蔵する。3W+3Wと比較的出力が高く、音に迫力がある。欲を言えば、音ヌケがもう少しほしいところだ。テレビの音を聞く分には気にならないが、音楽を聴くと少し気になった。16型ワイド液晶モデルは解像度が1366×768ドットで、横と縦の比率が薄型テレビと同じ16:9となっている。
シックで落ち着いたデザイン
本体も画面周囲の額縁だけ光沢仕上げで、あとはツヤ消しの黒に統一している。非常にシックで落ち着いた印象だ。額縁部分の外光の反射が気になったので、せっかくならこの部分もツヤ消し仕上げにしてほしかった。
従来モデルは曲線を生かし、女性ユーザーを強く意識したフォルムだったが、VN770/RG6Bは直線的で力強さを感じる。余分な装飾がないシンプルなデザインは、男女問わず好まれそうなデザインだ。
側面の脚と背面のスタンドで本体を支える“写真立て(フォトスタンド)型”だ。従来機と同様、本体下の空間にキーボードが収納できる。脚の下にゴムを張っている上、スタンドの作りも頑丈で転倒する心配はない。奥行きは約20~25cm(横幅は約47cm)ほどで済み、設置場所を取らない。置き場所を取らないのがフォトスタンド型のメリットだ。15.4型ワイド液晶を搭載するA4ノートと比べて画面は大きく、それでいて場所を取らないので机の上を有効活用できる。
スペック充実でストレスなく使える
CPUはデュアルコアのCore 2 Duo E7200(2.53GHz)を搭載。VALUESTAR Nのようなスリムなデスクトップは、ノートPC用のCPUを採用することが多いが、処理性能の高いデスクトップ向けのもの搭載している。メモリーは2GB(1GBモジュールを2枚)で、データ転送速度が理論上2倍になる「デュアルチャネル」で動作する。チップセットには、グラフィックス機能を内蔵したNVIDIAのGeForce 9300を採用。Windows Vistaのレスポンスは軽快でテレビ機能もストレスなく利用できる。動作音もとても静か。テレビを見るのに適している。
テレビパソコンは、録画時間を左右するHDDの容量が選択のポイントになる。VN770/RG6は500GBのHDDを搭載。このクラスのテレビパソコンとしては標準的な容量だ。データ放送の情報を削除、ビットレートを変更(トランスコード)して長時間録画する「デジタル長時間モード」なら最大約119時間録画できる。ノートPC用の2.5型ではなくデスクトップ用の3.5型のHDDを搭載し、データ転送速度も高速だ。光学ドライブは、本体右側にスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブを内蔵する。見た目がスマートで、ディスクを出し入れしやすい。
通信機能は、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LANのほか、IEEE802.11a/b/g/n対応の無線LANを搭載する。無線LANを使えば、本体につなぐケーブルは電源ケーブルとテレビアンテナ線のみで済む。
6基のUSBポートがあり、デスクトップとしては必要十分な拡張性を備える。両側面と背面にレイアウトしているので、前面はスッキリしている。左側面のUSB端子は、本体の電源がオフでも携帯電話機や携帯音楽プレーヤーが充電できる「パワーオフUSB充電機能」付きだ。B-CASカードは背面のネジ止めされているメモリースロットカバーを外して取り付ける。薄型テレビのように簡単に抜き差しできる方が、ユーザーに優しかっただろう。
ユーザーの声に応えたテレビパソコン
VN770/RG6Bは、完成度の高い液晶一体型のテレビパソコンだ。簡易的だが編集してDVDメディアに地上デジタル放送の録画番組を保存できるのは、他社製品にはない魅力だ。付属ソフトも充実している。顔認識機能を備えた独自の「SmartPhoto」を使えば、子どもが写っている写真だけを自動で検出してくれる。年賀状に子どもの写真を使う場合などに便利だ。マイクロソフトのOffice Personal 2007やはがき作成ソフトなども付属する。置き場所をとらないので、今までA4ノートを据え置きで使っていたユーザーにもお薦めしたい。
ライバル製品にはVN770/RG6Bと同様、置き場所を取らないスリムな富士通の「FMV-DESKPOWER F/B70T」、ソニーの「VAIO type L VGC-LN50DB」などがある。F/B70Tは、液晶サイズやスペックがほぼ同じで、価格が1万円安い。テレビチューナーは地上デジタルチューナー1基のみで、テレビ視聴用ソフトはダビング10に対応していない。録画して見たら消すという人向けだ。
VGC-LN50DBは液晶が20.1型ワイドと大きく解像度も一回り高い。地上デジタルチューナーを2基搭載して2番組を同時録画できる。HDDは320GBと小さくて価格が5000円ほど高いのが弱点。2番組同時録画を楽しみたい人は、VGC-LN50DBを選ぶといいだろう。テレビ番組をDVDメディアに残したいユーザーにはVN770/RG6Bがお薦めだ。
VN770/RG6Bは少しでもいいから地デジ番組を編集して保存しておきたい、というユーザーの声に応えた1台だ。価格、機能、デザインに大きな弱点やクセがなく、誰にでもお薦めできる。
出典:日経トレンディネット