今日は、子宮頸癌ワクチンについて一言。


①子宮頸癌の原因としてのHPV (ヒトパピローマウィルス)との関係


HPVには100種類以上のタイプがあります。そのうち、ハイリスク型が子宮頸癌の原因になります。


②感染経路


殆どが、性行為で感染します。過去に一度でも性交渉の経験のある人なら誰でも感染の可能性があるわけです。事実、若い年齢層の過半数の方が感染していると言うデーターもあります。


③感染するとどうなるの?


殆どの人が、一過性のもので自然にHPVを排除できます。しかし、ハイリスク型の

HPVを排除できずに持続感染している場合、子宮頸癌が誘発される危険率が高くなります。


④全ての女性がワクチンを接種した方がよいのか?


性交渉未経験の女性は、HPVに感染していないので、ワクチン接種の適応になります。10歳から接種を受けられます。

性交渉経験女性は、まずHPVハイリスクの検査を受けられることをオススメします。

検査結果が陰性ならワクチン接種をオススメします。

検査結果が陽性なら、半年後に再度検査を受けられ、陰性になっていれば感染は一過性のものですからワクチン接種をオススメします。

もし、再び陽性なら持続感染が考えられますから、ワクチン接種の適応とはいえません。(ワクチンは感染を予防するものであって、HPVを排除するものではありません)定期的な癌検診を受けて、早期の癌発見に勤めていただくことをオススメします。


⑤ワクチンで完璧に子宮頸癌を予防できるのか?


子宮頸癌の60~70%がHPVタイプ16と18の2つです。

ワクチンは、この2つのタイプのみに効果があります。

もし、この2つ以外のハイリスクHPVに将来感染したとしたら、ワクチンを接種したとしても子宮頸癌になる可能性はあるわけです。

ですから、ワクチンを接種した後も定期的な検診を受けられることをオススメします。


⑥ワクチンについて


3回接種することで完全な免疫を獲得できます。

効果は20年持続します。

このワクチンは筋肉注射になります。


ワクチンを接種することで、子宮頸癌になる危険度は低くなるのは確かです。

特に最近では、若い女性に子宮頸癌が増えてます。

HPVの検査を受け、陰性ならワクチンを接種し、さらに定期的な子宮頸癌検診を

受けられることを推奨します。