口からの花粉エキス投与が花粉症患者の7割に有効-。東京都と日本医科大などが平成18年から3年間にわたって実施した花粉症対策の研究成果に注目が集まっている。これまでの注射による治療と違い通院の必要がなく、患者の負担が少ないこの療法。環境省によると、国民の約3割が花粉症に悩まされているとみられ、実用化に熱い視線が注がれている。

 この治療法は「減感作療法(げんかんさりょうほう)」といい、花粉エキスを投与することで、体内にアレルギーの原因物質を取り込み、症状が出ない体質に改善する。

 研究では、花粉症患者142人に2年間にわたり、花粉エキスを含ませた食パンを舌の下に入れる「舌下減感作療法」を実施。その結果、約7割に症状が出なくなったり、軽くなったりする効果がみられた。重い副作用はなかった。都によると、調査対象は過去最大規模という。

 花粉症の減感作療法は、花粉エキスを薄い濃度から次第に濃くしながら投与する。治療終了まで2年ほどかかるが、注射による治療などで通院する必要がないことが最大の特長だ。

 また、研究では血液中の遺伝情報などから効果の予測ができることも判明しており、都は「事前に効果が把握でき、効率のいい治療ができる」としている。

 研究成果の発表以降、都には、患者から治療可能な医療機関や臨床研究への参加希望などの問い合わせが殺到。だが、専用の薬が作られて認可されるまでには「最低数年はかかる」(都幹部)といい、一般化するまでの見通しはまだたっていないという。

 厚生労働省によると、舌下減感作療法は欧米では保険診療も認められている。しかし、国内では医師らが「注射の方が効果が高い」と見る向きもあり、実用化に向けての動きは活発でなかった。「7割の人に効果があった」とする今回の研究結果は、注射とほぼ同等の成果を示すもので、厚労省は「注射と効果が変わらず痛みもないなら(認可も)期待できる」としている。

 都は今後、研究成果を国や製薬会社の業界団体などに提供し、早期の実用化を呼びかける。(高橋裕子)

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