こんにちは。ぱんだマイスターです。
今回も修理事例を紹介したいと思います。
タイトルにある通り、本事例は修理ではなく救済処置と新しいパソコンへの交換作業となります。
症状は、起動が遅い、データが突然消えたとのご申告です。
富士通 LIFEBOOK FMVA553BB
今回のパソコンはこちら富士通のLIFEBOOKとなります。なんといってもこちらのパソコン、発売日が2010年10月登場の当時はWindows7がプリインストールされたモデルで、その後Windows10へアップグレードされ今迄お使いになられていました。
実は、過去をさかのぼる事2018/6月にも、当社で修理をさせていただいた個体なんですが、今回はより深刻な状態での入庫となりました。
過去に1回トラブルは有ったものの、約14年現役で動作していたとは~~っ!
この時代の日本製品は丈夫だったんだなぁ~と実感します。(HDDは海外製ですが)
さて、さっそく診断して行きます。
(ユーザー名は伏せております)
起動が、、とにかく遅すぎる....20分以上はかかったんじゃなかろうか...
この段階でいくつか故障個所が断定出来てしまうのですが、いい加減な診断は出来ませんので、もう少し様子を見てみましょう。
(ユーザー名を伏せております)
ようやく起動したところで、【アカウントにサインインできません】とエラーが表示されました。
そして、デスクトップにあったデータはアプリのショートカット以外は全部消えているようです。
ここで故障個所が確信されました。原因は、HDDに何らかの問題が発生している事、またusersフォルダが破損しているようですね。
ここまでHDDの故障が進んでいるので、本当は今すぐ電源を落としてデータの吸出しを行う事が望ましいですが、もう少し状態を確認して行きます。
(ユーザー名は伏せております)
写真のように、本来はデスクトップのアイコンやデータ類と画面中央に表示している【c:\users\ユーザー名\desktop】に内容が同じものが表示されるはずですが、異なっています。
ファイルは壊れていませんが、Windowsの使用環境が破壊されている状態ですね。一刻の猶予も許されません。
HDDを取り外しました。このころのパソコンは盗難やデータ漏洩といった対策が希薄(むしろ考えられていない)な時代なので、ネジ3本でHDDを外すことが出来ます。今時のパソコンは、ほぼ全部分解しないと内蔵記憶装置を外すことは出来ないし、ビジネスモデルはbitlocker(暗号化技術)が有効化されているので、簡単にデータは取り出せません。(修理も大変です)
内蔵されていたのはWD製WD6400BPVT/640GBでした。
過去の修理ではHDDは交換していないので、使用年月を考えるとかなり長持ちしたと言えますね。
次にHDDの状態をチェックしていきます。
Crystal disk infoを使い健康状態を確認したところ、【注意】と判定されました。【代替処理保留中のセクタ数】が限界値に達しているようです。【この場所に代わるデータの配置場所が残っていません】という事ですね。HDDが寿命を迎えています。
過去に6回HDDの修復が行われているようです。こりゃ限界だわ...
usersフォルダは[TEMP]扱いですね。完全に壊れているようです。
取り急ぎデータを回避します。幸いなことに、特殊な手法を使わずにデータにはアクセスできる状態だったので、別のHDDへデータをコピーします。
データ総容量100GBでした。個人ユーザーさんがパソコンへ保存しているデータとしては多い方ですね。
昔なら、100GBのデータ移行って時間もかかるし、それはそれは大変でしたが、最近はUSB接続でもデータ転送が速いので非常に助かります。
今回の作業はこれでおしまいです。
その後お客さんと相談した結果、修理は行わず先にデータを取り出す。そして、新しいパソコンへ移動させるという流れになりました。
新しいパソコンはご予算の都合で程度の良い中古PCをお求めになられる事になりました。
中古品を扱う問屋さんに手配するんですが、本当は新品パソコンを使ってもらいたい~~
(パソコンの個人需要がほぼ無いので、仕方ないですけどね...)
ちなみに、当社が扱う中古パソコンはメモリとストレージはカスタムして出してくるので、割とお買い得な個体が見つかるんです。
今回はこれにて~~さようなら~~~