原点にかえるということ。 | ksuzukiのブログ

原点にかえるということ。

シェフで、飲食店コンサルタントの
鈴木健一です。

最近、周りを見ていて気づくことがあります。

それは、新しいことをやることではなく、
原点にかえることの大切さです。

飲食店の経営者が陥りがちな、
ひとつの負のパターンがあります。

それは、実は成功からはじまっているのですが。

飲食店を開く。

オーナーとして、経営者として、
スタッフ以上に懸命に働く。

そして、ある成功を勝ち得る。

その成功を基に、また新しい飲食店を開く。

いくつかの飲食店を経営するようになって、
気がつくとひとまかせになっている。

自分では目を光らせているように錯覚していて、
実は店舗に足を運んでいない。

知らぬ間に、見えないほころびが広がっていく。

それがわかったときには、
どうしようもない経営状態になっている。

店は生き物です。

特に飲食店は、日々変化する生き物なのです。

その変化が、成長という変化になるか、
衰退という変化になるかは、
まさにオーナー次第なのです。

ちょっと目を離すと、
店はどんどん変わってしまいます。

冷たい言い方をすれば、
スタッフは自分の店とは思っていないのです。

自分の店とは思っていないスタッフ達を動かすためには、
可能な限り現場に立つことです。

いったんはつぶれかけた飲食店が、
そうやって立ち直っていったケースを
最近いつくか見かけました。

オーナーが店に立つだけで、
店はある安定感を取り戻します。

常連のお客様も自然に帰ってきてくれます。

そう、その店が
その店本来の店に立ち戻るのです。

原点にかえるということは、
オーナーが、経営者が
自分の店を最初にオープンした気持ちに
立ち返るということです。

飲食店経営の原点は、
当然のことながら
お店そのものにあります。

まず、店ありきなのです。

新しいことをはじめようとするその前に、
いまある店を、いまあるメニューを
もう一度見直すこと。

それをよくできなくて、
それをほっぽり放しにしておいて
新しいことをやろうとしても
それは難しい相談です。

原点にかえることで、
見逃していたことも見えてきます。

これからの飲食店経営、
その正解は、
新しいことにあるのではなく、
これまでやってきたことのなかにあると
僕は信じているのです。