第4章 トラブルシューティング


1.トラブルシューティングの基礎


①トラブルシューティングにおける注意点

●トラブルが増えたのは複雑かつ高機能になったパソコンが大きな要因
●トラブルシューティングの目的はユーザーの被害を最小限に抑えること

②トラブルシューティングの手順

経験則による対処は厳禁

●どこまでが正常でどこからが異常なのかを明確にする
●原因分析にも対処にも(※上表)正常と確認された範囲を広げていく考え方で臨む
●原因発生の箇所だけを調べて原因分析するべきではない 理由は2つ
  1原因特定の漏れを防ぐ
  2正常と異常を切り離す  例:マス取りゲームのイメージ
●ユーザー先にチェックシートを渡す 予防策や提案など
●リモートコントロールソフトなどを利用する方法

●プリントスクリーン&ペイントなどを利用して画像を送信してもらう方法

●仮説を立てて作業する場合も元に戻せるようにしておかなければならない
 注意すること
 1ソフトの再インストール
 2ネットワーク機器の初期化

●応急処置と根本的解決は分けて考える
 ハードウェアの故障や、回線トラブルなどが原因の場合は根本的解決より被害を最小限に抑えることを優先する


③トラブルシューティングの3原則

ひとつひとつ結果で確認
まとめて解決はダメだった場合大幅な時間ロスに繋がる上に原因が頓挫してしまう場合があるため
結果で確認→ipconfigコマンドで確認する
近くから遠くへ
ハードウェアネットワークでの原因分析の原則
PCの設定確認

HUBまで

ルータのLAN側インターフェイスまで

ルータの回線側インターフェイスまで

ISP(プロバイダ)まで

サーバまで
●下から上へ
機能面での原因分析の原則

=無線LANチェックポイント=
データリンク層…SSID、暗号化、認証、MACアドレスフィルタリング
物理層…減衰、電波干渉、リンクスピード、チャネル

無線LANルータなどが備える機能の一つで、特定のMACアドレスからしか接続できないようにする機能

MACアドレスフィルタリングはそのためのアクセス制限方式の一つで、端末ごとに固有のMACアドレスをルータなどに登録することで、無関係の人が外部から接続できないようにする機能である


2.ハードウェアトラブル

①ハードウェアトラブル対処の基本
正常なものと交換するのが基本
よってパソコン整備士はある程度のパーツを常備しておく必要がある
●低レベルでの確認
例えば内蔵HDDの場合しっかりとパーティションが設定されているか
BIOSがきちんと認識されているかどうかを確認する

②電源
近くから遠くへ~
1AC電源のファンが回っているかどうか
※CPUやメモリーモジュールを取り外す
2マザボの機能不全(スイッチが壊れている)
3ケースのスイッチが壊れていないかどうか

PC利用時に電源が落ちるとき
→熱暴走や電圧低下が考えられる
1ホコリがたまっていると熱暴走しやすい
2冷却ファンの故障などもある

そうした突然のPCダウン時に対応するためにはUPSを導入するのも策の一つである

UPS…無停電電源装置


③CPU
CPUの不具合は主に熱暴走が考えられる
よってヒートシンクにホコリがたまっていないかをチェックする必要がある

電源からマザボへの電圧が不安定だとCPUも不具合が起きる場合がある

④メインメモリ
●メインメモリが全く認識されない場合はビープ音が鳴る  動画:ビープ音
●きちんと認識されていなければスワップによる性能劣化が起きることもある
●メインメモリはすべての処理に関わっているため発生する現象は多岐にわたる
→その現象はブルースクリーンなどで表示される

メモリ異常の原因
1メモリーモジュールの異常
テストモジュールで確認できるが、ない場合は交換して確認する
2仕様のミスマッチ
仕様が違うものを取り付けたり、容量がオーバーしているとダメ
3実装時の不備
ちゃんとしっかり挿す

その他補足

CL(CasLatency)=データ送信の待ち時間 低いほど高性能

DRAM…特徴:コンピュータ電源を落とすと記憶内容は消去される
SRAM…BIOSプログラムも記憶している 消えない


⑤マザーボード
相性があることを前提に考える
●静電気に注意すること (半導体は静電気に弱い)
●過度の力をかけない  (メモリやケーブルのの抜き差し時)
●ジャンパピンを誤って抜いてしまわないこと



ジャンパピン

⑥ハードディスク
いつかは壊れることを前提にバックアップを取っておく
●コマンドプロンプトにて 『chkdsk』と入力する
→不良セクタが頻発するとハードディスクの寿命が近づいていることになる (※セクタ…ハードディスクが読み書きする単位)
異音にも気をつける
→プラッタが破損していなければ専門業者にてデータを復元できる

⑦ディスプレイ
故障の原因をパソコン側かディスプレイ側かをまず判明させる
※その際にケーブルも変更する
グラフィックカードが半挿しになっている場合もある

ノートPCの場合は外部出力端子(RGBポートなど)で切り替えを行う
→切替方法は[Fn]+[F8]で行う

3.Windowsのトラブル

①事前の対策
●不要なものの取り外し
ハードウェア
相性問題を解消させるため
アプリケーション
起動時に余計なソフトが起動する場合があり、これらが問題を起こすこともあるため
サービス
『リモートデスクトップサービス』などは停止して作業にとりかかる


状態が開始となっている場合は停止にする
コントロールパネル[システムとセキュリティ]→[管理ツール]→[サービス]

管理者用のアカウントは日常的に運用すべきではない
管理者でログオンしている場合、あらゆるファイル変更が可能となるため危険性が高くなる

●ローカルセキュリティポリシー
→ローカルセキュリティ=パソコン内部でのセキュリティポリシー
例:パスワードの長さ
○設定方法はリモートサービスのときと同じ
コントロールパネル[システムとセキュリティ]→[管理ツール]→[サービス]



②システムの修復
●システムの復元



●セーフモード
Windows起動時に[F8]を連打する
●システム修復ディスク
コントロールパネル[システムとセキュリティ]→[バックアップ作成]→[システム復旧ディスクの作成]




③アップデート

アップデートの目的
バグの修正が不正アクセス及びウィルス感染につながるためアップデートは必要不可欠
ソフトウェアの場合も可用性によってバージョンアップが必要
例:年末調整の計算方法が毎年変わるのでソフトのバージョンアップは必要


④デバイスのトラブル

●問題の切り分け
①ハードウェアに問題がないかを確認
→問題があった場合は交換する
②デバイスマネージャでドライバの状況を確認


※デバイスドライバ関係のトラブルで難しい点は、元に戻すことが難しいこと
→復元ポイントを作成してトラブルが発生しても元に戻せるようにしておく



⑤アプリケーションの管理

不要なものは削除または停止させる
→理由は相性の問題と、セキュリティの脆弱性

CドライブのWindowsフォルダにある共有フォルダはむやみに削除しない
依存関係にあるアプリケーションの削除もしてはいけない
例えば.NET Frameworkは多くのアプリケーションに依存しているので注意する


4.ネットワーク

①原因分析のポイント
調査範囲はネットワークで結びついているすべて
ネットが繋がらない理由もさまざまで、現在多く利用されている回線サービスはベストエフォート型で、高速かつ低価格だが品質が保証されていない
よって、異常がなくても定期メンテナンス料金滞納なので回線サービスが停止する場合がある

●原因分析の優先順位付け
例えば3台のPCのうち1台がネットへ繋がらない場合、ルーターや回線は正常といえる
すべてのPCが繋がらない場合はルータや回線が原因となる

②状況の確認

●下から上への原則でいくと最下層にあるのは物理層
その物理層で大事なのはネットワーク構成図
→これを起こさないと思わぬ見落としが出る



ネットワーク構成図


●IPインターフェイスの状況
コマンドプロンプト『/all』で値を確認


③接続の確認



5.ファイル共有

①問題の切り分け
②コンピューター名の表示の異常
③共有フォルダへのアクセスの異常

6.インターネット接続

①問題の切り分け
②パソコンの異常
③ルーターや回線の異常
④インターねとサーバとの接続確認

7.メール

①問題の切り分け
②メールサーバとの接続確認
③メールサーバ接続後の異常

8.Web

①問題の切り分け
②Webサーバとの接続確認
③ブラウザでの異常