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千葉県生涯大学校 

卒業生学習会 ハイキングクラブ

 

奥日光で見かけた植物 2016年6月7日 その2

 

 

戦場ヶ原で見かけた植物

 

荒涼とした戦場ヶ原

 

落葉松林を黙々と進む

 

バッコヤナギ・ヤマネコヤナギ(跋扈柳・山猫柳) 
やなぎ科 ヤナギ属  落葉高木 

北海道(西南部)、本州(近畿以北)、四国

日当たりの良い、やや乾燥した山地を好む
樹高は、5~15mになり、胸高の直径が60cmになるものもある

ヤマネコヤナギの名前の由来は、山に生えネコヤナギに似ているため
ネコヤナギの名前は、花穂に密生する絹のような毛を、猫の毛に見立てたもの
ヤナギの名前の由来は、古くこの木で矢を作ったことから「矢の木」といい、それが転じたともいわれます

バッコヤナギ(跋扈柳)という変わった名前の由来は、花の後に出てくる白い綿毛をお婆さんの白髪に見立ててそう呼んだという

 

 

オオヤマフスマ(大山衾) なでしこ科 

オオヤマフスマ属  多年草

山地の草地や道端などに生える 
草丈は5~20cm
花は直径1cmくらいの白い花をつける
花弁は5枚 花期は4月から7月
 
名前の由来は、 あぜ道などに生えるノミノフスマに似ており、葉が大きいことから
ノミノフスマの名前の由来は、「衾(ふすま)」は寝具のことで、小さな葉を蚤(のみ)の寝具にたとえたもの

 

 

 

ヒメヘビイチゴ(姫蛇苺) ばら科 キジムシロ属

多年草

北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシアに分布
山地の日陰に生育する 草丈:10~30㎝
ヘビイチゴより開花の開始時期がやや遅く、湿った場所を好む
地上茎の葉腋に1個ずつ花をつける
花は黄色の5弁花  花期:5~6月

 

ヒメの由来は、よく似るヘビイチゴに比べて葉が小さいことから
ヘビイチゴは、漢名の「蛇苺」に由来する 
中国ではヘビが食べるイチゴと考えられていたことや、このイチゴを食べる小動物をヘビが狙うこと、ヘビの出そうな場所に生えることなどから、「蛇苺」と呼ばれるようになった。 

 

 

カントウマムシグサ(関東蝮草) さといも科

テンナンショウ属 多年草

晩春~初夏、林の木陰で、花のように見える仏炎包を付ける
仏炎包の色の違いで、緑色のものはカントウマムシグサ(関東蝮草)、紫色のものはムラサキマムシグサ(紫蝮草)と呼ばれる 
秋に赤い粒々の実を付ける

有毒植物で、民間療法では、コウライテンナンショウ(高麗天南星)という漢方薬となる

 

カントウの由来は、関東地方の雑木林によく見かけられることから
マムシグサの名前の由来は、
葉の鞘(さや)の模様がマムシの模様に似ているから、花の様子がマムシが鎌首をもたげている様子に似ているから等が一般的

 

 

キクムグラ(菊葎) あかね科 ヤエムグラ属
多年草  5枚の葉が輪生

北海道~九州の林縁に生える
茎は根もとから枝分かれして高さ20~40cm
葉は4個まれに5個が輪生し、長さ1~1.5cmの倒卵状楕円形
枝先や葉腋に白色の花を1~3個つける
花期は5~6月

名の由来は、ムグラ(葎)はぼうぼうと茂る雑草の意だが、

キクが何を指すかは不明。

 

 

ハルザキヤマガラシ(春咲山芥子) あぶらな科

ヤマガラシ属  多年草  ヨーロッパ原産

花は鮮黄色の十字形花で、直径6~8mm
花期は4~6月

 

ハルザキの由来は、春に花を付けることから
ヤマガラシの名前の由来は、山地に生える、芥子のような苦味のある植物

 

ヤマガラシという植物が日本に自生しているので、期待して調べてみたが、残念ながら外来種のハルザキヤマガラシであった
こんなところにまで外来種が入りこむとは残念

 

 

三本松売店周辺で見かけた植物

 

エゾムラサキ(蝦夷紫) むらさき科 

ワスレナグサ属 多年草

北方領土を含む北海道と本州の中部地方に分布し、日当たりのよい林の中や道端に生える。
草丈は20センチから40センチくらい
開花時期は5月から7月
花は、花冠が5つに裂けている
花の色は青、紫色、白っぽい青などで、花の真ん中に黄色い目がある

 

 

名前の由来 

ムラサキは根から紫色の染料をとったことから
エゾは北海道に生育することから

 

*売店の近くで観察したので、植えられた外来種の勿忘草かもしれない

 

エゾムラサキは私(山野草)にとって初めての植物

 

 

ヤマハタザオ(山旗竿) アブラナ科 

ヤマハタザオ属  越年草

北海道~九州の山野の日当たりのよい場所に生える
茎は高さ35~80cm
花弁は白色、長さ4~6mm  花期は6~7月

 

ハタザオの名前の由来は、見ての通りで、枝分かれなしで「旗竿」にそっくり
ヤマの由来は、山地で見られることが多いことから

 

 

テングクワガタ(天狗鍬形) ごまのはぐさ科

クワガタソウ属 多年草

別名を這い鍬形(ハイクワガタ)

北海道から本州の中部地方にかけて分布
山地や亜高山の湿った草地や林の縁などに生える
草丈は10~20センチくらいである
茎の下部は地を這って広がる
開花時期は6~8月
茎の上部に総状花序を出し、花径5~7ミリくらいの淡い青紫色の花を疎らにつける

 

テングの由来は、長い雄しべを天狗の鼻にたとえたもの
クワガタの由来は、実につく萼を兜飾りの鍬形にたとえたものである

 

テングクワガタは私(山野草)にとって初めての植物

 

 

写真の出来栄えが良くないので、写真は載せないが記憶に残った植物

 

ナナカマド(七竈) ばら科 ナナカマド属 

落葉高木

 

原産・分布    北海道、本州、四国、九州、アジア東北部
山地の、日当たりの良い場所に普通に生える
高さは6~10mくらい
枝先に白い小さな5弁花が群がって咲く
花期:5月~7月
実は秋に赤く熟す 
ナナカマドは「花」より「実」のほうが有名
北海道では街路樹として多く使われている

 

「ナナカマド」という和名は、「大変燃えにくく、7度竃(かまど)に入れても燃えない」ということから付けられたという説が広く流布

 

 

アズマシャクナゲ(東石楠花) つつじ科 

ツツジ属 常緑低木  日本固有

 

信州、飛騨の山から関東、東北の亜高山帯の山の岩場や礫の多い林内や林縁に生える
高さ1~6mになる
花がツクシシャクナゲやホンシャクナゲの7弁に対し、5弁
花は枝先に淡紅紫色~紅紫色、ときに白色の花が3~12個つく
花期4月~6月
赤と白が混じり合ったような花の色、大きくて派手な花びらがとても印象的で、その気品ある美しさから「花木の女王」とまで呼ばれている

 

アズマは、関東・東北地方に多いことから 
シャクナゲ(石楠花)は、は中国産の別種を指すが、誤ってこれを用い「しゃくなんげ」から「シャクナゲ」に変化したもの

 

アズマシャクナゲは私(山野草)にとって初めての植物

 

残念ながら花はもう終わっていた

 

 

ヤブレガサ(破傘) きく科 ヤブレガサ属
多年草

 

本州~九州の山地の林下などに生える
葉は掌状に7~9裂し、裂片はさらに中裂する
茎頂に円錐花序をつくり、多数の頭花をつける
頭花は約10個の白色~淡紅色の管状花からなる
花期は7~10月

 

若葉が土から出たときに、葉がすぼめた傘のような形になり、破れているように見える
この姿をヤブレガサに見立てた

 

若い芽だしの瞬間だけが食用に向く
シドケ(モミジガサ)に似た香りと食感を持っていますが、こちらの方が苦味が強くシドケよりさらに好みが分かれると思います

 

モミジガサ(シドケ)は独特の香り、ほろ苦み、シャキッとした歯触りで、秋田では人気ナンバーワンの山菜である。だから「山菜の王様」とも言われている。

 

遠野の山菜の王様といえばモミジガサ

葉の形が「もみじ」に似ていることから名付けられたそうです

方言ではシドケと呼ばれ、産直などでもこの名前で売られています

語源は「萎(しお)れる」から来たもので、採集するとすぐ萎れるからとのこと

ちなみに昔の人は「萎れる」を「シドケル」とも言ったそうです

 

 

 

コシアブラ(漉し油) うこぎ科 ウコギ属 

落葉高木

 

北海道~九州の山地の林内に生える
高さ5~20mになる
葉は長さ20~40cm、幅40cmの掌状複葉で、小葉は5個
本年枝の先端に長い柄のある散形花序を出し、黄緑色の小さな花を多数つける
花期は8~9月

 

コシアブラの芽は「山菜の女王」とも呼ばれています

 

コシアブラの名前の由来は、かつてこの木の樹脂(あぶら)を絞り、濾したものを漆(うるし)のように塗料として使われていたから

 

 

サワギク(沢菊) きく科 キオン属 多年草

サワギクは北海道から九州に分布する
温帯の林床に生育する
草丈は1m前後になり、柔らかい
葉は羽状に深裂する
6月から8月にかけて黄色い花を咲かせる

果実が稔ると冠毛が集まってぼろくずのように見えるので、ボロギクの別名もある。

 

沢沿いや湖沼沿いなど湿気の多い場所に生息することから「サワ」
きく科の植物なので「キク」

 

 

ルイヨウショウマ(類葉升麻) きんぽうげ科 

ルイヨウショウマ属 多年草

 

日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し

山地の森林内に生育する
世界では、朝鮮、中国、ウスリーの温帯から亜寒帯に生育する
茎の高さは40-70cmになる
茎の先端に総状花序をだし、白い花を多数つける
花期は5~6月
果実は液果で、径6mmになり黒く熟す

 

升麻という名は漢方薬でも相当重要な植物の1つ、キンポウゲ科のサラシナショウマの根茎部分のことで、生薬名
類葉は、そのサラシナショウマの葉っぱに似ていることから

 

ルイヨウショウマは私(山野草)にとって初めての植物


 

イタヤカエデ(板屋楓) かえで科 カエデ属

落葉高木

北海道~九州の主に太平洋側の日当たりのよい谷間や谷間に接する斜面に生える
葉は対生

葉身は直径6~14cmの扁円形で、掌状に5~7中裂または浅裂する
黄緑色の小さな花を円錐状につける
果実は翼果  9~10月に熟す
花期は4~5月

 

イタヤカエデの名の由来は、雨宿りができるほど葉がびっしりと生い茂り、屋根のようなところから付いたと言われる

 

カエデの名称の由来は、葉がカエルの手に似ていることから「カエルデ」と呼ばれ、それが転訛したものとされている

 

 

車窓から見かけた気になる植物

 

マタタビ(木天蓼) またたび科 マタタビ属
落葉つる性木本

マタタビの白くなった葉  御岳渓谷 2016.05.31

 

マタタビの葉と花  花はキウイの花に似ている 御岳渓谷

北海道~九州の山地や丘陵、原野の林縁に生える
葉は互生  長さ約6~15cm、幅3.5~8cmの広卵形

枝の上部につく葉は花期に表面が白色になる

雌雄別株

本年枝の中部付近の葉腋に芳香のある白い5弁の花を下向きにつける

花は直径2~2.5cm  花弁は5個
花期は6~7月

 

マタタビの名前の由来についてはっきりした説ありませんが、「旅人がこの実を一つ食べると、たちどころにして疲労を回復、又旅を続けることができた」だからマタタビという説が、江戸時代から伝えられていますが、これはこじつけらしく、アイヌ語の「マタタムブ」からきたというのが最も有力な説のようです

 

マタタビに含まれる成分のマタタビラクトン、アクニチジンなどで猫が反応します
効果があった猫は酔っ払いのような反応です。
歩き方がヨロヨロしたり、急に喉を鳴らして懐き始めたり、
反応は様々なので見ていて楽しめます

 

私が通っているテニスコートに日よけを兼ねてキウイが植えられている

伸びすぎた枝を切っていると猫が近づいてきて、体を落ちた枝に擦り付けてうれしそうに転がりまわっていた

しらべて見るとキウイもまたたび科の植物だった

 


ワタスゲ(綿菅) かやつりぐさ科 ワタスゲ属 

多年草
別名でスズメノケヤリ(雀の毛槍)という

北半球の高山や寒地に分布する

日本では北海道から中部地方以北の高山帯から亜高山帯の高層湿原に分布し、大群生をつくることが多い
高さ30-50 cm 花期は5-6月 

白い綿毛を付ける果期は6-8月
花が終わると直径2-3 cmの名前の由来ともなっている白い綿毛を付ける

白い果穂が綿のようで、葉がスゲに似ていることから、「綿菅」と書く
別名は、大名行列の毛槍を思わせる小さな果穂の意味で、スズメノケヤリ(雀の毛槍)という。

 

帰りのバスの中で「あの白いのは何でしょう?」との声が上がり、かえって調べると「ワタスゲ」だった

もっと近くでみたかったな!!

 

 

サワグルミ(沢胡桃) くるみ科 サワグルミ属

落葉高木  別名    カワグルミ、フジグルミ

 

サワグルミの果実 2015.07.23 山梨県北杜市

分布    北海道(渡島半島)、本州、四国、九州
山地の谷筋などによく生える

幹は直立し、高さは30mくらいになる

胡桃の仲間であるが、似ても似つかない鎖のような垂れ下がった果実をつける

信州で初めて見かけた時には見当がつかなかった


サワグルミは、沢などの水が多い所を好むクルミというところが名前の由来とされている

クルミの語源は、くるくる回るから、とか黒い実の意味などあるが、不明

 

いろは坂の途中で車窓から見かけた