誰もが望んだラップトップ98。
昭和61年。 仕様が発表された時には子供の私には大きさ・デザイン・液晶ディスプレイしか眼にとまりませんでした。
しかし、後日カタログを手にして感じたことがありました。
それはカタログに掲載されていた「他のPC-9800シリーズとのデータのやり取りが可能です」という文面でした。
「PC-9800シリーズのソフトは動かないの?」
そんな不安は的中しました。
以前PC-98XAが発表された時に、我が家に送られてきた資料には「PC-9800シリーズとのソフトの互換性はない」との一文がありました。 MS-DOSマシンですので、その部分での互換性は大きくうたわれていたのとほぼ同じ印象でした。
CPUにはV30互換のV50。 後にPC-98HAにも使われたCPUです。
640×400の液晶ディスプレイ、384KBメモリ、32KBVRAM。
バッテリ使用可能。(モデル2のプリンタPC-PR102TL(B)もバッテリ使用可)
後年、このPC-9800シリーズとの互換性の低いPC-98LTは日本のソフトウェア業界が望んで出来た産物との記事を読んだことがあります。
専用ソフトを使用するなら、3.8Kgのこのパソコンは最高の一台だったかもしれません。
PC-98LT専用の大戦略などのゲームも市販されていました。
数年後PC-98LTを手に入れた時、すでに持っていたPC-9801LV21やPC-9801LX2と比較して、小型軽量な事には驚きました。
PC-9800シリーズの場合、100%互換性を望むのならPC-98型番は購入を避けるべきとの話を決定付けたパソコンだったと思います。 (PC-98XA/LT/HAなど)
後にはPC-98XLやPC-98DOなどでは標準モードを搭載していたので、互換性については問題なくなりましたが、最後まで互換性の無いPC-98LTは市場のメインラップトップにはなることが出来ませんでした。