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小学生時代
父さんとの思い出、昔よく海やキャンプに
連れて行ってくれた
そこでけっこう大きなヤドカリに手を挟まれて泣いてた私
ヘビー級の外人のコブシくらいあったよ、あれ
尋常じゃない泣き方にギャラリーが集まる
ヤドカリは益々強く私の指をちぎる勢い
大人達が私の指からヤドカリを離そうとするが、ヤドカリも
必死なのかギチギチと締め付ける
そこで人をかき分けて父さんが颯爽と現れた
食べようとしてるのかヤドカリの貝の部分をライターであぶったり
どこからかパールのようなものを持ってきて
ヤドカリの貝の部分をエキスパートしてぶっ壊してた
バールのようなもの とは、バール のようではあるが、バール と断定するに至らない何かである。(引用)
犯人は20代~30代、もしくは30代から60代の犯行と同じくらいの曖昧さな鈍器で
貝のデリケートな部分をバシバシ打ち付けてた
私はもう何がなんだかわからないうちに
ヤドカリのハサミが指からはずれ、ギザギザのうっすら血でにじみかかっていた
指を見て父さんに抱きついて泣いた
あのヤドカリはどうなったか分からないけど
多分死んでる
中学生時代
少し大人になりたくて、家にあった真っ赤なマニキュアを塗ってみた
すごくキレイな鮮やかな赤
まるで血みたいだ、私は手のひらをみつめ
手首に真っ赤なラインを引いた
マニキュアで描かれた旋律のラインはまるで切り口
すごい、コレで特殊メイクして皆を驚かそう
何重にも重ね、かさぶたに見えるよう茶色のマニキュアや
鉛筆のかすをかけたり、少しどす黒い茶色のマニキュアを重ねたり
出来は傷そのものだった
私は意気揚々と父さんの所へ行き
父さん、、、、、と手首を見せる
馬鹿ヤロー!!何だコレは!!
本気で怒る父さんの形相をみて
ほら、冗談すっよ、冗談と言いながら
数時間かけて作り上げた傷をはずして見せた
今思うと焦っていたのかとふと思い
最近、あの時の心境を聞いてみたら
バカヤロウがと言っていた
同じく中学時代
父さんのすね毛が妙に気になって
横になっている父さんに
すね毛、切ってもいいと聞いた
いいよと言うので
ハサミで部分カットしてやったら次の日
何だコレはと怒り心頭してた
父さんは怒りの沸点が低くよく怒っていた
家で大人達が喧嘩していて
ぶっ殺すぞと言っちゃう親父ですから、子供心に恐怖したのもまた懐かしい
孫が産れてからというのも
こんなに面倒見がいい優しいじいさんだったんだなとしみじみ思う
娘ちんが大好きみたいで、しばらく会わないでいると
こいつには会いたくなるんだよなーこの辺がくーっとなるんだよと
コブシを胸にあて笑っていた
そして娘ちんが起きてるとき、よくアイラブユーと復唱させ
こいつは、こましになるぞーーーーーっ!てっ抱き上げいい笑顔
父さん、そんな言葉を娘たちの前で
そんな喜怒哀楽に満ち溢れる父さん
何かの本で30までにやっておきたい30の事ってのがありまして
その中の一つに親離れをしておくってのがあったんです
小さい子たちをあやす姿を見ていると
私はまだまだ親離れできてないなーと思い
寂しくなったり幸せな風景
寂しくなったり幸せな風景
まだまだ元気でいてほしい昨今です