お米の等級って何??農薬の使用を助長!?
ネオニコチノイド農薬の使用を助長していたお米の等級
ミツバチが絶滅の危機に!身近な殺虫剤との深い関係とは?
JAS法によって決められたお米の等級付けが
実は、ネオニコチノイド(殺虫剤)の使用を助長していました。
お米を買う時、皆さんは何で選びますか?
一般的には産地や銘柄で選ぶことが多いと思います。
出荷するお米に「宮城産ササニシキ」などの産地や銘柄表示をつけるためには
JAS法によって定められた農産物規格検査を受けなければなりません。
市場に出すために必要なこの検査は、
お米を1~3級と規格外の4段階に等級付けし
その等級に応じて買い入れ価格が決定します。
1級米が一番高く売れるので
生産者は等級の高い米を目指して生産することになります。
お米の等級は、色と形で決めているので
味と安全性には、まったく関係なく
虫食いがあればランクが下がり
買い取り額が下がります。
等級付けの基準は、
米粒の形や大きさ、透明感、
着色粒が混じっていないかということ。
この着色粒は斑点米ともいわれ虫食いの米粒のことです。
この斑点米が
1,000粒に1粒以内で1等級
1,000粒に2粒あるとランクがさがり、2等級
7粒以上あると規格外となります。
収穫前の米粒にこの黒い斑点を残すのは、カメムシです。
カメムシは、ストロー状の口を米粒のなかに差し込んで
中の汁を吸うので黒い斑点となってしまうのです。
生産者は米を高く売るために
このカメムシを殺す必要があるので農薬がたくさん使われることになります。
そこで使われるのがネオニコチノイド系の農薬です。
ネオニコチノイドは夢の農薬として90年代に開発されました。
それまで主流だった有機リン系の農薬は人体への影響が大きかったのですが
ネオニコチノイドは人を含む動物への毒性が今までより低く
昆虫の神経にだけ作用するということで
安全な農薬としてまたたく間に世界中に広まりました。
ネオニコチノイドにはもうひとつ重要な特性があります。
それは浸透性農薬であること。
つまり薬剤が植物の体内にしみこんで茎、葉、根など植物のあらゆる組織に
殺虫成分を持たせることができるということです。
タネや育苗の段階でこの農薬に浸す処理をするだけで
植物の中に浸透するから霧状の農薬を散布する
手間も危険性も回避できるため生産者にとっては利便性の高い農薬ともいえます。
よって来た害虫が作物のどこを食べても死んでしまうほどに浸透性のある農薬です。
それはつまり農作物の組織の奥にしみこむため
いくら洗っても成分をおとすことのできない農薬でもあります。
そんなネオニコチノイド系の農薬は
お米だけでなく、お茶にもイチゴやリンゴなどの果物にも広く使われています。
さらには公園やゴルフ場などでも幅広く使われています。
ネオニコチノイド系の農薬は水に溶けやすいため環境に広がりやすく
地下水にまで浸透するともいわれています。
無農薬のお米を作っても近隣の田んぼやゴルフ場で使われた
ネオニコチノイド成分が検出されることがあります。
他の農薬と比べて人体への影響が少ないと言われていますが
昆虫にとっては大打撃です。
近隣に浸透したネオニコチノイドは水脈によって広がり
まわりの草までも毒性成分を持つようになります。
そしてミツバチが絶滅の危機を迎えてしまいました。
ミツバチの大量失踪が世界中で確認されています。
蜂群崩壊症候群(CCD : Colony Collapse Disorder)といわれ、
一度にたくさんのミツバチがこつ然と姿を消す現象が各国各地で確認されています。
昆虫の神経を麻痺させることで方向感覚や運動能力や生殖能力を奪う
ネオニコチノイドとの関連性が叫ばれ
ヨーロッパ各国ではこれを規制しています。
従来の農薬を使っていた頃は隣接する農家と養蜂家が連携して
ミツバチが活動する時期と農薬の散布の時期をずらすことで
ミツバチの被害を抑えることもできていました。
ところがネオニコチノイドは農作物の全体に浸透し
さらに環境にまで浸透することで
殺虫成分が長くとどまります。
そのため農作物のみならず近隣の雑草の花粉や蜜にまで
殺虫成分が行き渡ることで
ミツバチをゆっくりゆっくりと殺していきます。
そしてミツバチ絶滅の危機が迫ってきました。
ミツバチがいなくなると蜂蜜が摂れなくなるという
単純なことではありません。
ミツバチは農業生産と深い関わりがあります。
イチゴやリンゴ、サクランボなど数多くの農産物の花粉交配をするのは
他でもないミツバチなのです。
作物が開花し受粉の季節を迎えると養蜂家から貸し出されたミツバチが
農場やハウスの中で大活躍してくれるから美味しい実りの季節を迎えられるのです。
「世界の食糧の9割を占める100種類の作物種のうち
7割はハチが受粉を媒介している」といわれています。
もちろん自然界でも野山の草花が命をつなげられるのは
ミツバチなどの昆虫によって花粉が運ばれているからです。
ミツバチの失踪は農業にも大打撃ですが
自然界、生態系にとっても危機的な現象なのです。
ヨーロッパでは多くの国で
ネオニコチノイド系農薬の使用が規制されています。
2000年代はじめにフランスでハチの大量死が確認されてから
同じ現象が世界各国で起こり
その後数年の間に北半球のミツバチの
1/4が姿を消したともいわれています。
しかし日本では、
逆にネオニコチノイド系農薬の規制緩和が続いています。
もちろん日本でもミツバチの失踪や大量死が多く確認されてはいますが
農薬との因果関係が明確ではないということで
ネオニコチノイドを規制する動きはありません。
それどころか、どんどん規制緩和が進んでいるくらいです。
農作物のネオニコチノイドの残留基準値はEUの数十倍から数百倍。
環境に流れ出したネオニコチノイドが水道水中に検出されたので
水道水の残留基準が引き上げられてきたほどです。
実は、ネオニコチノイド系農薬の多くは、日本企業が開発しました。
この農薬の食品への残留基準値の引き上げを申請したのも日本のメーカーです。
世界各地でミツバチの大量死をもたらしているとして、
使用規制が進んでいるネオニコ系農薬ですが、
この農薬を開発したメーカーのリストには、日本企業の名前が並びます。
そして、世界中での規制の波に逆らうように、
この危険な農薬の規制を緩和しているのが、わたしたちが暮らす日本。
ネオニコチノイドの害の責任は、
規制緩和をすすめる国やそれを使う農家だけの問題ではありません。
われわれ消費者の意識を変えていくことが必要です。
実は、知らないところでネオニコチノイドは私たちの生活の中にも忍び込んでいます。
夏が近づくとゴキブリ駆除剤を使いませんか?
ガーデニングの邪魔をするナメクジやアリを薬剤で除去していませんか?
台所の小バエ対策に小バエとりを置いていませんか?
かわいいペットのノミ退治に薬剤を塗布していませんか?
これらも、ネオニコチノイド系であるものが多いのです。
私たちは知らず知らずのうちに
昆虫の住めない環境を広げているかもしれません。
オーガニック大国フランスでは
ネオニコチノイドの全面使用禁止がすでに決議されていて
ネオニコチノイドで薬剤処理されたタネを植えることもできなくなりました。
私たちが米を買う時に
米の等級のあり方に疑問をもったり
住環境の虫退治の薬剤の安全性に疑問をもったりしない限り
昆虫たちを救うことはできないでしょうし、
農業も食糧生産も地球環境も守ることはできないでしょう。
そもそも、
お米の等級は、色と形で決めているので
味と安全性には、まったく関係ないのです。
逆に
等級が高いほうが農薬を使っている割合が多いので安全性に問題があります。
JAでも米屋でも、この等級に従って、価格差をつけているのが問題です。
この等級を見直すことが早急に求められていますが、
まずは、われわれ消費者が、
無農薬のお米を買うことからはじめてみてはどうでしょうか。
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