玄米はおいしい
籾(もみ)を取っただけの玄米は、素材そのものの食べ物です。
ふっくらと炊いて、しっかりと噛むことで、玄米の豊かな甘みが口いっぱいに広がります。
よく噛むことで唾液が充分に出て、消化吸収を助けてくれます。
玄米が苦手な方は、胚芽米や七分つき米からはじめ、徐々に分づきを少なくしていくといいでしょう。
しばらく玄米を食べ続けていると、素材そのものの甘さや、おいしさがわかるようになるはずです。
玄米は栄養たっぷり
玄米は栄養バランスの優れた食べ物です。
玄米には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
精白した白いご飯では、足りないビタミンやミネラルを補うために、何品もおかずを食べなくてはなりません。
玄米食は、少量で過不足なく栄養を取り込めるので、ダイエットにも最適です。
さらに玄米には、白米の約7~8倍の食物繊維が含まれています。
食物繊維は便秘の解消に効果的なだけでなく、体内の有害物質を排出してくれます。
玄米には、化学物質や重金属を排出するフィチン酸も豊富で、解毒を促す効果もあります。
玄米を精白したのが白米
玄米は、籾米(もみごめ)から籾殻(もみがら)だけを取り除いたお米です。
玄米からさらに糠(ぬか)と胚芽(はいが)を取り除き、胚乳(はいにゅう)のみにしたお米が白米になります。
玄米、三分つき米、五分つき米、七分つき米、胚芽米、白米の順に精白度合いが大きくなりますが、
精白がすすむにつれてビタミンやミネラル、食物繊維などの体に良い成分が失われてしまいます。
お米を玄米のまま食べることで、栄養バランスの優れた健康的な食事ができます。
玄米の食物繊維は白米の8倍
玄米が白米ともっとも異なるのが食物繊維の量です。
玄米は、白米と比べると約8倍もの食物繊維を含んでいます。
食物繊維は、便秘を解消すると同時に、体内の余分なコレステロールや糖分、発ガン物質などの有害物質を排出してくれます。
そのため、癌や生活習慣病の予防、またダイエットにも効果的です。
ただし、玄米は白米よりも消化に時間がかかりますので、よく噛んで食べる必要があります。
栄養バランスの良い玄米
玄米は栄養バランスの優れた食材です。
100gの玄米に含まれる栄養素を見ると、
タンパク質が6.8g、脂質が2.7g、ミネラルが650mg、ビタミンB1が0.41mg、食物繊維が3.7gと、
白米より栄養成分が多く含まれています。
また、玄米はナトリウムとカリウムの割合が1:5と人間の細胞に近く、
人間の身体にとって自然で負担が少ない食べ物といわれています。
体調を整える玄米の成分
玄米には、白米に比べてビタミンB群が豊富に含まれており、体調を整えるさまざまな効果があります。
ビタミンB群の主な働きは、糖質や脂質をエネルギーに変えることです。
ビタミンB群が不足すると、便秘や消化不良、神経過敏や肌荒れなどの症状が出やすい体質になります。
鉄分を始めとするミネラルが多いのも、玄米の特徴です。
ミネラルには、丈夫な歯や骨を作り、血液をきれいにする働きがあります。
ミネラルを適切に摂取しないと、骨粗鬆症や貧血、神経過敏や食欲不振などの症状を招きます。
解毒作用に優れた玄米
玄米が自然食やアレルギーの人に好まれる理由は、玄米の解毒作用の高さにあります。
体内にある毒素の約75%は便として排出されますが、白米の約8倍も含まれた食物繊維が便秘を解消し、
毒素の排出をスムーズにしてくれるのです。
また玄米には、化学物質や重金属を体外に排出するフィチン酸が豊富に含まれており、解毒作用を促すといわれています。
無農薬は人に優しい
現代の農業では、安定した収穫と除草などの手間の削減のために、農薬を使うのが一般的です。
しかし、収穫物に残った農薬が人体に有害であることが広く知られ、
今日では農薬を使わない、無農薬栽培が支持されるようになりました。
無農薬で栽培された有機食品は、安全に食べられるのはもちろんですが、
農薬を使った食品に比べて栄養価が豊富なのも特徴です。
無農薬は環境に優しい
農薬栽培の危険は、人体への影響に留まりません。
土壌の悪化や生態系の破壊をもたらし、長期的に見るとその土地の生産力を低下させてしまいます。
無農薬栽培は、人と環境がともに健康で豊かであるために必要なものと言えます。
無農薬食品は、栽培から流通までの制約が多くコストがかかるため、
一般的な食品と比べると割高になってしまいます。
しかし、食生活や環境問題を真剣に考えるならば、無農薬栽培は農業にとって避けては通れない道のりなのです。
農薬の歴史
農薬とは、農産物を病害虫から守るために使われる薬剤です。
農作物の成長を促進したり、抑制したりする目的で使用される薬剤も農薬に含まれます。
日本では1930年代に農薬が使われはじめ、昭和初期に本格的に普及しました。
農薬は現在、安定した収穫を期待でき、除草などの手間を削減できることから、
化学肥料とともに一般的に使われています。
しかし同時に、農薬が人体に有害であることがわかり、
過度の農薬を使用した食品の流通が社会問題化しました。
それらの食品問題は、残留農薬問題として広く知られています。
残留農薬の危険
日本では現在、農薬取締法と食品衛生法により、
人畜や水産物、環境に悪影響を与える恐れのある農薬を規制しています。
また残留農薬に関しては、2006年5月に
「残留農薬等に関するポジティブリスト制度」が定められ、
従来よりも残留農薬に対する規制が強化されました。
このように農薬を規制する法律が整えられ、以前よりは残留農薬の危険は少なくなりました。
しかし、これらの検査は、輸入品では全体の10%しか行われず、国内産では市場での抜き取り検査が行われているのみです。
農薬の安全性は、最終的には生産者のモラルによって守られているのが実状といえます。