景観法という法律が昨年の6月に施行されました。

 

景観3法なんて言われながら、随分前から業界では話題になっていました。

 

 

お役所のいつものパターンに漏れず、

今、全国でこの景観法に基づく景観計画づくりが、あちこちで動き出しています。

 

しかし、この景観法というのはこれまでの法律とちょっと違うところがあります。

 

それは、個別の建物や道路を計画して、それを事業化しようという趣旨ではないところです。

 

つまり、山全体とか、農地の景観全体というように区域を定めて、その景観そのものを保全したり、再生しようという目論見があるのです。

また、その背景に農林水産業といった地域の産業が関連していることをよしとしているのです。

 

ようやくと言うか、10年くらい遅きの感がありますが、まあ、何もしないよりは当然良いです。

 

それで、この景観法が地域再生に有効なのかという問題をストレートに考えてみましょう。
 

私の考えは、

 

「条件つきで有効!」

 

です。

なんだか、奥歯に物が挟まったような言い回しですが、昨年施行されたばかりで、具体的な法的周辺整備がまだまだなので、これしか書けないのも事実なんです。

 

その大きな課題は次のように思っています。

 

1.景観法に対する農林水産省のスタンスが明確になっていないこと。

2.国土交通省と文部科学省が綱引きをしていること。

3.景観法のさきにある国としての具体的施策が不明瞭なこと。

 

細かい課題は省きました。

そして、その対応策は次のようにするべきかと思います。

 

1.景観法の目的を農林水産業の再生と明確に位置づけ、地域再生、景観再生と合わせた複合的な補助制度を国が示し、国と対象地域が直接的に契約(?)を結ぶ。

2.これは1に関連しますが各省庁が本当の目的を曖昧にしているからです。そうせざる得ない背景があるのかもしれません。現在は、景観法に基づく景観計画策定と、文化財保護法に基づく文化的景観保存計画策定の2重構造になっていて、実務として運用しづらい法体系になっています。省庁横断型の複合的な計画策定が出来る対応が必要です。

3.つまるところ、景観と産業の構造改革的なものですから、このダイナミズムを国が示さない限り、やっぱり金太郎飴になるでしょう。まあ、昨年施行されたばかりなのでもう少し様子を見ないといけないかもしれませんが。

(でも、時代は待ってくれないでしょうね)

 

この法律はヨーロッパの景観政策を下敷きにしています。

日本の行政システムが、そうでないところがそのまま課題にストレートに現れているのだと思います。

 

しかし、景観政策の方向性としては私は賛成です。

とにかく金太郎飴的な計画があちこちで生まれませんように!!

本当にそれだけを祈ります。