プリント配線板のダイエット(4)~ソルダーレジスト工程 | 続 サルでもわかるプリント基板のはなし~きばんやおやじのブログ

続 サルでもわかるプリント基板のはなし~きばんやおやじのブログ

プリント基板の基礎から、実装技術を駆使した品質管理のノウハウ、コストダウンの方策まで、電子機器のものづくりのノウハウの虎の巻です

前回、エッチング工程について言及したが

エッチング工程で回路が形成された後は

ソルダーレジストを形成する。

形成ということばを選択したのは、

ソルダーレジストに

インクタイプ と フィルムタイプ

の複数の選択肢が存在するためだ。

ソルダーレジストに求められる役割りは

1.部品実装時のはんだブリッジの防止
2.部品・コネクタなどとの接合部分以外へのはんだ付着の防止
3.防錆
4.回路間の絶縁信頼性の維持
5.外部衝撃からの保護

などがあり、

ソルダーレジストに求められる品質は、

1.基板との密着性
2.耐熱性
3.耐湿性
4.耐溶剤性
5.耐CAF性(耐マイグレーション性)

といった特性が求められる。

実際の工程では、

スクリーン印刷工法が採用されることが一般的だ。

スクリーン印刷機

ただ、スクリーン印刷工法の問題点は、

レジストインク塗布後の膜厚のコントロールが難しく

膜厚の制御が可能な

スクリーンコートまたはカーテンコート

といった塗布手法が採用される。

ただ、原則はスクリーンコートであり、

スクリーンコートに即した仕様を採用することで

コストアップを回避することが可能だ。

具体的には

膜厚の規定は極力避ける

高密度パッケージ(P=0.5未満)の採用は避ける。

L/S=0.015/0.015

アニューラーリングは片側0.15以上

この程度であればコストダウンの難易度が低下する。


ところで、

フレキシブルプリント配線板では、

ソルダーレジストを印刷することは困難で、

カバーレイに頼らざるを得なくなる。

ソルダーレジストをカバーレイで代替すると

金型が余分に必要となり

カバーレイの加工工程が増える上に

カバーレイとベース材料との位置あわせの手間も増え、

コストアップによる負担が大きいことを書き加えておく。