品質を保証するノウハウ 〜擬似断線対策(6) | 続 サルでもわかるプリント基板のはなし~きばんやおやじのブログ

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擬似断線に分類される不具合の中でも
もっともやっかいなモノが
スルホール内部で発生する擬似断線であろう。

私の会社に駆け込む諸兄へのコンサルティングでも
スルホールの擬似断線は相談が多い不具合でもある。

従来から再三言及してきたが、
スルホールの品質確保に関しては
工程の直接の確認が重要となる。

先日もドリル工程での重要項目について述べたが
今回は
最も重要なめっき工程について論じる。

スルホールでの擬似断線を防止するための方策は
要するに めっきの厚さ に集約される。
擬似断線が発生したスルホールでクロスセクションを実施すると
ほとんどの場合、めっきの厚さが不足している。

JIS規格に照らして、
めっき厚さは、22~25μ 程度を推奨したい。
車載、医療機器など、
高い信頼性を求めたい場合は
MIN.25μ 
の仕様で製造を依頼する。

JIS規格もあり、
プリント配線板メーカーでは少し緩い社内規格で製造されるため、
めっきの厚さには留意することが
プリント配線板の品質信頼性を維持するための必要条件である。

次回は、めっき厚さを維持するための方策を述べる。