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 エンキョリレンアイ
 
 
 小手鞠るいさんは、存じ上げていなくて。
 たまたま図書館で、「小手鞠るい」という札が目に付いて。存じ上げていなかったけれど、なんとなく見覚えがある気がして。どこで、何で見たのかは分からなかったけれど、これもいい機会だと思って、恋愛小説を読みたかったというのありこちらを読みました。
 
 
 以下、ネタバレします。
 
 
 
 
 
 タイトルどおり、遠距離恋愛のお話で。東京とアメリカの。
 ヒロインは、ある男性と出逢って恋に落ちるのですが、私はどうしてもそのシーンに入り込むことができなくて。取っ付きにくい、ちょっと拒否感すらする、というか。
 そこで本の後ろの、作者紹介を見てみたら、小手鞠るいさん、最初詩人としてデビューしているそうで。しかも、サンリオの。サンリオ? もしや彼女の名前は、いちご新聞で見たのかな??
 それで腑に落ちました。
 現実的でどろどろとした小説を読むことも多く、私の心がすさんで穢れ、このピュアでふわふわと、ファンタジーのような世界観を受け入れられなかったようだ(・◦・)
 これはフィクションだ、ポエムだ、おとぎ話だと割り切ったら、拒否感なく楽しく読めるようになりました(笑)
 ちなみに某レビューを見てみますと、一番多いのが「5」、次が「3」、その次が「1」。好き嫌いが分かれるのかもしれませんね。
 
 
 
 
 
 出逢った日と、その翌日に彼がアメリカへ旅立つ日の、2回しか会わなかったんですよ。そしてその次に会えたのが、13年後という。そんな相手を、特別な人だと想うのって、やっぱり、作り話だからこそ、という感じもしました。
 
 
 
 
 
 そんな、ファンタジーのような雰囲気でしたが、現実のどろどろとした面もあり。女って怖いな、と思いました。こんな世界観ですら、女は怖い(汗)
 
 
 終盤、とてもつらいシーンがあって。連絡が取れなくなってしまった彼に、ヒロインが会社を辞めてアメリカまで会いに行くのですが、そこで発覚したのが、同棲中の女がいて。しかももうすぐ子供が産まれるとのことで。時期を考えると、ヒロインと出逢う前から妊娠していて。
 ちょっと、何がなんだか分からなくて。
 いや、一番よく分からないのは、受け入れられないのは、ヒロインだと思いますが。
 このシーンはショックが強くて、すごく心が重くて、現実で自分の恋愛関係が上手くいっていないとなかなか割り切れないシーンだ、と思いました。
 私は上手くいっていたので、というか今上手くいっているので、これはただの作り話だと思うことはできたけれど、それと同時に、他人事ではない感じも受けた。
 
 
 以前、好意を寄せてくれていた男性が彼女と婚約してしまった、ということがあって。そもそも彼女いたこと知らなかったし、どうもその人とは私と知り合う前から付き合ってたようで。
 変な話、今まで異性から好意を感じたことがないわけではなかったけど、ここまで感じたことはなかったぞっていう相手で。
 ちょっと、何がなんだか分からなくて。
 トラウマで、そのことを思い出してしまって、しんどくなってしまって。
 今考えると、いろんな意味で痛い人だった。アラサーで物陰から女の子を見てる男ってどうよ・・・。
 そんなわけで私は、作中の男を、ヒロインの心をもてあそんだ下衆野郎だと、思いました。でもヒロインは、それでも彼を想っていて。私には共感できなくて。だからその心境に、正直、最初違和感がしました。
 
 
 でもそれは、私では考えられないほど、私には経験したことがないほど、彼のことを想っていたからなのでしょう。
 愛する、という言葉が適切ではないような、そんなうぶな感情のように思えますが、今まで一度しか恋をしたことがない、しかもそれは淡い片想いに終わったものだったヒロインからすると、本当に、彼のことを心から愛していたのでしょう。
 それと、私と彼女が違うのは、本人に確認できたかどうかで。
 真相を本人から聞かされる機会がなかった以上、信じるという選択肢があったのでしょう。
 それも、強く、濃く。
 
 
 結局、「既婚男性と付き合って子供ができて、振られて、優しくしてくれたヒロインのお相手に片想いした女」のでっち上げだったということが、数年後に分かるのですが。ヒロインのお相手も、その女のせいでヒロインに振られた形になってしまって。真相を知ったのが数ヶ月後で、すぐに手紙を書いたのですが、それがヒロインの元に届いたのが、数年後という・・・。
 その手紙、感動で泣くところのはずなんですけど、失恋したシーンで泣いてしまって、その下衆野郎な感覚を引きずっていたので、感動すべきお手紙を読んでいても、あまり心が動かなくて・・・。
 大きなマイナスにプラスを足しても、圧倒的にマイナスというか。
 それから10年近く経ってふたりが再会したところで物語が終わるのですが、これは本当にハッピーエンドなのか? 泣けるいいお話なのか? と思いました(´・ω・`)
 
 
 出逢わないほうが幸せだったのではないかと、思ってしまった。
 
 

 

 

 

 

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