薬物アレルギーの実体

時々本来の目的とは異なり、薬そのものがアレルギーによって体に害を与える場合があります。
今回の研究はそれの仕組みを明らかにしてくれました。

なぜ一部の人は薬物に対するアレルギーが出るのか?

名前を聞いたことがある方も多いと思いますが、科学雑誌ネイチャーに発表された調査は、一部の薬物がどの様に予想に反して体内の免疫システムに自分自身の組織を攻撃対象にするように変化させるかについて明らかにしました。

免疫システムはその後まるでそれが適合しない移植された組織の様に、組織内の物質を攻撃する様になります。この研究は、ある人の組織の精密な型が、薬物アレルギーを生み出すか否かを決定する生物学的なメカニズムについて示しています。

メルボルン大学の微生物学・免疫学部門のJames McCluskey教授は、これは各薬物過敏の分子レベルの基礎について明らかにする重要な発見であると述べています。

「全ての薬物アレルギーはこの発見で説明できそうである」とMcCluskey教授は言います。彼はメルボルン大学のBio21研究所のTony Purcell教授・Monash大学のJamie Rossjohn教授と共にこの研究を指揮しました。

「いくつかの薬物が命を脅かす様な発疹や発熱や下痢、筋肉痛といったその他の症状の原因となります。」

「簡単な血液検査によって、エイズ・てんかん・痛風や感染症といった幅広い症状に対する治療の中で副作用が起きるかどうかを予知することが出来ます。」


治療の条件

この調査はメルボルン大学の微生物学・免疫学部門のParricia Illing博士によって実施されましたが、彼女はオーストラリアのシンクロトロン(加速器の一種)で、免疫システムが体組織の認識についてどの様に変化させるのかを明確にするため、細胞免疫学と質量分析法、構造生物学を組み合わせた方法を用いました。

研究者達は、次のステップはこのメカニズムが個人の組織の型に関連する他の薬物アレルギーを立証し、薬物に対する副作用を避けるため、患者に対する検査法を確立することであると述べています。


ブーケ1分子を調べれば免疫が分かる?

人間を含め、生物が持つ免疫システムは極めて複雑です。日々世界の優秀な研究者達が免疫とは何かについて研究を続けていますが、まだ正確に分かっていないことも多いようです。
なぜ一部の人はある薬物にアレルギーがあるのか?人間には見た目以上の違いがあるようですね。


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