ブログネタ:死刑について考えてみる 参加中


皆さんもご存じのことかと思いますが、先日9年前に起きた山口の殺人事件で起訴された当時少年だった男に死刑判決が出ました。

さて、この事件については私個人としては妥当な判決だったと思うわけですが、ここでは一般論として死刑について考えてみたいと思います。

現代の世界の潮流は、死刑廃止に動いています。しかし、廃止を決定した国がある一方で、アメリカのように州によって死刑の有無が異なるという状況も見られ、一方的に廃止論が大勢を占めているというわけでもありません。

これはやはり死刑が持つ(と考えられている)抑止力が失われることを危惧する向きもあるからでしょう。死刑を廃止することによって凶悪犯罪が増加するのではないか、という懸念があるためです。

先日の事件で少年の弁護を担当した弁護士団の中心的な人物も死刑廃止を声高に叫んでいる一人だそうです。しかし、個人的には死刑廃止を論じる前に、死刑に変わる量刑を検討する方が先だと考えます。

日本には現在終身刑がありません。無期懲役=終身刑と考えている方もいるかもしれませんがそれは間違いです。
終身刑とはその名の通りどんなに服役中の態度が真面目だったとしても(恩赦などがない限り)、出所はできません。一方、無期懲役とは「期間が決まっていない懲役」であって、囚人の態度によっては一定期間後に出所できてしまいます。

もし、自分を制することができる凶悪犯がいたらどうなるでしょう?無期懲役で服役してもじっと我慢して仮出所を認めてもらい、また野に放たれる事が可能となってしまいます。


もし日本も死刑廃止という流れに乗るのであれば、まず日本の司法が行わなければならないのは、死刑に変わる量刑制度を確立すべきです。終身刑の新設や、量刑の積算(アメリカでは1つの犯罪につき量刑が決まっていて、それを複数犯すと単純にそれが合算されます。例えば、1人に重い怪我を負わせた場合の量刑が懲役1年だったとすると、5人が被害を受けた場合は1年×5=5年という計算になります)も必要になってくるかもしれません。

物事には順序があります。自分の思想を原理主義的に貫き通すのではなく、現実的に妥当と考えられる手順を経ることが重要ではないでしょうか。

それではまた。