一酸化炭素の隠れた効果

一酸化炭素というと、皆さん怖いという印象しかないのではないでしょうか。実際、通常は死亡事故などにつながるため、歓迎されないものとして認知されています。しかし、最近の研究は、一酸化炭素の隠れた効果を明らかにしています。

一酸化炭素が肺に良い？

極めて少量の一酸化炭素は、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった肺の病気の症状をやわらげてくれる可能性がある、とオランダのフローニンゲンにあるメディカルセンターの研究者は示唆しています。

ご存知のとおり、一酸化炭素は危険な気体であり、車の排気ガスや欠陥のある暖房器具から発生します。

この研究では18人の被験者が参加し、2時間ずつ4日間連続して少量の一酸化炭素を与えられました。

その結果、研究者がある特定の免疫細胞(炎症と関連がある)のレベルを調べた際、肺の粘膜上に存在するその免疫細胞が3分の1に減少したことに気づきました。また、さらに被験者の肺は刺激性の化学物質に対してより高い耐性を持ったように見えました。

つまり、この結果が示すことは、単に一酸化炭素を非常に少ない量浴びることで、肺の炎症などが緩和され、さらに抵抗力もついたという事です。

ただし、一酸化炭素を安全に取り扱うのは簡単なことではありません。人によって処方量が異なる上、毒性を持ちはじめる量とこういった効果が出る量はさほど違わないため、調整は困難となると思われます。