引きずり式時計
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クリオスタシスクリアしたっす(ゲームネタ)

(注:僅か2分でクリアしたようなタイムスタンプですが、某ソーシャルコミュニティサイトのミラーを貼り付けているので、実際は2日が経ってます)



久々に1日、家に篭って徹夜でゲームをクリアしました。
あぁ、そういやゲームをネタに連続で日記書くのも久々。


欧米や東欧でも評価のかなり高い同作でしたが(だからこそ日本語ローカライズもされた)
昨今のFPSの流行のジャンルとは違い、どちらかと言うとアドベンチャー、クリア後にはむしろSFロシア文学だったという感想。

もっと言ってしまえば壮大な脱出ゲーム。
脱出ゲームが好きな人ならば、段々と明かされる謎といい、謎解き要素といい、探索は楽しく怖ろしい、充実したものになるだろう。


主な行動は北極海に放逐されカチコチになった船内の探索、そして謎解きの繰り返し、時々戦闘、といったバランス。

謎解きは簡単でも難しくもないので、「やっと解けた!」とスッキリするようなレベルではなく、
なるほどと納得し、ちょっとした達成感を得ながら次に進む感じ。


というのもその謎解きというのは、主人公の特殊な能力「メンタルエコー」を使って、
その場所に残った思念を感じ取ったり、
死者の生きていた過去へダイブして、判断ミスや事故で命を落とした悲運の船員の過去を修正する作業をするもの。

Sleep of Reason(理性の眠り)のサブタイトル通り、あの時理性を持って行動していれば、助かったのに…

といった船員の無念を次々と過去にダイブして救済し、尚且つ現在にもその修正を適応させるものである。


例えば、海水が事故で区画に浸水し、通れない区画があれば、そこで溺死した船員の過去にダイブし、死の少し前にそうならないように冷静に行動しなおす。
バルブを閉じたり、水の逃げ道を作ったりして、浸水自体を食い止めたことにする。

現在に戻ると修正が反映されており、浸水は事前に食い止められているのでその区画を通れるようになる。
勿論船員も死んでおらず、その後他の区画へ非難できた事になっているという仕組み。


こうして探索を進め、全ての事故の原因、原罪である理性を失ってしまった船長の行動、
またその経緯となった映画「クリムゾン・タイド」のような諍い、
事故のパニックによって、同じく理性を失った船員が次々と引き起こしたミスや事故の連鎖を呼び起こしたことにより、
船が大破し多数の乗組員が死亡したこの事故の原因を究明し、悲惨な過去を少しずつ修正して脱出するのが主人公の目的になる。


しかしそれはとても徐々に明らかになっていくもので、プレイ初頭は全く状況を掴めない。
主人公は遭難して船にやって来て、何故ここに来たかも解らないのはプレイヤーも同様。

操作は緩慢、いきなり出くわす怪物も得体が知れないし、目的も解らず不安のうちに探索を強いられる。
道中で、ストーリーとは関係なさそうなヘンな物語の読み上げが始まったり、嫌気が差した人はそこで辞めてしまうかもしれない。

しかし、サブタイトルの意味も、途中でそうして挟まれるゴーリキーの小説の意味も、
探索を進めて、原因を究明するうちに解り始め、クリアと同時にズシーンと理解する。

切れ切れに散りばめられた謎はここに帰結し、これは爽快、感動をエンディングに約束する。
この作品を成功足らしめた要素として、これは確かに面白い。


続いて、探索上の脅威となるクリーチャーに対するこちらの武器、主に東側の当時の銃器の評価。

テクスチャや動作の再現は精緻で素晴らしく出来ており、
特にリロード動作は、極寒で、手袋をしたままという中での緩慢な動作に加えて、
銃器一つ一つの実際のリロード時のアクションを踏襲しているので、とても時間がかかる。

たとえば登場するmosin nagant1891はソ連を代表するボルトアクションライフルであるが、
弾層が空になった場合、リロードにはボルトを解放して排莢し、5発クリップを押し込み、空になったクリップを捨て、ボルトを閉鎖する動作が必要である。

この動作を過去様々な2次大戦を扱ったゲームで再現しているが、
これほどまでにこれらの動作を実際同様、遅々とした動作で再現するゲームは初めてだ。

これまた稀なのが、装弾が空になった時に、このクリップ装填が必要な訳だが、
弾層内にまだ弾が残っている場合は、ちゃんと1発ずつ入れるタクティカルリロードをする点。

過去の某シリーズも、装弾が4発あってもリロードは5発クリップ押し込んでたというのに、このこだわりよう。


またSMGであるPPshの、オープンボルト特有の、制御の利かないバラけ具合の再現。

クローズドボルトで命中精度の良いMP5の出現までは、
SMG(サブマシンガン)の運用方法はとにかく弾をばら撒き敵に制圧射撃をしたり、突撃してばら撒くものだった。

この前時代なSMGも他数々のFPSタイトルでは小型の接近武器として、
バランスの面で中距離程度も狙えばフルオートでの制御が利く特性を与えられたが、それはリアルではない。

そもそもきっちりアイアンサイトで狙って敵を仕留めるという当時の運用思想には無かったのであって、
無駄にこういうところが忠実に再現されているのが評価できた。


…いけないいけない、なんだか銃の話になってしまったけれど。


戦闘に関しては、
敵AIはほんとにおバカで、狭いところにプレイヤーが逃げ込むと、どうしていいか判らずその場でクルクル回りギャーギャー叫ぶレベル。

カバーなどもせず、ひたすら向かってくる。
"理性を失っている"と考えるのが妥当かもしれないが、それでも少し目に余るくらいおバカ。

また戦闘自体も単調で、また戦闘前には必ず体力となる熱源と弾薬が用意されているので襲撃の予測が容易だが、

そろそろ出てくると分かって身構えていても、予想外にびっくりさせる出現をするので、面倒くさくは無い。
それにリロード動作等の銃器のアクションは、個人的に戦闘に緊張と華を添えているといえると思う。


また接近用の手持ち武器もそれなりにある。
これがまたクセがあって、中でも消火用の斧は強い。

銃の弾が切れてしまったり、そういった手持ちの方が有利な戦いには重宝する。
思い切り振りかぶって殴りつけるので隙も大きいが、当たるととても痛そうな音がする。

油断しているとこちらも殴り殺されるので、何度か殴り、怯んだりしている内に更に振りかぶり、こちらも必死に殴りつける。
とても暴力的だが、よく出来ていてゲームであれ相手を撲殺し制圧した感がとても強く、カタルシスすら感じるほど。


ただ、ストーリーの素晴らしさや能力の新鮮さを加味しても、探索自体は暗い船内の延々とした徘徊で単調であることは否めないし、

難易度を選べる訳でも、シークレットがあるわけでも、マルチプレイがあるわけでも、アーカイブやアンロック要素があるわけでもない。
リプレイアビリティはとても低いといえるだろう。

「シックス・センス」を見た時のように、もう一度ストーリーを咀嚼して楽しむ為に2度目をプレイするとしても、
3度目は何年か後になるような気がする。そんな作品だ。


様々なタイトルがひしめくFPS市場でこれだけ高評価だったのは、ストーリーの濃厚さ、描画の見たことも無いくらいの綺麗さ、システムの斬新さなど、とにかく「新鮮だった」に尽きると思う。


少し値段は張るが、クリオスタシス日本語版、買ってみて損はないと思うので、

・廃墟探索好き
・脱出ゲーム好き
・アドベンチャー好き
・FPSの可能性や新鮮さを体験したい
・東側の武器が好き
・ゲームに哲学や文学的な面白さを見出したい


こんな人は是非、購入してプレイしてみることを薦めます!

クリオスタシス

購入決定。
ホラー系FPS大好き。
ウクライナ製のソフトだけど、Stalkerといい、廃墟ホラー系はウクライナ勢が強い?

廃墟+ホラー+原子力+クリーチャー=ウクライナFPS。
その図式はやはり、1986年、僕らが生まれた年に彼らが一番被害を被った、
衝撃的なチェルノヴイリ事件がしっかり焼きついてるんだろうな…

クリオスタシス
http://www.4gamer.net/games/039/G003928/20091030023/

13年も前に難破して行方不明になった北極の砕氷船を偶然発見した男が、ブリザードに追われ仕方なく中に入っていく。
サイコメトリーみたいな能力を使って死んだ船員の残留思念で謎解きホラーFPS。

勿論船員は全員死んでいる…
はずなのだが、理性を失った化け物として襲ってくるのも。
例によってこの船は原子力で動いていた。これもウクライナホラーの定説。


ブリザード吹雪く北極だから、体温の保温・管理が重要で、体温ゲージが無くなると死ぬ。

「寒さの表現」にとっても力を入れてるらしく、
とにかく極寒、極寒に次ぐ極寒をとても巧く表現してるらしい。
プレイムービーでもその一端がひしひしと。

今年は省エネと謳って、暖を取らずに部屋の寒いままプレイしようというわけ。
かじかんだ指でキーボードをぎこちなく叩き、寒さと恐怖と戦う。乙じゃないか。


それを動かすPCの性能自体は、とても省エネとは言えないのは内緒な。

armchair traveler

調べ物をしていた時に、僕は一つの単語に出会った。

実際の経験に因らないで、観念的な通論や批判を物知り顔で唱えたりすることや、
そういう人の事を、英語ではarmchair、肘掛け椅子と表現するようだ。
空想家、夢想家との意味もあるらしい。
いわば、机上の空論という言い方が近い。

例えば地図を眺めて旅をした気になっている人を指す時は、
(an) armchair travelerと言った具合だ。


モニタと直結し、実際の行動を起こさずここで何かをブイブイ垂れている僕や、
僕が好まない、肘掛け椅子の上から匿名のネットに跋扈し、自らを良識と勘違いしたり、互いの傷を舐めあったりして群れて自らをネチズンと表現する連中と何が違うのか?

失敗やリスクが怖いといいながら、実際は動く気力も無く、
ただ肘掛け椅子の上から、一喜一憂してみたり、何かを得た気になっていただけではないか?
何も進歩していない。
肘掛け椅子という表現は的を射ていて、新鮮さを感じさせた。


そういった意味で例えば僕が、本来楽器などに用いられるunpluggedという表現を自分に用いるなら、
それは僕が肘掛け椅子とモニタにつながれていない状態のことだ。

僕の電源はそこだから、電源を供給されない僕はきっと音の一つも出せず、
インターネットというアンプリファイアを通さない僕の声は、とても掠れて矮小なものだと気付いている。
実に下賤とは思わないか?


下賤といえば、最近本格的に喫煙の習慣が復活してきた。
忌むべき習慣で、一度は完全に止めたのだが、
そんな人が再び喫う事は稀だと思うが、フラッシュバックとでも言うのだろうか、
2年のブランクを経て、あの一服の落ち着きが欲しくなってしまったのが切っ掛けだ。
なんとも情けない話だけど。


今のところ、カートン買いは控えている。
4箱だけ買って、それが切れたら駅前の煙草屋に購入しに行かなくてはならない。

僕が喫っているのはdunhillといって、そこらの自販機ではまず売っていない。
街でも駅前の、そこにしか売っているのを見たことがない。少し珍しいタバコだ。
わざわざ買いに行かなくては手に入らないのだ。

珍しいものにステータスを求めた訳ではないが、色々吸い比べ、それが一番自分にしっくり来てて、長いこと愛用していた。
そして今のところ他の銘柄に代替できる味が無い。

駅前でそうして少数買って、喫茶店に入り、そこで本を読むのが習慣になり、愉しくなってきた。
小さな僕のunplluggedだ。


こうして僕がタバコの習慣を再び始めるに当たって、喫煙具が必要になった。
他の喫煙具は、以前止めた際にジッポーを始めほぼ全て棄ててしまった。

そうして喫煙を再び始めた半年ほど前に家を漁り、出てきたのは数年前、とあるスナックで貰った安物ライターだけだった。
喫煙具にこだわりも無くなった今、現役で使っている。


このスナックにはいい思い出があまり無い。
場末で、客層も常連客のみで、カウンターのチェアはがたつき、ソファのシートは破れている。
上司の行きつけであり、連れられたのが切っ掛けだった。

良くない思い出はあまり語らないとして、居心地はそんなに良くなかったので、
僕はそんな気を紛らわそうとウィスキーをストレートでとにかく煽り、酩酊したものだ。


半年も連続で使えば、そんなライターも中に充填されたガスが無くなってくる。

あの日から、僕は何か変わったろうか。
火の勢いは弱まり、吹いたらすぐに消えそうな鞠状の弱々しい炎を見ていると、
なんだかそんな日の自分の思い出し、燃やし費やしているような気分に時折なる。



その日の僕にも今日の僕にも、肘掛け椅子は常にあった。
腰を落ち着ける位置は、常に安全な場所であった。
僕は電源を、他に変えなければならない。


ブログの諸々のテーマタグも、実はこれらの考えから来ている。