寺にずいぶんと人が出入りしている。
そうか、お彼岸か。
昼の長さと夜の長さが同じになる日
陽と陰の強さが入れ替わる日
あの世とこの世が最も近くなる日
ひっがーん、カミングスーン(もう来てるから)
いろいろと謂れはあるけれど
わたしにとっては
心地よい気怠さがあり、よく眠れる日。
庭の真ん中に
一輪の彼岸花が咲いていて
黒地に白紋の入った蝶が蜜を取りに
ヒラヒラ舞っては止まりを繰り返している。

外ヅラが最高によかった父。
本屋に入ると毎回トイレ💩に行きたくなる父。
貧乏舌で何でもおいしいと食べた父。
とらやの羊羹を板チョコのCMみたいに
丸かじりしていた父。
新興宗教に入信していた父。
ムーを創刊号から愛読していた父。
娘の小学校の入学式で
スーツのズボンがマンガのように裂けてしまった父。
好きな言葉が「一石三鳥」だった父。
「返さないとは言ってない」と言いながら
貸したお金を返してくれないまま死んだ父。
時々夢に出てきてはアクティブに動こうとして
「もう死んでるんだからやめときな」
とわたしに叱られてしまう父。
こうやって時々思い出しても
全然美化されない、しょうがない父。
それでも、もっと一緒にいたかった
という気持ちは今も変わらない。
父やご先祖さまには
わたしが幸せに生きてることを伝えたい。






