赤字というのは駄目なものという見方をする人が多い。


黒字であれば成長し金持ちになると思っている人が多いのだ。


トヨタなどは赤字決算である。なのに成長している。なぜなのか。


これは国でも同じである。アメリカは常に経常収支は赤字である。

アメリカの経常収支の推移


カナダもオーストラリアも100年以上赤字である。しかし国は成長している。貧しい国ではない。


●ある教師の話
では一例をあげれば、1000万円稼ぐ教師がいたとしよう。かなりけちでそれにもかかわらず、飲兵衛だ。

収入のうち200万円は飲み代に消える。家族には月5万円だけ渡し、子供は4人もいる。


つまり家族には60万円しか使わない。文句を言ったら張り倒すと。

残りを老後の貯金と、税金の納税に使う。

黒字で大成功でしょうか。


確かに飲みに行くのが仕事関係ならば、成長するでしょう。
交際費です。

そして740万円のうち300万円を納税し、残り440万円を貯金しました。

ある日、奥さんはパートに出ているときに収入2000万円の男と知り合いました。

奥さんは子供を置いて、男と贅沢三昧をするようになりました。

子供はどうかと言えば、牛乳を盗んだり、万引きをしたり、食べ物を探してサバイバル
しました。

しかし子供のうち二人は逃げる際に踏み切りに飛び込み、電車に轢かれました。

二人は別の家で救済してもらいました。

教師はそれでも外には隠し続け良い顔をしました。

奥さんは道義的に子供に悪いと感じ、元に戻りました。

教師は反省し60万円を80万円に増やしました。

子供は成人し家を出て二度と戻りませんでした。

教師は長年の納税と、部下たちに交際費を使ったおかげで、尊敬され表彰されました。

しかし、70になったころ、亡くなり、奥さんもすぐに亡くなりました。

1億円のカードローンが残っていました。何に使ったのは不明ですが死ぬ前に豪遊
したのでしょうか。

子供は借金の相続をしたくないので、相続放棄をしました。


●もう一人の教師がいました。

彼も1000万円の収入がありましたが、8割を家族に使い、1割を自己投資に使い、残り1割を株式投資などにまわしました。

子供たちは教育にお金を使って、教育費や豊かな生活費を使った後、税金300万円を納税しました。

子供たちはキャンプや釣りを楽しみ、豊かな生活をおくりました。妻も豊かな生活をし、
海外旅行も何度も行きました。


子供の一人はハーバード、もう一人は国立医学部に行きました。残り一人はパリ音楽院、最後の一人は東大に進み官僚になりました。



ハーバードに行った息子はゴールドマンサックスで1億の給料を貰い、家を親にプレゼントしました。

医学部の子供は病院を経営し、親の手術を行い、助けてくれました。

音楽家になった子供は、親を連れて世界を旅行してくれました。

官僚になった息子は親の税金を計算し、相続対策もしてくれました。

しかし何より、大きいのは残り1割でしていた株式投資でした。5億円にもなっていたのです。

その5億円で元手に10億円のマンション1棟を世田谷に建築しました。相続対策になり、相続税も減りました。

自己投資で経済を勉強し、赤字が損でない事も知っていたのです。


教師は息子4人を優秀に育てたことで、父兄たちの信頼も厚く、定年後もさまざまな教育活動をしました。

前者は日本型とすれば後者はアメリカ型といえましょう。

ではなぜ赤字でも得になるか。消費が多い分、それを借金で買うということは、商品と金の両方を手に入れることになるのです。金と商品が手許に入るということは、当然豊かになります。

そこに当然借金というものはありますが、それ以上に豊かさが、次の豊かさを生むのです。

その結果、借金は余裕で返済できるのです。

使った費用も、次の成長のバネになるものなのです。

交際費で飲んだのももちろん成長のバネになりますが、入ってくるものは千三つで案外少ない。

もちろん、借金で飲むことはできません。キャッシュが出て行くだけです。

カードローンを使いまくることはできるでしょうが。

そして貯蓄は低利の時代はまったく増えません。


常に赤字があったとしても、資本主義社会では勝つのです。

唯物論で商品と金は見えるもので、借金は見えないものです。

見えるものしか存在しないのです。見えない豊かさというのは、モノとしての豊かさはありません。創造の中での豊かさは、モノとしての豊かさを持つ人にも持てるもので、いずれにせよ、豊かさでは負けるのです。

黒字はカモのマークでもあります。

そこを目掛けてテロと戦闘機(災い)は来るのです。

もちろん、株式会社は株主への配当もあります。

配当を少なくして内部留保して皆で合わせて3月に決算ししゃんしゃん株主総会をするというチョンボで、かろうじて内部留保を守っていたり、米国債を輸出の見返りのショバ代で買わせられるのは、独立国ではないからです。軍事力に欠けるのです。

外ッ面を良くすることだけしかできません。決して内部の人たちは幸せにはなれないのです。

この親父をどうするか、我々はさもしいなか、考えなければならないのです。