商標法の魅力:損害不発生の抗弁その13(ウノパーウノ控訴事件) | 商標登録の館

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 Hello!弁理士歴20年目に入った付記弁理士の山本 真一こと、フルート・アルトサックスフォンの音・練習・演奏及びオペラ&クラシック音楽の鑑賞をこよなく愛する「ヤマシン」です。大阪府の高槻特許商標事務所の経営者弁理士であります。


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争点1(2) 損害発生の有無及び損害額

 【大阪高裁第8民事部の判断

 判示要部をそのまま列記すれば、次の判示となります。


『 しかしながら、そもそも、商標法第38条第3項は、商標権者自身が登録商標を使用していることを前提としていないまた、商標権は、元来、商標の出所識別機能を通じて商標権者の業務上の信用を保護するとともに、商品の流通秩序を維持することにより一般需要者の保護を図ることにその本質があり、それ自体に特許権や実用新案権等が有するような財産的価値があるものではないが、当該商標に商標権者の業務上の信用と結び付いた顧客吸引力がなくても、それ以外の理由で当該商標自体が顧客吸引力を有しているような場合には、これを潜在的な顧客吸引力という財産的価値として評価することもできるから、当該商標権に財産的価値が全くないとまではいえない


 これを本件についてみるに、前提事実、証拠及び弁論の全趣旨によれば、

①被告が、被告商品を企画するに当たり、被告商品がCのプロデュースに係るものであることを前面に出すためにそのブランド名に「C1」との音を含ませることが必要であったこと

②被告標章は、イタリア語を語源とする単語を組み合わせたものであるが、そのうち、「Uno」の音は「ウノ」及び「ウーノ」であって、被告商品をプロデュースした有名タレントであるCの名前と同一ないしほぼ同一の音であり、これら二つの単語「Uno」の間に「対」を意味するイタリア語である「PER](音はペル」との単語を挿入した形で用いることにより、被告標章がブランド名として使用された被告商品とCとの関連を強く想起させる特徴的な称呼となること

③平成13年11月末ころ、被告は、報道各社への案内状に本件第1回発表会の名称として被告標章を表示するなどして、被告標章を被告商品のブランド名として対外的に使用し始め、それ以降、業界紙及び情報誌等において被告標章が繰り返し掲載され始めたことが認められる。そして、原告が、本件商標について商標登録出願を行なったのとほぼ同時期に、被告が、被告標章を被告商品のブランド名として対外的に使用し始め、それ以降も継続的に、被告商品の販売、宣伝活動に被告標章を使用したことにより、本件商標と類似した被告標章自体が持つ斬新さや語感の良さと相まって被告商品の購入を検討する取引者ないし需要者に対し、Cと被告商品との関連をより強く印象づけたことが認められる。そうすると、被告標章自体にも顧客吸引力があったといえるから、本件期間においては、被告が本件商標と類似した被告標章を被告商品の販売、宣伝活動に使用したことが被告商品の売上げに寄与していたというべきである


 従って、被告の前記主張は採用することができず原告は、被告に対し、本件商標の使用料相当額を損害額として賠償請求することができる


 いやはや、(現在での人気・ブランド価値は判りませんが、)本件事件が争われていた当時での、女性タレントCさんの名前「うの」の持つブランド力は顧客を惹き付ける点ではずば抜けていたようですね。次に引き続いて述べる損害額の算出での当裁判所の判示を見ると、短期間でよくこれだけの額の被告商品「ウエディングドレス」が売れたものだと感心します。


(余談話)

 本日午前中より午後1時まで、京都四条河原町の新京極にあります松竹のMOVIX京都におきまして、先月の4月にNYのメトロポリタン歌劇場で上演されました生録画生録音のMETライブビューイングの映画を鑑賞してきました。演目は、ジョアキーノ・ロッシーニー作曲の喜歌劇オペラ「オリー伯爵」であります。タイトルロールの「オリー伯爵」を歌い演ずるテノール歌手は、歌手にとって極めて難しい「ベルカント・オペラ」を歌えるテノール歌手ではならず、その人は、かってその様に言われた伝説のソプラノ歌手のマリア・カラスと同様に、「100人に一人しか出ない逸材」と評される、意外や意外の南米のペルー出身の「ファン・ディエゴ・フローレンス」であります。このオペラは、ジョアキーノ・ロッシーニーがイタリアからフランスに移住して後に作曲した曲の内で、後から数えて2つ目のオペラであります(ジョアキーノ・ロッシーニー自身は、生前、多くのオペラを作曲しましたが、フランス移住後、若くしてオペラの作曲を止めて引退してしまい、その後は優雅な年金生活に入っておりますので。)。このオペラ「オリー伯爵」は、テノール歌手・ソプラノ歌手・メゾソプラノ歌手のメインの3人が共に「ベルカント・オペラ」を歌える歌唱力・技巧を有していることが求められるため、世界中でも演じられることは滅多に無いオペラでありまして、MET自身もその永い歴史上、今回が初演であるオペラとのことです。さすが、お目当てのテノール歌手「ファン・ディエゴ・フローレンス」の実力は凄いと思いました


 ⇒ そのためか、本日の会場は満員御礼でした。普通は比較的に空いているのに。この若きテノール歌手は、仕事場は主としてイタリアなのに、何故かNYに自宅があるとのことで、今回の録画対象の上演の当日の朝に初の男の子が生まれたそうで、開演30分前に病院から劇場に駆け付けたそうで、一睡もしていないと、本人はインタビューの時に言っていました。なのに、ハイC、ハイDが連発するレガート曲をなんなとこなしてしまう、あの歌唱力は矢張りすごいです。


 ⇒ この男は、本年9月に、イタリアの名門中の名門歌劇場「ボローニャ歌劇場」がイタリア統一150周年記念の企画として日本に来日して公演するオペラの第2番目の演目「ベルカント・オペラ」の「清教徒」に、勿論出演します。既に、私は、去年の秋に、2演目共、チケットを購入済みです。

 


以上


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  http://www.syohyo-pro.com/ をご欄下さい。


 

<お堅い長い文章をここまで読んで下さったことに、感謝、感謝


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