[映画批評]「息もできない」
一言で申せば
暴力の連鎖が生みだす悲哀!
息もできない [DVD]/ヤン・イクチュン,キム・コッピ,イ・ファン

¥3,990
Amazon.co.jp
得点85点(高得点!)
2008年(韓)
監督
ヤン・イクチュン
出演
ヤン・イクチュン
キム・コッピ
イ・ファン
チョン・マンシク
ユン・スンフン
(2012年DVDにて鑑賞)
こんな映画goo映画より抜粋
韓国で俳優として活躍してきたヤン・イクチュンが製作、脚本、主演など五役を兼任した監督デビュー作。東京フィルメックスやロッテルダム国際映画祭を始め、世界中で25以上もの映画賞を受賞するなど、高い評価を得た。複雑な家庭環境を背負った粗暴な男と一人の女子高生が出会い、心を通わせていく姿を鮮烈なタッチで綴る。
ストーリーgoo映画より抜粋
手加減のない仕事振りで恐れられている取立て屋のサンフン(ヤン・イクチュン)。借金回収だけではなく、ストライキの妨害や屋台の強制撤去などでも容赦のない男だったが、甥のヒョンイン(キム・ヒス)をかわいがる一面も持っていた。
ある日、サンフンは偶然、女子高生のヨニ(キム・コッピ)と出会う。殴り合いから始まった出会いだったが、2人はお互いに通じるものを感じる。
彼らはそれぞれ、親との関係に問題を抱えていた。幼い頃、暴力的な父に母と妹を殺された過去を持つサンフン。刑務所から出所した父のもとを訪れると、一言もなく殴りつける。一方のヨニは、精神を病み、働けない父を抱えていた。父の代わりに働いていた母は、屋台の強制撤去に遭い、その最中に死亡。
弟のヨンジェ(イ・ファン)は高校にも行かず、荒れた生活を送っていた。粗野なサンフンと、それに臆することなく彼をからかうヨニ。相反する2人を似た境遇が結び付ける。しばらくして、ヨンジェがサンフンのもとで仕事をすることになるのだが・・・・。
評論(ネタばれ注意)
2012年初の映画批評はこの映画。
批判をされながらも、着実に勢いを増す韓国文化。それは映画の質にも表れてきたなと思われた一本。
本作は、主演でもあるヤン・イクチュンが製作、脚本、監督を務め狂気と哀愁を薄皮一枚の絶妙のバランスで描いた傑作である。
映画は、暴力的な主人公と偶然出会ったわけあり高校生を視点にして進んでいくが、同じ穴のムジナで傷のなめ合いだけを描かなかったのが本作の成功点であると思う。
ぴったりとくっつけさせるわけでもなく、二人が依存しあうわけでもない。
かと言って赤の他人に毛を生えさせた関係でもない絶妙なバランスが本作をさらに味わい深いものにさせていると思う。
さらに韓国のいわゆる低階層の世界も描いている点も、うまく作品のアクセントとなっている。
韓国という国を知るにもよい映画であると思われる。
息もできないなんて名前だけど、本当にそうである。
そのあまりのやりばのない怒り、その怒りと哀愁はたしかに見ている側でも息が詰まってしまうほど。
ここまでの野心作は、なかなかお目には掛れないと思う。
似たような映画の属性を持つのが現在上映中の映画
これ

「ヒミズ」
今年、小生が一番気になる作品である。
是非ともわが日本映画も本作に匹敵する出来であることを祈る。
最後に広告動画をどうぞ。
合わせてヒミズの広告動画をどうぞ。