[映画批評]「100万円と苦虫女」 | RAW CARESSな日々2nd

[映画批評]「100万円と苦虫女」

一言で申すと。

「苦虫を噛み潰す」

不愉快な表情の喩え。苦々(にがにが)しい気持ちである様子。
また、いつも苦々しいげな顔付きをしていることや、そういう人の形容。

得点75点(良作)

百万円と苦虫女 [DVD]/蒼井優,森山未來,ピエール瀧

¥4,935
Amazon.co.jp



2008年(日)
監督
 タナダユキ
出演
 蒼井優
森山未來
ピエール瀧
竹財輝之助
齋藤隆成

(2011年6月DVDにて鑑賞)

こんな映画goo映画より抜粋

「赤い文化住宅の初子」などの女性映画で知られるタナダユキ監督が、「フラガール」の蒼井優を主演に迎えて製作したロードムービー。
アルバイトでお金を稼ぎ、100万円貯まるごとに転居を繰り返しつつ、自分の生き方を見つけ出していく20代女性の姿を描く。蒼井優が、不器用ながら一歩一歩成長していく主人公・鈴子を好演。



ストーリーgoo映画より抜粋

短大を卒業後、フリーターをしている鈴子は、バイト仲間からルームシェアを持ちかけられて実家を出る事にした。

しかしひょんな事から事件に巻き込まれ、警察沙汰に。前科者になってしまった鈴子は、「百万円貯まったら出ていきます」と家族に宣言し、バイト掛け持ちで懸命に働く。

やがて実家を出た鈴子は、とある海辺の町にたどり着く。海の家で働き始めるが、貯金が百万円貯まると、あっさり次の土地を目指して旅立つのだった…。

評論(ネタバレ注意!)

小生にとっては、珍しい作品のチョイスであるが、よく酒を交わす知り合いからのオススメで見てみました。

小生は、この手のジャンルは実はちょっと苦手としていたし、日本映画であるが故にどこか敬遠してましたが、見てみたら意外とイケました。

本作は、蒼井優のもつ静の魅力をうまく登場人物へと投影させ、作品の魅力とさせてることに成功していると思う。

この映画は、ロードムービーの体をしている。
しかし、ロードムービーは、だいたいが終着点があり、主人公はそこにたどり着くことが多い。
しかしながら、この映画には、終着点が存在しないようにも思える。

それは、題名にもあるように100万円貯めたら次の地へと移る。
それの繰り返しであり、劇中でのセリフでもあるように、逃避行の物語でもあるのだ。

実際には、この映画は全部で4つのパートに別れている。

1前科者になり出所するまでの過程
2海の家でのバイトと軽い出会い
3過疎地域でのバイトと騒動
4都会部でのバイトと恋

まるで短編を繋ぎ合わせたような展開であるが、それぞれが独立したエピソードとしても見ることが出来る。

個々のエピソードごとに、テーマも違うし、中にはネタバレすると危険な箇所もある。

オススメしてくれた知り合いは、そのネタバレ部分で感動していたとのことであるが、小生もたしかに納得。この100万円というワードをうまくつかった展開である。

蒼井優の魅力だけを頼りにせずにしっかりとストーリーを描いているところは、とても好感がもてる。

が、人と関わりも持ちたくない割には、やたらとモテルのはいかがなものか?
それは、蒼井優だからか?

総じて、うまくまとまった映画です。
中には、この主人公に共感する方もいらっしゃるんじゃないかな?

小生もなんとなくわからんでもなかったよ。

最後に広告動画をどうぞ。