目を覚ますと、僕はベッドに寝かされていた、先程もそんな感じで目を開けた気がするけど、おぼろげだった。
あれ、さっきまで誰かいなかったっけ…。
何か気配が隣に残っているような…。気のせいかな
起き上がると、今までの記憶が蘇るように脳裏へ映し出された。
そうか、僕はイリアスと戦ってたんだっけ。
最後にイリアスに救ってもらったような…。
それからどうしたんだろ…気絶して寝てたのかな。
すると、ドアが大きな音を立てて開かれた。
「ルカ!起きたのか!」
その犯人は赤い髪に、緑色の鱗が特徴的な龍人。
―――グランベリアだ。
今にもドアが破壊されそうな勢いで部屋へ入ってきた。
というか、壁がドアの形に凹んでいる。
グランベリアの僕を見る瞳には、安堵も見えるが…。
確かな怒りの炎も見て取れる。
拳もその怒りに比例するようにフルフル揺れている…。
「ルカっ!!お前という奴はっ!!」
ドアから僕のいるベッドの距離をすさまじい威圧感を放って歩いてきて。
おもむろに腕を振り上げる。
「ちょ、まっっ!」
勢いよく振るわれる拳に、僕は反射的に目を瞑ってしまっていた。
しかし、いつまで経っても僕の生命が絶えることはなかった。
目を開けたら死後の世界とかだったら、さすがに笑えないけど。
コツンッと数秒送れて、弱々しい拳骨。
「ふんっ、これぐらいで勘弁しといてやる」
「あはは、ありがと…」
でも、僕の治癒能力は高いはずだし、そこまで長く寝ていたわけじゃないはずだけど
「どれぐらい寝てたの?僕?」
「一ヶ月ぐらいだ」
「え!?そんなに!?」
「そうだぞっ!!!毎日心配する私の身になってみろっ!!」
そう眉間にシワを寄せていうグランベリアだが、すぐに発言の意味に気付いたのか頬を朱色に染める。
毎日心配してたって、すごいな…。
「うっうん」と咳払いをして先ほどの発言を亡き者にしようとする。
「と、アルマエルマが言っていた」
最後には責任をアルマエルマに押し付けた。
わ、わかりやしぇぇぇい…。
「まぁ、多少は気に掛けてくれていたみたいでよかったよ」
とりあえず、怒られない程度にフォローを入れる。
「それより、体調の方は大丈夫なのか?」
「随分寝てたからなまってるかもしれないけど、多分大丈夫じゃないかな」
とりあえず、一ヶ月前より体は重いけど、動かないというわけでもない。
腕を動かしてみても、何の違和感もなく動く。
「まぁ無事でよかったぞ、世界の平和を取り戻した勇者がぽっくり死なれて困るからな」
「あはは、大袈裟だよ。それに死んで英雄になるのも・・・」
「今度は本気でイ・ク・ぞ?」
すぐに自分の失態に気付き、手で口を塞いで、恐る恐るグランベリアを見る。
腕を組んでため息をつくグランベリア。
よかった、殴られはしなかった…。
「全くお前という奴は…。私がそのセリフを口にしたら、お前もきっと怒るはずだ」
「た、確かにそうだね…」
そのセリフが嬉しかったのか、照れたようにそっぽを向く。
以前とは打って変わって、感情がわかりやすくなって、僕はなんだか嬉しくなった。
本当の無表情でずっと睨みをきかせていた時もあったもんだなぁ、と懐かしむ。
…と、視界の端に青くプリンみたいなものが写った。
「…」
その青いプリンは瞬く間に長身の美しい女性へと形成する。
「ルカ、目を覚ましたのね…」
グランベリアが、突然横に現れたエルベティエにギョッとした。
そして、「くっ、ルカに意識を向けすぎて、全く気配に気付かなかった…」と、唇を噛み締める。
「心配だから、見に来たの…大丈夫かしら…?」
一人で自分の情けなさを後悔しているグランベリアを放っておくエルベティエ。
こっちもこっちで、意識は僕に向いているし、向きっぱなし。
湿っぽい視線で僕が落ち着かない。
「う、うん、大丈夫。この通りピンピンしてるから」
腕を回して元気アピールをしてみせると、グランベリアより乏しい表情が和いだ。
「そう、じゃあ…この後…私の所へこない…?」
「えぇぇと…」
「ゆっくりと、人と魔物の共存について話し合いたいの……」
「えぇぇと、この後起こることを割合でいうと…?」
「共存について、2%…私とルカが結ばれることについて…99%」
「本音丸出しじゃねぇーかっ!はみ出た1%どっからでてきた!!」
すると、悩みに悩んでいたグランベリアが横槍を入れてきた。
ちなみにこの場合の横槍とは、本当に横から槍を突き出してきたのではなく。
僕とエルベティエの会話に入ってきたという意味でもなく。
横から剣を入れてきたのである。
横槍ならぬ、横剣である。
一瞬エルベティエが険しい表情になったのであたふたする僕。
なぜ、抜いたし。
「待てエルベティエ、この後、私とルカで出かける約束を取り付けていたところだったような気がするんだ」
「最後の方全部曖昧じゃねーかっ!」
「そう、残念…既にルカは私と所へ来ることになって…いる…と思う…わ」
「断じて違うけど…」
さりげなく断ると、エルベティエは少しだけ湿っぽい瞳を細める。
「ルカ…ケチ…」
そういって、エルベティエはまた縮んでいく。
その去り際に「絶対…******(自主規制)」という一言を吐き捨てて。
「今、聞き捨てならないこといわなかった!?」
しかし、青いプリンはもう既になくなってしまっていた。
神出鬼没というか…鍵掛けても容易に入ってこれてしまうのはかなり危険なのでは…。
「エルベティエはどうしてか、ルカにだけは懐いているな」
グランベリアは少しだけムッとした表情で呟いた。
「そんな、ペットじゃないんだから…」
そういえば、エルベティエを見て思い出したけど、最初の村で戦ったことのあるスライム、元気かなぁ。
あいつと戦ってからほんっと色々あった。今度挨拶にでも行きたいな。
「ルカ」
平和になったであろうこの世界で平和ボケしたことを考えていると、グランベリアが僕の名前を呼んだ。
「ルカ、大事な話がある。しっかりと聞いてほしい」
グランベリアは先ほどまでな柔和な表情を改めて、とても真剣な表情で僕を見つめる。
先程の軽いテンポとは違う。
急にどうしたのだろうと、キョトンとしていると…。
「―――私には許婚がいるみたいなんだ」
そう僕に告げた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コメント
この書き出し、何か覚えがあるような…?
ずばり、アルマエルマ編を見よ!!!
てことでやっとこさ始まりましたグランベリア編!
本当にお待たせしました
ちょっとずつ、綴っていきますのでどうぞ最後までご覧ください。
ちなみに半分ぐらいもんむすの設定忘れているので矛盾とかあると思いますが
目を瞑ってくださいテヘペロ
誤字脱字、乱文失礼!!それでは次回っ!
あれ、さっきまで誰かいなかったっけ…。
何か気配が隣に残っているような…。気のせいかな
起き上がると、今までの記憶が蘇るように脳裏へ映し出された。
そうか、僕はイリアスと戦ってたんだっけ。
最後にイリアスに救ってもらったような…。
それからどうしたんだろ…気絶して寝てたのかな。
すると、ドアが大きな音を立てて開かれた。
「ルカ!起きたのか!」
その犯人は赤い髪に、緑色の鱗が特徴的な龍人。
―――グランベリアだ。
今にもドアが破壊されそうな勢いで部屋へ入ってきた。
というか、壁がドアの形に凹んでいる。
グランベリアの僕を見る瞳には、安堵も見えるが…。
確かな怒りの炎も見て取れる。
拳もその怒りに比例するようにフルフル揺れている…。
「ルカっ!!お前という奴はっ!!」
ドアから僕のいるベッドの距離をすさまじい威圧感を放って歩いてきて。
おもむろに腕を振り上げる。
「ちょ、まっっ!」
勢いよく振るわれる拳に、僕は反射的に目を瞑ってしまっていた。
しかし、いつまで経っても僕の生命が絶えることはなかった。
目を開けたら死後の世界とかだったら、さすがに笑えないけど。
コツンッと数秒送れて、弱々しい拳骨。
「ふんっ、これぐらいで勘弁しといてやる」
「あはは、ありがと…」
でも、僕の治癒能力は高いはずだし、そこまで長く寝ていたわけじゃないはずだけど
「どれぐらい寝てたの?僕?」
「一ヶ月ぐらいだ」
「え!?そんなに!?」
「そうだぞっ!!!毎日心配する私の身になってみろっ!!」
そう眉間にシワを寄せていうグランベリアだが、すぐに発言の意味に気付いたのか頬を朱色に染める。
毎日心配してたって、すごいな…。
「うっうん」と咳払いをして先ほどの発言を亡き者にしようとする。
「と、アルマエルマが言っていた」
最後には責任をアルマエルマに押し付けた。
わ、わかりやしぇぇぇい…。
「まぁ、多少は気に掛けてくれていたみたいでよかったよ」
とりあえず、怒られない程度にフォローを入れる。
「それより、体調の方は大丈夫なのか?」
「随分寝てたからなまってるかもしれないけど、多分大丈夫じゃないかな」
とりあえず、一ヶ月前より体は重いけど、動かないというわけでもない。
腕を動かしてみても、何の違和感もなく動く。
「まぁ無事でよかったぞ、世界の平和を取り戻した勇者がぽっくり死なれて困るからな」
「あはは、大袈裟だよ。それに死んで英雄になるのも・・・」
「今度は本気でイ・ク・ぞ?」
すぐに自分の失態に気付き、手で口を塞いで、恐る恐るグランベリアを見る。
腕を組んでため息をつくグランベリア。
よかった、殴られはしなかった…。
「全くお前という奴は…。私がそのセリフを口にしたら、お前もきっと怒るはずだ」
「た、確かにそうだね…」
そのセリフが嬉しかったのか、照れたようにそっぽを向く。
以前とは打って変わって、感情がわかりやすくなって、僕はなんだか嬉しくなった。
本当の無表情でずっと睨みをきかせていた時もあったもんだなぁ、と懐かしむ。
…と、視界の端に青くプリンみたいなものが写った。
「…」
その青いプリンは瞬く間に長身の美しい女性へと形成する。
「ルカ、目を覚ましたのね…」
グランベリアが、突然横に現れたエルベティエにギョッとした。
そして、「くっ、ルカに意識を向けすぎて、全く気配に気付かなかった…」と、唇を噛み締める。
「心配だから、見に来たの…大丈夫かしら…?」
一人で自分の情けなさを後悔しているグランベリアを放っておくエルベティエ。
こっちもこっちで、意識は僕に向いているし、向きっぱなし。
湿っぽい視線で僕が落ち着かない。
「う、うん、大丈夫。この通りピンピンしてるから」
腕を回して元気アピールをしてみせると、グランベリアより乏しい表情が和いだ。
「そう、じゃあ…この後…私の所へこない…?」
「えぇぇと…」
「ゆっくりと、人と魔物の共存について話し合いたいの……」
「えぇぇと、この後起こることを割合でいうと…?」
「共存について、2%…私とルカが結ばれることについて…99%」
「本音丸出しじゃねぇーかっ!はみ出た1%どっからでてきた!!」
すると、悩みに悩んでいたグランベリアが横槍を入れてきた。
ちなみにこの場合の横槍とは、本当に横から槍を突き出してきたのではなく。
僕とエルベティエの会話に入ってきたという意味でもなく。
横から剣を入れてきたのである。
横槍ならぬ、横剣である。
一瞬エルベティエが険しい表情になったのであたふたする僕。
なぜ、抜いたし。
「待てエルベティエ、この後、私とルカで出かける約束を取り付けていたところだったような気がするんだ」
「最後の方全部曖昧じゃねーかっ!」
「そう、残念…既にルカは私と所へ来ることになって…いる…と思う…わ」
「断じて違うけど…」
さりげなく断ると、エルベティエは少しだけ湿っぽい瞳を細める。
「ルカ…ケチ…」
そういって、エルベティエはまた縮んでいく。
その去り際に「絶対…******(自主規制)」という一言を吐き捨てて。
「今、聞き捨てならないこといわなかった!?」
しかし、青いプリンはもう既になくなってしまっていた。
神出鬼没というか…鍵掛けても容易に入ってこれてしまうのはかなり危険なのでは…。
「エルベティエはどうしてか、ルカにだけは懐いているな」
グランベリアは少しだけムッとした表情で呟いた。
「そんな、ペットじゃないんだから…」
そういえば、エルベティエを見て思い出したけど、最初の村で戦ったことのあるスライム、元気かなぁ。
あいつと戦ってからほんっと色々あった。今度挨拶にでも行きたいな。
「ルカ」
平和になったであろうこの世界で平和ボケしたことを考えていると、グランベリアが僕の名前を呼んだ。
「ルカ、大事な話がある。しっかりと聞いてほしい」
グランベリアは先ほどまでな柔和な表情を改めて、とても真剣な表情で僕を見つめる。
先程の軽いテンポとは違う。
急にどうしたのだろうと、キョトンとしていると…。
「―――私には許婚がいるみたいなんだ」
そう僕に告げた。
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コメント
この書き出し、何か覚えがあるような…?
ずばり、アルマエルマ編を見よ!!!
てことでやっとこさ始まりましたグランベリア編!
本当にお待たせしました
ちょっとずつ、綴っていきますのでどうぞ最後までご覧ください。
ちなみに半分ぐらいもんむすの設定忘れているので矛盾とかあると思いますが
目を瞑ってくださいテヘペロ
誤字脱字、乱文失礼!!それでは次回っ!